項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2797-51-5 |
名称 | 2-アミノ-3-クロロ-1,4-ナフトキノン(別名:キノクラミン(ACN)) |
物質ID | m-nite-2797-51-5_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素及び酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:1,360 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (2)ラット(雌)のLD50:1,600 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (3)ラット(雄)のLD50:500 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (4)ラットのLD50:300~2,000 mg/kgの間(CLH Report (2019)) 【参考データ等】 (5)ラット(雌)のLD50:200~500 mg/kgの間(食安委 農薬評価書 (2013)) (6)ラットのLD50:200~500 mg/kgの間(EFSA (2007)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2013)) (2)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402, GLP)(食安委 農薬評価書 (2013)、EFSA (2007)、CLH Report (2019)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)より、区分を特定できず、分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 0.79 mg/L(食安委 農薬評価書 (2013)、EFSA (2007)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、閉塞、4時間適用、168時間観察)において、1時間後に1例で軽度の紅斑がみられたが、24時間後以降に刺激性影響はみられず、残りの5例では皮膚刺激性は全くみられなかったとの報告がある(CLH Report (2019)、農薬工業会:「日本農薬学会誌」第18巻第1号 (1992))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
【分類根拠】 (1)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験(GLP、14日観察)において、1時間後に非洗眼群6例のうち全例で明らかな結膜発赤及び重度の結膜浮腫がみられ、4例で虹彩炎がみられた。7日後の観察では2例でわずかな領域の角膜混濁が残ったが、14日以内に完全回復した(非洗眼群6例における角膜混濁スコアの平均:0.9、虹彩炎スコアの平均:0.9、結膜発赤スコアの平均:1.8、結膜浮腫スコアの平均:2.1)との報告がある(CLH Report (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1.0%溶液)において、惹起後の陽性率は80%(8/10例)であったとの報告がある(CLH Report (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(6)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474、GLP、単回腹腔内投与)で、陰性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2013) 、CLH提案文書 (2019))。 (2)In vivo/in vitro (ex vivo)試験である経口投与後のラットの初代培養肝細胞を用いたUDS試験(OECD TG486、GLP)で、陰性の結果が得られている(食安委 農薬評価書 (2013) 、CLH提案文書 (2019))。 (3)細菌復帰突然変異試験(OECD TG471)で、陰性と報告されている(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH提案文書 (2019)、農薬工業会:「日本農薬学会誌第18巻第1号」(Accessed Sep. 2020))。 (4)ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子変異試験(OECD TG476)で、陰性との報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH提案文書 (2019)、農薬工業会:「日本農薬学会誌第18巻第1号」(Accessed Sep. 2020))。 (5)ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(OECD TG473)で、陽性(S9+)及び陰性(S9-)(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH提案文書 (2019)、農薬工業会:「日本農薬学会誌第18巻第1号」(Accessed Sep. 2020))の結果が得られている。なお、食安委評価書ではヒトリンパを用いた染色体異常試験結果は疑陽性(S9+)及び陰性(S9-)と報告されている。 (6)食品安全委員会では問題となる遺伝毒性は認められなかったとの報告されている(食安委 農薬評価書 (2013)。 【参考データ等】 (7)EUはマウスを用いたin vivo小核試験について、検体が骨髄細胞に到達した(骨髄細胞がばく露された)証拠がなく陰性とは言えない(陰性結果には制限がある)として、本物質ではin vivo試験にデータギャツプがあり、本項は結論を導けない(分類できない)との見解を示している(CLH提案文書 (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 国内外の分類機関による既存分類結果はないが、(1)~(3)よりラットの試験で雌雄に膀胱移行上皮乳頭腫、マウスで雌に悪性リンパ腫の発生増加が疑われている。EUの評価ではラットの試験では膀胱腫瘍以外に副腎の褐色細胞腫の増加も認められるとしている。以上、実験動物種2種で一定程度の発がん性の証拠があるものと考えられたため区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた2つの2年間慢性毒性試験(混餌投与)のうち、1つは腫瘍性病変の増加は示されなかったが、もう1つでは高用量(676 ppm)投与群で膀胱移行上皮乳頭腫の増加(対照群の雄雌各0/50例に対し、投与群では雄2/50例、雌3/50例)が認められた(食安委 評価書 (2013))。 (2)ラットを用いた2年間混餌投与による発がん性試験では、雌雄とも高用量群のみで膀胱移行上皮乳頭腫の増加がみられた(食安委 評価書 (2013))。CLH Report(2019)では、雌雄の高用量(676 ppm)で膀胱の良性腫瘍(移行上皮乳頭腫)、並びに雌雄の高用量群で副腎の良性腫瘍(褐色細胞腫)の頻度増加が認められたとしている(CLH提案文書 (2019))。 (3)マウスを用いた18ヵ月間混餌投与による発がん性試験では、雌では悪性リンパ腫のPeto検定で正の相関がみられた。対照群との比較では、悪性リンパ腫の発生頻度は低及び高用量投与群で有意な増加がみられたが、中用量群では有意差はなく、用量反応関係が明らかでないことから、検体投与の影響ではないと考えられた(食安委 評価書 (2013))。一方、CLH Report(2019)では、雌の高用量群のみで悪性リンパ腫の増加がみられたとされた。 【参考データ等】 (4)ラットを用いた慢性毒性試験及び発がん性試験において、雌雄で膀胱移行上皮乳頭腫の増加が認められたが、腫瘍の発生機序は遺伝メカニズムによるものとは考え難く、評価に当たり閾値を設定することは可能であると考えられた(食安委 農薬評価書 (2013))。 (5)EUは雌雄ラットでみられた良性腫瘍(膀胱移行上皮の乳頭腫及び副腎の褐色細胞腫)とマウスの雌でみられた悪性リンパ腫の増加に基づき、CLP分類としてカテゴリー2とすることを提案している(CLH提案文書 (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分2とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6~19日)において、75 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量低下、児動物に骨化遅延、低体重、胚胎児死亡率増加がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。なお、CLH Reportは、親動物に一般毒性影響(体重増加抑制、前肢を漕ぐ、鼻をこする動作、平均子宮重量減少など)、着床前胚損失増加、着床後胚胎児損失増加、早期子宮内胎児死亡数の増加、平均同腹児数の減少、児動物に胎児体重低値、平均同腹重量減少、骨格変異、奇形発生(水腎症3例、皮下浮腫1例、食道後方の動脈弓1例、腎欠損1例)がみられたと報告している(CLH Report (2019))。 (2)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠7~28日)において、17.5 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、平均同腹児数減少、児動物に奇形発生(水腎症1例、末端尾椎異常の頻度増加)がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(GLP、妊娠7~22日)において、17.5 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、児動物に着床後後期死胚率増加、平均生存胎児数減少、30 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、摂餌量低下、児動物に着床後後期死胚率増加、平均生存胎児数減少、胎児死亡率増加がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (4)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG414、GLP、妊娠6~18日)において、22.5 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制、児動物に骨化遅延がみられたが、催奇形性は認められられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。なお、CLH Reportは、親動物に体重増加抑制、児動物に骨格変異の頻度増加(尾椎中心数増加)、奇形発生(脊椎側弯症1例、二分脊椎3例、動脈弓異常2例、胸骨分節癒合3例)がみられたと報告している(CLH Report (2019))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、500 ppmで親動物に体重増加抑制(P雄及びF1雌雄)、児動物に体重増加抑制(F1及びF2)がみられたが、繁殖能に対する影響は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019)、農薬工業会 (2020))。 (6)EFSAは2007年の報告で本物質の催奇形性影響(ラット:腕頭動脈欠損、動脈弓異常、水腎症、ウサギ:水腎症、腎盂空洞化)を指摘している(EFSA (2007))。 (7)EUは奇形を含む様々な発生影響に基づき、CLP分類として生殖毒性カテゴリー2を提案している(CLH Report (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H336 H335 |
P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分3(麻酔作用)、(4)より、区分3(気道刺激性)が考えられる。よって、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投与試験において、500mg/kg(区分2の範囲)で死亡例がみられ、軟便または下痢、流涎、嗜眠、立毛、腹臥位、衰弱、呼吸困難、眼瞼閉鎖がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (2)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG423、GLP)において、200mg/kg以上(区分1の範囲)で着色尿、軟便、着色糞、肛門生殖器の汚染がみられ、500mg/kg以上(区分2の範囲)で流涎、嗜眠、立毛、腹臥、被毛粗剛、暗色糞及び消耗衰弱がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。 (3)ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG420、GLP)において、300mg/kg以上(区分1の範囲)で着色尿、軟便、眼瞼下垂が一時的にみられ、2,000mg/kg(区分2の範囲)で不規則呼吸、唾液分泌、嗜眠、自発運動の低下、腹臥がみられたとの報告がある(CLH Report (2019))。 (4)ラットを用いた単回吸入(粉塵)ばく露試験において、0.79 mg/Lで異常姿勢、異常呼吸、ケージ網への鼻や四肢の擦りつけ動作がみられ、これらの症状は刺激性粉じんのばく露に対する反応と一致していると考えられたとの報告がある(CLH Report (2019)、食安委 農薬評価書 (2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系、肝臓、副腎、泌尿器系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、標的臓器は血液系、肝臓、副腎、泌尿器系(腎臓、膀胱、尿管)と考えられ、区分1の用量範囲で影響がみられていることから、区分1(血液系、肝臓、副腎、泌尿器系)とした。 【根拠データ】 (1)イヌを用いたカプセル投与による90日間経口投与試験において、10 mg/kg/day(区分1の範囲)で血液影響(RBC・Hb・Ht低下、網状赤血球数・網状赤血球比率・血小板容積増加・骨髄造血亢進)、脾臓影響(うっ血・髄外造血亢進、絶対・比重量増加(雄))、肝臓影響(肝類洞細胞内色素沈着・胆管増生)、腎臓影響(腎リポフスチン沈着)、膀胱移行上皮過形成がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 (2)イヌを用いた混餌投与による2年間慢性毒性試験において、50 ppm以上(1.4 mg/kg/day(雄)、1.3 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で血液影響(RBC・Hb・Htの低下、PLTの増加)、肝臓影響(胆管増生・肝クッパー細胞、肝細胞の色素沈着・肝門脈周囲線維化・ASTの増加、ALP増加・類洞拡張・マクロファージ色素沈着・肝細胆管内結石(雌))、副腎影響(皮質細胞空胞変性)、膀胱影響(粘膜細胞色素沈着)がみられ、1,000 ppm(27 mg/kg/day(雄)、31 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で腎臓影響(腎炎(瘢痕)、尿細管嚢胞化、尿細管拡張(雄))、肝臓影響(ALT・総ビリルビン増加、ALP増加・肝マクロファージ色素沈着・肝細胆管内結石(雄))、胆嚢影響(上皮の過形成、乳頭閉塞)、生殖器影響(精巣重量低下・精子形成減退、精巣萎縮、精巣炎、卵巣周期性低下)、脾臓影響(うっ血、髄外造血(雄)、マクロファージ色素沈着(雌))がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 (3)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月間経口投与試験において、30 ppm以上(3.82 mg/kg/day(雄)、4.48 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で副腎褐色萎縮(雌)がみられ、300 ppm(40.2 mg/kg/day(雄)、46.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で心筋線維化(雄)、心、骨格筋及び膀胱血管周囲炎(雌)、肝臓影響(慢性炎症・褐色色素沈着(雌))、腎臓影響(皮質瘢痕、水腎症発現率増加)、胃影響(角化亢進・慢性炎症)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 (4)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、52 ppm以上(2.82 mg/kg/day(雄)、3.65 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で腎盂上皮過形成・尿管上皮過形成(雌)がみられ、676 ppm(37.6 mg/kg/day(雄)、49.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で腎臓影響(腎乳頭壊死・腎乳頭限局性壊死(雄))、膀胱影響(漿膜橙色化・上皮過形成)、尿管上皮過形成(雄)、尿道上皮過形成、胃慢性炎症・膵腺房萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2012))。 【参考データ等】 (5)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、200 ppm(14 mg/kg/day(雄)、13 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で脾臓の絶対・比重量増加及びヘモジデリン沈着、腎臓の絶対・比重量増加及び腎尿細管硝子滴変性(雄)、腎尿細管混濁腫脹(雌)、肝の絶対・比重量増加(雄)、Htの低下(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 (6)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、300 ppm以上(21 mg/kg/day(雄)、23 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でHt・Hbの低下(雄)、RBCの低下(雌)、肝絶対・比重量の増加・ALP増加(雄)がみられ、1,500 ppm(114 mg/kg/day(雄)、118 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)でRBCの低下・好中球比率増加(雄)、Ht・Hbの低下・WBC増加(雌)、AST増加、脾臓の絶対・比重量の増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (7)ラットを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、200 ppm(15.2 mg/kg/day(雄)、19.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(RBC・Hb・Ht低下、網状赤血球数・比率増加、APTT延長(雄)など)、脾臓影響(うっ血・髄外造血亢進・色素沈着増加、絶対・比重量増加(雄))、肝臓影響(洞様毛細血管細胞色素沈着、AST増加(雄))、腎臓影響(限局性腎症、色素沈着増加(雌)、尿細管硝子滴変性(雄))、胸腺萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 (8)マウスを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、200 ppm(28 mg/kg/day(雄)、30 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で肝臓・脾臓のヘモジデリン沈着、精巣絶対・比重量増加がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (9)マウスを用いた混餌投与による90日間経口投与試験において、200 ppm(33 mg/kg/day(雄)、46 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でHtの低下(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (10)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、500 ppm(23 mg/kg/day(雄)、29 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(好中球比率の増加、RBC・Ht及びリンパ球比率の低下(雌))がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013))。 (11)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、676 ppm(38.3 mg/kg/day(雄)、51.5 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で血液影響(RBC・Hb・Htの低下)、腎臓影響(尿量増加・尿比重低下、腎盂/腎乳頭上皮過形成)、膀胱影響(漿膜橙色化、移行上皮過形成)、尿管(上皮過形成)に組織変化がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2013)、CLH Report (2019))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
魚類(ニジマス)96時間LC50 = 0.044 mg/L(EU CLP CLH, 2019)であることから、区分1とした。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(BIOWIN)、水生植物(コウキクサ)の7日間NOErC = 0.04 mg/L(EU CLP CLH, 2019)から、区分1とした。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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