NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 25551-13-7
名称 トリメチルベンゼン
物質ID m-nite-25551-13-7_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - この物質は異性体混合物であり、CAS番号 526-73-8、95-63-6、108-67-8を含む。個別の異性体の分類についても参照のこと。

爆発性に関連する原子団を含んでいない。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点44-53℃ (closed cup) (ICSC (2002)) に基づいて区分3とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が470-550℃ (ICSC (2002)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
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- - - 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - この物質は異性体混合物であり、CAS番号 526-73-8、95-63-6、108-67-8を含む。個別の異性体の分類についても参照のこと。

ラットのLD50値として、8,970 mg/kg との報告 (HSDB (Access on August 2014)) に基づき、区分外とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
本物質は動物 (種は不明) に対して一次刺激性を持つとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。なお、ウサギに1,3,5-トリメチルベンゼン (CAS:108-67-8) を適用した皮膚刺激性試験 (OECD TG404準拠) において、適用1時間後にごく軽度の発赤及び軽度の浮腫がみられ、適用後144 時間後には中等度から重度の発赤がみられたが浮腫は回復したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の結果から、区分2とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
本物質は眼刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on August 2014))。また、ウサギの眼に1,3,5-トリメチルベンゼン (CAS:108-67-8) を500 mgを24時間適用した結果、軽度の刺激性がみられたとの記載がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の結果から、区分2Bとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質を含む混合溶剤の職業ばく露で、塗料店の従業員37人が溶剤蒸気 (組成: 1,3,5-トリメチルベンゼン 30%、1,2,4-トリメチルベンゼン 50%、その他含有の可能性ある物質1,2,3-トリメチルベンゼン、1-メチル-2-エチルベンゼン、1-メチル-4-エチルベンゼン) に 7年間ばく露された結果、最高濃度にばく露されたヒトの70%が喘息性気管支炎を発症したとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。しかしこの知見は混合ばく露であり、本物質による影響か否か判断できないため、区分に用いるには不十分なデータと判断した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質に関する情報は少ないが、ヒトに気道刺激性の記載 (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on August 2014))、実験動物で、マウスに 5,000-9,000 ppm (24,600-44,280 mg/m3) の吸入ばく露で中枢神経系抑制の記載がある (ACGIH (7th, 2001))。なお、中枢神経系抑制は区分のガイダンス値範囲外の濃度であった。また、実験動物への中枢神経系への影響は麻酔作用に含まれる症状であった。以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでは本物質の異性体として1,3,5-トリメチルベンゼン30%、1,2,4-トリメチルベンゼン50%を含む溶剤に数年間ばく露 (炭化水素濃度として10-60 ppm) された作業者27名中の多くに中枢神経系 (神経過敏、緊張、不安) 及び呼吸器 (喘息性気管支炎) への影響がみられた。血液検査では低色素性貧血及び血液凝固異常 (凝固時間の延長) の傾向が示された。原著者らはトリメチルベンゼンばく露による影響と主張したが、血液毒性は溶剤に混入していたベンゼンによる影響との他研究者による指摘も記述されている (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。
実験動物ではラットにトリメチルベンゼン異性体混合物 (組成不明) を1,700 ppm (8,347 mg/m3) の濃度で4ヶ月間吸入ばく露した結果、体重増加抑制と共に顕著な中枢神経系抑制、血液検査異常 (リンパ球増加、好中球増加) がみられたが、血液影響は被験物質に混入したベンゼンによる影響の可能性もあると記述されている (ACGIH (7th, 2001)、NITE初期リスク評価書 (2008))。すなわち、区分2までの濃度範囲で明確な標的臓器毒性はないが、区分外の高濃度ではヒトでの本物質ばく露による中枢神経系への影響を支持する結果と考えられた。
以上、ヒト及び実験動物の知見より、血液毒性については証拠が不十分のため、標的臓器の対象とせず、分類は区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。なお、旧分類はList 3又はList外の情報源からの分類であり、今回はList 1の情報源より分類したため、結果が変わった。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 区分1


危険
H304 P301+P310
P331
P405
P501
炭化水素であり、混合物としての動粘性率は算出根拠となる数値が得られず算出できないが、1異性体である1,3,5-トリメチルベンゼンの動粘性率は8.9 mm2/s と低く、混合物の動粘性率もこれと大きく異なることはないと考えられる。よって、区分1とした。なお、List 3 のICSCに経口摂取した場合、肺への吸引により化学性肺炎を生じるおそれがあるとの記述がある (ICSC (2002))。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(グラスシュリンプ)の96時間LC50=5400μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(1,3,5-トリメチルベンゼンのBCF=328(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(1,3,5-トリメチルベンゼンのBODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ)から類推)ことから、区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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