項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 302-17-0 |
名称 | 抱水クロラール |
物質ID | m-nite-302-17-0_v1 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(J)(1999))である。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性である(ICSC(J)(1999)) |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素、塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素は炭素または水素とのみ結合している。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
ラットLD50値は480 mg/kg(CICAD 25(2000))に基づき区分4とした。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | ラットLD50値は3030 mg/kg(HSDB(2010))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ヒトで本物質は皮膚および粘膜に対し腐食性(corrosive)がある(NTP TR 503(2002)、HSDB(2010))との記述に基づき区分1とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
ヒトで抱水クロラールは皮膚および粘膜に対し腐食性(corrosive)がある(NTP TR 503(2002)、HSDB(2010))との記述、および皮膚腐食性物質として分類していることから区分1とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B |
危険 |
H340 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
マウスに腹腔内投与後の精子細胞を用いた小核試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)が5件実施され、うち3件で陽性結果が報告されている(IARC 84(2004))ことから、区分1Bとした。また、マウスに腹腔内投与後の骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)では6件中4件で陽性結果(IARC 84(2004))が得られ、一本鎖DNA切断試験では陽性と陰性の相反する結果が報告されている(IARC 84(2004))。なお、in vitro試験として、エームス試験で陰性または陽性、小核試験ではチャイニーズハムスターのCl-1細胞を用いた試験で陰性、V79細胞で陽性、染色体異常試験ではチャイニーズハムスターのCHED細胞で陰性、卵巣細胞で陽性の結果が報告されている(IARC 84(2004))。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 ヒトでの発がん性についての情報は、(7)に限られている。 (1)のIARCの分類結果及び(2)~(6)の試験結果に基づき、区分1Bとした。IARCの2014年分類見直し変更に伴い、旧分類を見直した結果、区分を変更した。 なお、NTPは(3)、(4)の結果を発がん性に関して、それぞれ不明瞭な(equivocal)、いくらか(some)の証拠として分類を行っていないが、ガイダンスに従いIARCの評価を採用した。 【根拠データ】 (1) IARCは実験動物において本物質の発がん性の十分な証拠があるとしてグループ2Aに分類している(IARC 106(2014))。この他、国内外の分類機関による既存分類としてはEPAのCBD(cannot be determined)がある(IRIS(2010))。 (2)雄マウスに104週間飲水投与した2件の試験において、肝細胞腺腫および肝細胞がんの増加が認められた(IARC 106(2014))。 (3)雌マウスに2年間強制経口投与した試験において、悪性リンパ腫と下垂体腺腫の頻度増加が認められた。ただし、悪性リンパ腫については、実施機関であるNTPは、背景データの範囲内であることから発がん性の評価に使用していない(NTP TR502(2002)、IARC 106(2014))。 (4)雄マウスに2年間強制経口投与した試験において、肝細胞がんの増加が認められた(NTP TR503(2002)、IARC 106(2014))。 (5) ラットに104週間飲水投与した試験で、雄の低用量群で肝細胞がんの発生が背景頻度より高かった(IARC 106(2014))。 (6)本物質の生体内における吸収・分布・代謝の様式はヒトと実験動物で大きな類似性がある。また、また、本物質遺伝毒性物質であると示唆する強力な証拠が得られている(IARC 106(2014))。 【参考データ等】 (7) ヒトでの発がん性について、米国の調査において、抱水クロラール処方とがん発症との間に有意な相関はみられなかった(IARC 106(2014))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | マウスを用い雌雄共に交配の3週間前より、引き続き雌は妊娠期間を経て出生後21日の仔の離乳まで飲水投与した試験において、母動物の飲水量、体重のみならず、仔の外表奇形、妊娠期間、分娩仔数、などにも有意な影響は観察されず、仔に対する神経行動学的影響を示す二三の指標を除き影響は認めらず、生殖および発生に及ぼす影響のNOAELは最高用量の204.8 mg/kg/dayであったと報告されている(IRIS(2000))。また、妊娠ラットの妊娠期間中に飲水投与した試験で母体毒性は見られず、着床数、吸収胚数、生存および死亡仔数などの仔の発生指標にも変化はなかった(IRIS(2000))。以上の結果により、親動物の性機能・生殖能および仔の発生に対する悪影響が認められていないので区分外とした。なお、本物質は一定時期にヒトの胎盤を通過することが知られているが、妊娠期における本物質使用に関して少ない情報の中で、異常の発生が認識できるほどの増加はない(IARC 84(2004))と報告されている。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、心臓)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトで本物質摂取による主な影響は、治療剤としての使用理由でもある中枢神経系の抑制であり、鎮静および催眠を引き起こすと述べられている(EHC 216(2000))。動物試験ではマウスに900 mg/kg以下の経口投与により、鎮静化、嗜眠および正向反射の消失が見られ、1200 mg/kg以上では呼吸抑制による死亡の発生が報告されている(IRIS(2000))。以上の知見においてヒトの情報に基づき区分1(中枢神経系)とした。また、本物質はヒトで催眠薬として使用され、マウスでは非致死量で鎮静、催眠、運動失調などの症状を引き起こしている(IRIS(2000))ことから、区分3(麻酔作用)とした。一方、最も重要な毒性影響として心律動異常があり、小児での不整脈の誘発、また、本物質投与の被験者12人中2人に洞不整脈がみられた(EHC 216(2000))との報告により、区分1(心臓)とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系)、区分2(肝臓) |
危険 警告 |
H372 H373 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
医薬品使用で本物質の投与を受けた患者1618人の医療記録を調査した結果、副作用として中枢神経系の報告が20人と最も多く(IRIS(2000))、また、入院患者5435人の医療記録を調査した別の報告では119件の副作用が見られ、中枢神経系の報告が58人と最も多く、うち3人に生命を脅かす症状として羽ばたき振戦が報告されている(IRIS(2000))ことから、区分1(中枢神経系)とした。一方、動物試験でラットに90日間の飲水投与により、96 mg/kg/day以上の雄の肝臓において限局性肝細胞壊死が観察され、96 mg/kg/dayでは軽微であったが168 mg/kg/dayではかなり重度であった(IRIS(2000))ことに加え、マウスに90日間の飲水投与により、16 mg/kg/day以上の雄で肝腫とミクソーム増生の所見(IRIS(2000))があり、いずれも発現用量はガイダンス値区分2以上のため、区分2(肝臓)とした。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 甲殻類(ミジンコ)での48時間EC50 = 500 mg/L(HSDB, 2010)であることから、区分外とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性でない(水溶解度 = 793000 mg/L(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
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