項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 298-04-4 |
名称 | ジチオリン酸O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル) (別名:ジスルホトン) |
物質ID | m-nite-298-04-4_v1 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類ガイダンス等(外部リンク) | ガイダンス一覧へ |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書へ |
FAQ(よくある問い合わせ) | よくある問い合わせへ |
情報源のリスト(Excelファイル) | 情報源のリストへ |
用語のリスト(Excelファイル) | 用語のリストへ |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortalへ |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 引火点は133℃ (方式不明) (GESTIS (Access on July 2017)) は測定法が不明であるが、所定の密閉式測定法でも93℃超えと判断できるため区分外とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 半金属 (P) を含むが、水溶解度は16.3mg/L (20℃) (HSDB (Access on july 2017)) との測定データが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素および水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく分類できない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分1 |
危険 |
H300 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、2.0 mg/kg (雌) (JMPR (1975))、2.3 mg/kg (雌) (ACGIH (7th, 2002))、2.6 mg/kg (雌) (JMPR (1973))、6.8 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2002))、12.5 mg/kg (雄) (JMPR (1973)) の5件の報告があり、3件が区分1、2件が区分2に該当する。件数の多い区分を採用して、区分1とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 |
危険 |
H310 | P302+P352 P361+P364 P262 P264 P270 P280 P310 P321 P405 P501 |
ラットのLD50値として、2.5~50 mg/kg (雄) (JMPR (1973))、15 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2002)) との報告に基づき、区分1とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質の飽和蒸気圧濃度は0.20 ppm (0.0022 mg/L) と極めて低いため、蒸気でのばく露の可能性は低いと考えられる。旧分類は分類対象外としていたが、本物質はGHSの定義における液体であるため、分類結果を変更した。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、0.015 mg/L (1.34 ppm) (雌)、0.06 mg/L (5.34 ppm) (雄) (ACGIH (7th, 2002))、1時間吸入ばく露試験のLC50値として、0.063 mg/L (5.6 ppm) (4時間換算値: 0.016 mg/L) (雌)、0.29 mg/L (25.8 ppm) (4時間換算値: 0.073 mg/L) (雄) (ACGIH (7th, 2002)) との報告があり、2件が区分1、2件が区分2に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分1とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0022 mg/L (0.20 ppm)) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ヒトにおいて重度の皮膚刺激性を有するとの記述 (EPA Pesticide (2006)、HSDB (Access on June 2017)) から、区分2とした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。重度の眼刺激性を有するとの記述 (EPA Pesticide (2006)、HSDB (Access on June 2017)) があるが、原典が確認できず試験の詳細が不明なため、分類できないとした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。重度の皮膚感作性物質との記述 (EPA Pesticide (2006)) があるが、原典が確認できず試験内容が不明のため、分類できないとした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性である (ATSDR (1995))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、マウスリンフォーマ試験で陽性、姉妹染色分体交換試験で陽性、陰性の結果である (ATSDR (1995))。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットに2年間、マウスに99週間、最大16 ppm を混餌投与した発がん性試験において、組織学的に発がん性の証拠は認められなかったとの記述がある (ACGIH (7th, 2002))。既存分類では、EPAが1997年にグループEに (Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential, Annual Cancer Report (2016))、ACGIHが2002年にA4に分類している (ACGIH (7th, 2002))。以上より、分類年度が新しいACGIHの分類結果に基づき、分類できないとした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた混餌投与による2件の2世代試験のうち1試験では、高用量 (9 ppm) でF0、F1親動物に体重増加抑制と受胎率低下、F1、F2児動物に生存率低下がみられ (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2002))、他の1試験では高用量 (9 ppm) で、F0、F1親動物に死亡、体重増加抑制、振戦とともに着床数及び同腹児数の減少が認められた (ACGIH (7th, 2002))。一方、妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6~15日) に強制経口投与した発生毒性試験では母動物には0.3 mg/kg/day 以上で血漿及び赤血球コリンエステラーゼ活性の阻害がみられたが、胎児には高用量 (1.0 mg/kg/day) でも軽微な影響 (骨化遅延) がみられただけであった (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2002))。また、妊娠ウサギを用いた発生毒性試験でも、母動物毒性 (死亡、振戦など) がみられる用量で胎児毒性も催奇形性もみられなかった (ACGIH (7th, 2002))。 以上、2件のラット2世代試験において、親動物の一般毒性用量で生殖発生影響 (受胎率低下、同腹児数減少、児の生存率低下) がみられたことから、本項は区分2とした。 |
平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は有機りん系殺虫剤であり、コリンエステラーゼを阻害する (ACGIH (7th, 2002))。ヒトでは本物質の経口、経皮、吸入ばく露による急性中毒症状として、霧視、頭痛、めまい、瞳孔収縮、筋肉痙攣、脱力感が認められ、大量にばく露した場合には嘔吐、腹痛、下痢、振戦、昏睡が起こるとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。呼吸障害の症状として、息切れ、呼吸抑制に加えて呼吸麻痺が起こる場合もあると報告されている (ACGIH (7th, 2001))。実験動物では、ラットの単回経口、経皮又は吸入ばく露試験で、興奮、流涎、流涙、尿及び便失禁、筋肉の線維束性攣縮に続いて痙攣、腹臥位、呼吸停止が認められたとの報告がある (JMPR (1973)、ACGIH (7th, 2002))。動物試験では影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LD50値及びLC50値が区分1範囲に相当することから、影響はLD50値及びLC50値付近の区分1範囲の用量でみられたと考えられる。以上より区分1 (神経系) とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた13週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である1.4 mg/m3 (90日換算: 0.001 mg/L) で血漿・赤血球・脳コリンエステラーゼ活性阻害、鼻甲介の炎症がみられている (環境省リスク評価第5巻 (2006)、JMPR (1991))。 ラットを用いた13週間混餌投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である4 ppm (雄: 0.27 mg/kg/day、雌: 0.32 mg/kg/day) 以上で脳・血漿・赤血球コリンエステラーゼ活性阻害 (対照群より20%以上阻害)、16 ppm (雄: 1.1 mg/kg/day、雌: 1.3 mg/kg/day) でコリン作動性症状 (筋線維束攣縮、振戦、前肢握力低下、肛門周囲の汚染、排便) がみられている (ACGIH (7th, 2002))。ラットを用いた2年間混餌投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である1 ppm (0.04 mg/kg/day) 以上で赤血球・脳コリンエステラーゼ活性阻害、4 ppm (0.165 mg/kg/day) 以上で視神経の変性、ハーダー腺嚢胞性変化、16 ppm (0.65 mg/kg/day) で死亡率増加、コリン作動性症状、相対脳重量増加、前胃粘膜過形成・慢性炎症、角膜の血管新生がみられている (ACGIH (7th, 2002)、JMPR (1991)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、IRIS (1987))。 ウサギを用いた3週間経皮投与試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である6.5 mg/kg/day (90日換算: 1.08 mg/kg/day) でコリン作動性影響 (筋痙攣、呼吸困難、流涎) 、死亡、血漿・赤血球コリンエステラーゼ活性阻害がみられている (JMPR (1991))。 以上、視神経の変性については神経系に対する影響とし、鼻甲介の炎症を呼吸器に対する影響とした。したがって、区分1 (神経系、呼吸器) とした。 新たな情報源を用いたため旧分類と分類結果が異なった。 |
平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.013 mg/L(EPA AQUIRE:2017、Pesticide Ecotoxicity Database)であることから、区分1とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(BioWin)、甲殻類(オオミジンコ)の 21日間NOEC(繁殖阻害) = 0.000037 mg/L(EPA AQUIRE:2017, EPA Pesticide Ecotoxicity Database)であることから、区分1とした。 | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成29年度(2017年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
|