NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 28249-77-6
名称 N,N-ジエチルチオカルバミン酸S-4-クロロベンジル (別名チオベンカルブ)
物質ID m-nite-28249-77-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 分類できない
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-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素及び酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、1,030 mg/kg (雄)、1,130 mg/kg (雌) (EPA RED (1997)、農薬抄録 (2009)、食品安全委員会農薬評価書 (2010))、1,236 mg/kg (雄)、1,289 mg/kg (雌) (農薬抄録 (2009)) (食品安全委員会農薬評価書 (2010) では同じデータを1,240 mg/kg (雄)、1,290 mg/kg (雌) と記載) の4件の報告がある。これらに基づき区分4とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg、> 5,000 mg/kg (農薬抄録 (2009)、食品安全委員会農薬評価書 (2010)) の報告があり、1件は区分外 (国連分類基準の区分5) ~区分外に、1件は区分外に該当する。
ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (EPA RED (1997)) の報告があり、区分外 (国連分類基準の区分5) ~区分外に該当する。
これらに基づき区分外とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
なお、ラットのLC50値 (4時間) として、> 2.43 mg/L (農薬抄録 (2009)、食品安全委員会農薬評価書 (2010)) との報告があり、区分4~区分外に該当するが、この値のみでは区分を特定できないため、分類できない。
なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.00031 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギの皮膚刺激性試験 (詳細不明) においてごく軽度の刺激性が報告されている (EPA RED (1997))。また、ウサギの皮膚刺激性試験 (GLP試験) において、4時間適用後24、48、72時間の全動物 (3匹) の平均スコアは、それぞれ紅斑・痂皮で0.3、0.3、0、浮腫で0、0、0であり、刺激性は認められなかった (農薬抄録 (2009))。これらの結果から、本物質の皮膚刺激性は刺激性なしからごく軽度の範囲と考えられ、区分外とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギの眼刺激性試験 (GLP試験) において、適用後24、48、72時間の全動物 (3匹) の角膜混濁、虹彩炎、角膜発赤、角膜浮腫に対する平均スコアはいずれも0であり、刺激性は認められなかった報告されている (農薬抄録 (2009))。別のウサギの眼刺激性試験において、ごく軽度の刺激性が認められたとあるが詳細は不明である (EPA RED (1997))。よって、区分外とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法、GLP試験) において、感作性は陰性 (感作率0) であった (農薬抄録 (2009))。また、詳細は不明であるが別のモルモットの皮膚感作性試験でも陰性であり、本物質は感作性物質でないと結論されている (EPA RED (1997))。よって、区分外とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性、ラットの肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性である (EPA RED (1997)、食品安全委員会 (2010)、農薬抄録 (2009))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験で陰性、陽性の結果である(EPA RED (1997)、食品安全委員会 (2010)、農薬抄録 (2009))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ラット及びマウスを用いた混餌投与による2年間発がん性試験において、発がん性の証拠はみられていない (食品安全委員会農薬評価書 (2010)、EPA RED (1997))。EPAは本物質の発がん性をグループDに分類した (EPA Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential (2015))。よって、本項はEPAの分類結果に基づき、分類できないとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路 (混餌投与) による2つの2世代試験のうち、1試験ではF0、F1親動物に一般毒性影響 (体重増加抑制、肝臓・腎臓重量増加、小葉中心性肝細胞肥大、腎尿細管上皮の再生・変性など) がみられる用量 (20及び100 mg/kg/day) においても、親動物の生殖能及びF1、F2児動物の発生・発達への有害影響はみられていない (食品安全委員会農薬評価書 (2010)、EPA RED (1997))。しかし、他の1試験ではF0、F1親動物に体重増加抑制がみられる用量 (40 mg/kg/day) で、F1、F2児動物に生存率低下が認められた (食品安全委員会農薬評価書 (2010))。妊娠ラット及び妊娠ウサギを用いた経口経路 (強制経口投与、妊娠6~18日) による発生毒性試験において、ラットでは母動物に体重増加抑制がみられる150 mg/kg/day で、軽微な影響 (低体重、胸骨変異) がみられたのみであり、またウサギでは母動物に肝臓重量の増加がみられた200 mg/kg/day まで胎児に無影響であった (食品安全委員会農薬評価書 (2010)、EPA RED (1997))。
以上、2件のラット2世代試験のうちの1試験において、親動物に体重増加抑制を生じる用量で児動物に生存率低下がみられたことから、本項は区分2とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2 (神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットの単回経口投与試験において、区分2相当の500 mg/kg以上で、歩行異常、運動量低下、感覚反応の低下、後肢抵抗力の減少、平均体温の低下が認められたとの報告 (EPA RED (1997)) 及び833 mg/kg以上で静穏、歩行異常、流涙、腹臥、筋緊張低下、呼吸粗大、眼瞼下垂が認められたとの報告 (農薬抄録 (2009)) がある。したがって区分2 (神経系) とした。
なお、本物質のコリンエステラーゼ阻害作用に関しては、in vivoでのデータはなく、in vitroではウシ赤血球コリンエステラーゼ活性阻害のIC50値が、> 1 mMであったとの記述がある (農薬抄録 (2009))。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (肝臓、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
ラットを用いた混餌による90日間反復投与毒性試験において、区分2相当の750 ppm (雄:44.2 mg/kg/day、雌:51.8 mg/kg/day) 以上でアルカリ性ホスファターゼ、尿素窒素及びクレアチニンの増加、肝臓の相対重量増加、小葉中心性肝細胞肥大、腎臓の皮質尿細管好塩基性化・皮質尿細管硝子滴沈着及び髄質尿細管内円柱等の報告がある (食品安全委員会農薬評価書 (2010))。また、マウスを用いた2年間発がん性試験において区分2の範囲である100 ppm (雄:10 mg/kg/day, 雌:11 mg/kg/day) 以上でび漫性肝細胞淡明化の増加、肝小葉中間帯微細脂肪空胞形成増加、肝小葉中間帯大脂肪空胞形成増加等が認められている (食品安全委員会農薬評価書 (2010))。
なお、ラットの腎臓の変化は雄にのみみられたが、腎臓の皮質尿細管硝子滴沈着についてα2u-グロブリンの免疫染色を実施した結果、硝子滴沈着がα2u-グロブリンであることの証拠は得られていない (食品安全委員会農薬評価書 (2010))。したがって、雄ラット特有のα2u-グロブリン腎症ではないことから標的臓器とした。
以上から区分2 (肝臓、腎臓) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata) のEC50(時間不明) = 17 ppb (U.S. EPA: RED, 1997) から区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)のNOEC(時間不明) = 1.0 ppb(U.S. EPA: RED, 1997)であることから、区分1とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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