項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 156-59-2 |
名称 | cis-1,2-ジクロロエチレン |
物質ID | m-nite-156-59-2_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点2.2-3.9℃ (closed cup)、沸点60.1℃ (HSDB (Access on December 2014)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類はUN1150、クラス3、PGIIである。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (不飽和結合) を含むが、国連分類はUN1150、クラス3、PGIIに分類されており、上位の自己反応性化学品には該当しない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が460℃ (GESTIS (Access on December 2014)) であり、常温で発火しないと考えられる。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
ラットのLC50 (4時間) として、13,700 ppm (IRIS TR (2010)、NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第2巻暫定的有害性評価シート (2003)) との報告に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (263,000 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源 (IRIS TR (2010)、NITE初期リスク評価書 (2008)) を追加し、旧分類における区分4の設定値2,500-5,000 ppmが2,500-20,000 ppmに変更されたために、区分を変更した。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
本物質の水溶液はヒトの皮膚への刺激を引き起こす (環境省リスク評価第2巻暫定的有害性評価シート (2003)) との記載や、本物質は皮膚に対して一次刺激性を示し皮膚炎を起こす (HSDB (Access on December 2014)) との記載があることから区分2とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
本物質の水溶液はヒトの眼に対して刺激を引き起こすとの記載から (環境省リスク評価第2巻暫定的有害性評価シート (2003))、本物質を含む異性体混合物である1,2-ジクロロエチレンは眼刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on December 2014))。なお、本物質の異性体について、ヒトの眼に腐食性を示すとの情報がある (ACGIH (7th, 2001))。以上の結果から区分2とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | In vivoでは、マウス骨髄細胞の染色体異常試験で陰性、陽性の結果、マウス骨髄細胞の姉妹染色分体交換試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (1996)、IRIS TR (2010)、NTP DB (Access on Dec 2014))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (1996)、IRIS TR (2010)、NTP DB (Access on Dec 2014))。In vivo染色体異常試験の陽性結果は1例のみであり、これはLD50値の1/6量を10回投与したやや特殊な試験条件のため、IRIS TR (2010) では本物質の変異原性について、一般的にいって陽性ではないが、結論できないとしている。以上より、「分類できない」とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | EPAでI (IRIS TR (2010)) であるため、「分類できない」とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 本物質に関する情報はない。 trans-体との混合物のマウスを用いた経口での催奇形性試験の用量設定試験において、検査項目が限られているが母動物毒性がみられる用量においても胎児の検査に異常はみられていない。また、trans-体のラットを用いた吸入経路での催奇形性試験において、母動物毒性がみられる用量において有意な胎児への影響はみられていない (吸収胚の増加 (背景データの範囲内) がみられている) (IRIS TR (2010))。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (麻酔作用) |
警告 |
H336 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質は、ヒトに対し高用量で麻酔作用との記載がある (ACGIH (7th, 2001))。 実験動物では、ラットの8,000 ppm (31.72 mg/L)、4時間吸入ばく露で麻酔作用、死亡なし、16,000 ppm (63.44 mg/L)、8分間で麻酔作用、4時間で死亡の記述がある (PATTY (6th, 2012))。また、ラットに0.79 mg/L、8 時間吸入ばく露で、ヘキソバルビタールによる睡眠時間の延長、ゾキサゾラミンによる麻酔時間の延長がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008))。 なお、1,2-ジクロロエチレン (異性体の混在比率不明) のヒトの吸入ばく露で、吐き気、嘔吐、衰弱、振戦、中枢神経系抑制、眩暈、麻酔作用がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第2巻暫定的有害性評価シート (2003)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970))。trans-1,2-ジクロロエチレンは、ラットの1,275 mg/kg 経口投与で活動低下、協調運動失調、正向反射消失、呼吸抑制。病理組織学的検査で、肺毛細管充血、肺胞中隔の拡張の報告 (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1996)) がある。cis-とtrans-の異性体間で毒性に差異が認められているとの記載 (詳細不明) (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970)) もあることから、異性体混合物、trans-体の毒性データは使用しなかった。 以上より、本物質のデータから麻酔作用が主影響であり、区分3 (麻酔作用) とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ヒトでの本物質ばく露による有害性知見はない。実験動物では、ラットに本物質を90日間強制経口投与した試験において、区分2上限用量 (97 mg/kg/day) で、肝臓相対重量の増加がみられたが、病理組織所見はみられなかった (NITE初期リスク評価書 (2008)、IRIS TR (2010))。この他、ヘマトクリット値の低下、ヘモグロビンの減少がみられたが、いずれも区分2上限用量、又は区分外の高用量でみられた所見であり (NITE初期リスク評価書 (2008)、IRIS TR (2010))、これらを分類に用いるのは適切でないと考えられた。また、本物質の吸入ばく露試験は実施されていない。 以上、ラット経口投与試験結果より、経口経路では区分外相当と考えられるが、他経路の毒性情報、ヒトの有害性知見がなく、データ不足のため「分類できない」とした。この点に関し、旧分類では本物質は区分2 (血液) とされたが、上記の通り発現用量等を考慮し、標的臓器の対象から除外した。なお、本物質の異性体である trans-体 (CAS No.: 156-60-5) も、データ不足のため「分類できない」としている。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 |
- |
H402 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ )の48時間EC50=40.2mg/L(環境省生態影響試験, 2003、環境省リスク評価第5巻, 2006、NITE 初期リスク評価書, 2008)であることから、区分3とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 |
- |
H412 | P273 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性でない(BODによる分解度:0%(既存点検, 1990))が、甲殻類(オオミジンコ )の21日間NOEC=4.51 mg/L(環境省生態影響試験, 2003、環境省リスク評価第5巻, 2006、NITE 初期リスク評価書, 2008)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性でなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1990))、魚類(メダカ)の96時間LC50=67.2 mg/L(環境省生態影響試験, 2003、環境省リスク評価第5巻, 2006、NITE 初期リスク評価書, 2008)であることから、区分3となる。 以上の結果を比較し、区分3とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
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