NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 156-62-7
名称 カルシウムシアナミド
物質ID m-nite-156-62-7_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - 純品は不燃性で区分外であるものの、不純物の存在により火災の危険性がある (ICSC (J) (2006)) という情報があることから、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
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-
- - 純品は不燃性で区分外であるものの、不純物の存在により火災の危険性がある (ICSC (J) (2006)) という情報があることから、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 純品は不燃性で区分外であるものの、不純物の存在により火災の危険性がある (ICSC (J) (2006)) という情報があることから、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 分類できない
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- - 金属 (Ca) を含み水に反応する (ICSC (J) (2006)) がデータがなく分類できない。なお、不純物である炭化カルシウムの含有量が0.1%を超える場合はUN 1403、クラス4.3、PGIIIに分類されており区分3に該当する。また、UNRTDG特別規定38で、炭化カルシウム不純物含量が0.1%以下である場合は、危険物に適用されないとなっているので、純品は区分外に該当する。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 酸素、ハロゲンを含まない無機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、700 mg/kg (純度40~60%、100%純度換算値: 280~420 mg/kg) (農薬工業会 (農薬時報別冊「農薬技術情報」 (1992))、765 mg/kg (純度62~65%、100%純度換算値: 474~497 mg/kg) (DFGOT vol. 5 (1993))、690 mg/kg (純製品、EU SCHER (2016)) との3件の報告があり、1件が区分3~4、2件が区分4に該当する。件数の多い区分を採用し、区分4とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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-
- - ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (純度62%、100%純度換算値: > 1,240 mg/kg) (DFGOT vol. 24 (2007)) との報告があり、区分4又は区分外に該当するが、この値だけでは区分を特定できないため、分類できないとした。旧分類が使用した農薬登録申請資料 (2000) は入手できず、確認不能であるため使用しなかった。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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-
- - ラットの4時間吸入試験のLC50値として、> 0.155 mg/L (DFGOT vol. 24 (2007)) との報告があるが、この値だけでは区分を特定できないため、分類できないとした。新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404準拠) で、乾燥した本物質では皮膚刺激性は認められないのに対して、湿らせた本物質では軽度から中等度の刺激性を認めたとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) がある。また、ヒトに対して顕著な眼刺激性がみられるとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) がある。よって、これらの結果から総合的に判断し、区分2とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) において、瞬膜の壊死、角膜混濁、重度の刺激性を生じ、又は適用後7日目の観察で結膜浮腫 (グレード4)、紅斑 (グレード2)、虹彩のうっ血 (グレード2) 、角膜混濁 (グレード4) の眼刺激性が生じたとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) から、区分1とした。なお、本物質の水溶液は強アルカリ性を示すとの記述 (EU SCHER (2016)) がある。EU CLP分類において本物質は Eye Dam. 1 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットを用いた改変マキシマイゼーション試験 (OECD TG 406準拠) において本物質は陽性であるとの報告 (EU SCHER (2016)) がある。また、労働者65名でのパッチテストによる皮膚感作性調査では感作性が認められなかったとの報告 (EU SCHER (2016)) があるが、動物試験の結果を否定できないことから、区分1とした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、小核試験で陰性 (EU SCHER (2016))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で弱い陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (NTP DB (Access on June 2017)、ACGIH (7th, 2001)、EU SCHER (2016))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - ラット及びマウスを用いた2年間混餌投与による発がん性試験において、ラットでは投与に関連した腫瘍の増加はなかった (NTP TR163 (1979)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。マウスでは雄で血管肉腫に用量相関性がみられたが、統計的に有意差はなかった。雌ではリンパ腫又は白血病に用量相関性がみられ、高用量群では統計的有意差があったが、発生率は背景データの範囲内であった (NTP TR163 (1979)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。したがって、雄マウスの血管肉腫も雌マウスのリンパ腫又は白血病も本物質投与との関連性はないと考えられ、本物質はラット、マウスともに発がん性を示さないと結論された (NTP TR163 (1979)、PATTY (6th, 2012))。既存分類としては、ACGIHがA4に分類している (ACGIH (7th, 2001))。以上より、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - 妊娠ラットに強制経口投与 (妊娠6~19日) した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、子宮重量減少) がみられた 21 mg/kg/day 以上で、胎児には軽微な影響 (胎児体重の低値) がみられただけであった (EU SCHER (2016))。しかし、生殖能・性機能への影響に関する情報がなく、データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ヒトでは本物質が鼻、喉、気道の粘膜を刺激し、咳、喉の擽感 (れきかん)、鼻炎、扁桃炎を起こすとの記載がある (DFGOT vol. 5 (1993))。実験動物では、ラットの単回吸入ばく露試験で、本物質の市販品5.1 mg/L (純度62~65%との記載 (DFGOT vol. 5 (1993)) より、100%純度換算値: 3.16~3.32 mg/L) の吸入で呼吸障害、振戦、全身状態の悪化、体重減少がみられたとの報告 (DFGOT vol. 24 (2007)) があるが、ばく露時間の記載がなく、原典も非公開資料で詳細が確認できないため、根拠としなかった。以上より区分3 (気道刺激性) とした。なお、旧分類が用いた農薬登録申請資料 (2000) は入手できず詳細不明であるため、不採用とした。したがって、旧分類から分類結果を変更した。
  なお、本物質は経口投与後にシアナミド (CAS番号 420-04-2) に変化し、本物質について観察された毒性作用が主としてシアナミドの毒性に起因するとされている (EU SCHER (2016))。シアナミドはアルデヒド脱水素酵素を阻害することから酒量抑制剤として用いられており、経口摂取後にアルコール (及びアルコールを含む食品等) を摂取することにより、顔面紅潮、血圧下降、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下が起こることがあるとの記載がある (医療用医薬品集2017 (2016))。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(甲状腺)、区分2(肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ヒトについては、本物質はシアナミドと同様に嫌酒作用がある。本物質を主成分とし様々な量の苛性石灰を含む製品であるニトロリムの作業に従事した65名についてばく露濃度と産業医による検査の結果、雇用期間は5~41年間 (平均19年間)、ばく露濃度は0.23~8.36mg/m3、ばく露と関連する悪影響はみられておらず、仕事の1~7時間後にアルコール摂取した22人の従業員のうち6人で中等度のアルコール不耐性反応を引き起こし、7人では弱い反応を引き起こしたとの報告がある (DFGOT vol. 5 (1993))。
  実験動物については、本物質の市販品 (本物質を63%含有) のデータがある。ラットを用いた混餌による7週間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である0.04% (ガイダンス換算: 20 mg/kg/day、本物質として13 mg/kg/day) (90日換算: 7 mg/kg/day) 以上で体重増加抑制、0.06% (ガイダンス換算: 30 mg/kg/day、本物質として19 mg/kg/day) (90日換算: 10 mg/kg/day) 以上で甲状腺の過形成、区分2のガイダンス値の範囲内である0.15% (ガイダンス換算: 60 mg/kg/day、本物質として47 mg/kg/day) (90日換算: 26 mg/kg/day) 以上で胆管の過形成がみられている (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、NTP TR163 (1979))。なお、マウスを用いた混餌による7週間反復経口投与毒性試験では、区分2のガイダンス値の範囲を超える用量において肝臓に対する影響 (胆管の軽微な過形成、門脈周囲の肝細胞の空胞化、限局性の肝細胞壊死) がみられている(環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、NTP TR163 (1979))。
  以上、ヒトにおいては本物質の直接的影響ではなくアルコール代謝障害に関連した影響がみられ、実験動物では甲状腺への影響が区分1、肝臓への影響が区分2のガイダンス値の範囲でみられている。したがって、区分1 (甲状腺)、区分2 (肝臓) とした。
  なお、本物質は経口投与後にシアナミド (CAS番号 420-04-2) に変化し、本物質について観察された毒性作用が主としてシアナミド毒性に起因するとされている (EU SCHER (2016))。シアナミドのGHS分類は区分1 (血液系、甲状腺、肝臓、生殖器 (男性)) に分類されているが、本物質については本物質のデータのみから分類を行った。
  新たな情報源を用いたことから旧分類と分類結果が異なった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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