NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 21351-79-1
名称 水酸化セシウム
物質ID m-nite-21351-79-1_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性に関わる原子団を含まない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない
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- - 不燃物 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 爆発性および自己反応性に関わる原子団を含まない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 不燃物 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃物 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水と激しく反応するが、発生するのは熱であって、引火性ガスではない。(Sittig(47th. 2002)) 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない
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- - 酸素を含むが、セシウムは1価の状態で最も安定な金属であり、他の物質に酸素を与えることはない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機物。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 銀または白金の容器でしか保存できない(Sittig(47th, 2002))程の腐食性物質であるが、鋼およびアルミニウムに関する腐食速度データは得られていない。区分1と推察される。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
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-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50に、570mg/kg(RTECS(2004))および 1026mg/kg(ACGIH(2001))のデータが見出されたので「区分4」とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データがなく、分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - (GHS定義による)固体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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- - 不揮発性の固体で、蒸気吸入の試験ができない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
動物および暴露時間不明の吸入LC50データで、0.02 mg/Lという値が見つかった(RTECS(2004))ので粉塵吸入「区分1」とした。同じ元文献にヒトのLC50(?): 0.005mg/Lというデータもあった。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1B


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
乾いた結晶状態でウサギの皮膚に付けた場合Mildという報告もある(RTECS(2004))が、吸湿した場合、あるいは水溶液では著しい腐食性を示す(ACGIH(2001))ので「区分1」とした。ヒトに対しても各文献(ACGIH(2001), HSFS(1998), Sittig(47th, 2002))に腐食性についての警告・注意が記載されている。国連輸送勧告ではクラス8容器等級IIとされており、輸送目的でのGHS区分は1Bとなる。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギの眼に入れて激しい刺激を起こしており(ACGIH(2001))、人の眼に対しても 刺激・火傷を起こすと記載されている(Sittig(47th. 2002), HSFS(1998))。また皮膚腐食性・刺激性が「区分1」とされたので、眼も「区分1」とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - 呼吸器感作性はデータがなく、分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
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- - 皮膚感作性はモルモットで実験をして皮膚感作が認められなかったという報告がある(ACGIH(2001))ので、「区分外」とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データがなく、分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データがなく、分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
一水和物を用いた試験結果(1)より、精巣毒性が顕著にみられたことから本物質は雄性不妊を生じる可能性が示唆されるが、性機能及び受胎能に関する情報がないため、区分2とした。オーストラリアで、GHS区分の付与が提案されたため、生殖毒性項目を検討して見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)水酸化セシウム一水和物(CAS登録番号:35103-79-8)を被験物質とした、ラットを用いた90~91日間強制経口投与による亜急性毒性試験(OECD TG 408、GLP)において、中及び高用量(125及び250 mg/kg/day)群で体重増加抑制(雄)、血液影響(白血球数及び網赤血球比の増加:雌雄)とともに顕著な精巣毒性が認められた。すなわち、中用量では精巣上体重量低値、精子の運動性と形態の傷害(精子頭部と尾部の分離、不動精子)がみられた。高用量ではさらに、精子形成傷害(精巣サイズ小、精巣及び精巣上体重量の低値、精子形成能の程度の低下、精巣精細管内及び精巣上体管内の成熟精子の欠損、精細管に比例して精子数減少)がみられたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Sep. 2022)、AICIS Evaluation Statement (2021))。
(2)水酸化セシウム一水和物について、ラットの妊娠5~19日に強制経口投与した発生毒性試験では、母動物毒性が明瞭に認められる最高用量(150 mg/kg/day)まで、母動物の生殖能、胎児の発生への影響は認められなかった(REACH登録情報 (Accessed Sep. 2022)、AICIS Evaluation Statement (2021))。
(3)オーストラリアではRepr. 2が提案されている(AICIS Evaluation Statement (2021))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
区分1、2にすべき症例報告は見出せなかった。Sittig(54th, 2002)、HSFS(1998)に上部呼吸器(鼻、のど、気管)に対する刺激の記載がある。根拠・出典の不明確なデータシートの記載であるが、この物質は最強のアルカリなので、「区分3(気道刺激性)」を採った。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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-
- - Sittig(47th. 2002)、HSFS(1998)にヒトへの長期暴露で、肺、気管など呼吸器系への影響が記載されている。またラットの2件の吸入実験で、区分1のガイダンス値内の暴露濃度で中枢神経系、心臓、血液への影響が別ーに報告されている(RTECS(2004))が、詳細な記述がないことから採用を保留した。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データがなく、分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 84.3 mg/L(本物質の一水和物)(本物質換算値:75.26 mg/L)(REACH登録情報, 2022)であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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-
- - 急速分解性に関する十分なデータが得られていない。藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 11.2 mg/L(本物質の一水和物)(本物質換算値:10 mg/L)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 14.1 mg/L(本物質の一水和物)(本物質換算値:12.59 mg/L)、魚類(ゼブラフィッシュ)の35日間NOEC = 38.38 mg/L(本物質の一水和物)(本物質換算値:34.26 mg/L)(いずれもREACH登録情報, 2022)から、区分に該当しないとした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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