項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 30560-19-1 |
名称 | (RS)‐(O,S‐ジメチル=アセチルホスホルアミドチオアート)(別名:アセフェート) |
物質ID | m-nite-30560-19-1_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 半金属(P)を含むが、水溶解度は650 g/L(GESTIS(Accessed Aug. 2021))との測定データが得られており、水と急激な反応をしないと考えられる。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素と塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素(P)と結合しているが、データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(10)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,040 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (2)ラット(雄)のLD50:1,080 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (3)ラット(雌)のLD50:1,010 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (4)ラット(雄)のLD50:1,400 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)、EPA Pesticides RED (2006)) (5)ラット(雌)のLD50:1,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)、EPA Pesticides RED (2006)) (6)ラット(雄)のLD50:1,430 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (7)ラット(雄)のLD50:1,230 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016) (8)ラット(雄)のLD50:945 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (9)ラット(雌)のLD50:866 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (10)ラットのLD50:1,000~1,400 mg/kgの間(JMPR (2005)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(5)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (2)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (3)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (4)ウサギ(雄)のLD50:> 2,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)) (5)ウサギ(雄)のLD50:> 10,000 mg/kg(食安委 農薬評価書 (2016)、EPA Pesticides RED (2006)、JMPR (2005)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):> 6.26 mg/L(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)) (2)ラットのLC50(4時間):> 14.8 mg/L(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016)) (3)ラットのLC50(4時間):> 15 mg/L(JMPR (2005)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(7日観察)において、塗布24時間後に2例に、48時間後では1例に軽微な紅斑が認められたが、72時間以内にすべて回復した(紅斑・痂皮スコア:0/1/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、4時間適用、72時間観察)において、適用後1時間後及び24時間後に1例で軽度の紅斑がみられたが、48時間以内にすべて回復した(24/48/72h後における6匹の紅斑・痂皮スコアの平均:0.2/0/0、浮腫スコアの平均:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験において、眼刺激性はみられなかった(角膜混濁スコア:0/0/0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0/0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0/0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(GLP、7日観察)において、眼刺激性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (3)本物質は眼刺激性物質ではない(JMPR (2005)、EPA Pesticides (2006))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:5%溶液)において、24、48時間後の陽性率はともに0%(0/20例)で陰性であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (2)モルモット(n=20)を用いたMaximisation試験(GLP、皮内投与:10%溶液)において、初回惹起後の陽性率は5%(1/20例)、7日後の再惹起後の陽性率は0%(0/20例)であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (3)モルモット(n=20)を用いたBuehler試験(局所投与:35%溶液)において、24、48時間後の陽性率はともに0%(0/20例)で陰性であったとの報告がある(農薬抄録 (2016))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた2つの小核試験(単回経口投与)、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験及び染色分体交換(SCE)試験(ともに単回経口投与)、サルに経口投与後採取した末梢血リンパ球を用いた染色体異常/SCE試験(単回経口投与)、マウスを用いた優性致死試験(5日間混餌投与)並びにスポット試験(妊娠8~12日、混餌投与)が実施されており、いずれも結果は陰性であった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬抄録 (2016))。 (2)In vitroでは、多くの細菌復帰突然変異試験で陰性(一部陽性)、ほ乳類培養細胞(マウスリンパ腫細胞)を用いた複数の遺伝子突然変異試験で陽性、同チャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL)を用いた染色体異常試験並びに同チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を用いた姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性の報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬抄録 (2016))。 (3)食品安全委員会では、本物質について、生体において問題となる遺伝毒性は認められないと結論づけられている(食安委 農薬評価書 (2016))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分2とした。マウスでは2試験とも肝臓腫瘍が雌にみられ、ラットでは2試験中1試験に鼻腔腫瘍が認められた。新たな情報源を追加し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)国内外の評価機関による既存分類結果としては、EPAのグループC(Possible Human Carcinogen)がある(EPA OPP Annual Cancer Report 2020 (Accessed July 2021):1985年分類)。 (2)ラットを用いた2年間混餌投与による2つの発がん性試験のうち、最大700 ppmを投与した先行試験(試験報告年:1981年)では検体投与に関連した腫瘍性病変の増加はみられなかった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。一方、後から実施された最大1,500 ppmを投与した発がん性試験(GLP、試験報告年:1999年)では500 ppm 以上の雌雄に、鼻腔の腫瘍(腺腫、鼻腔神経上皮腫、扁平上皮がん、横紋筋肉腫等)の発生が認められ、これら腫瘍性病変の発生は、検体投与の影響による可能性を否定できなかった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (3)マウスを用いた18ヵ月間混餌投与による発がん性試験(GLP、試験報告年:1999年)では、最高用量の500 ppm投与群の雌雄で鼻腔に腫瘍の発生が各1/50例(雄:鼻腔腺腫、雌:未分化がん)に認められた。また、500 ppm 投与群の雌で肝腫瘍(肝細胞腺腫・肝細胞がん)の発生頻度の増加が認められた(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (4)マウスを用いた2年間混餌投与による発がん性試験(試験報告年:1982年)では、最高用量の1,000 ppm投与群の雌で肝臓に前腫瘍性変化とされている過形成結節と肝細胞がんの発生頻度の増加が認められた(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1Bとした。なお、(1)及び(2)では親動物に一般毒性影響がみられる用量であるが、着床数減少、新生児数減少、生存児数減少など重篤な生殖毒性影響がみられているため分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(GLP)において、500 ppmでP及びF1親動物に一般毒性影響(体重増加抑制、脳コリンエステラーゼ(ChE)活性阻害(>20%))、精子運動活性低下(F1雄)、着床数減少(F1雌 15.6→12.0)、児動物に新生児数減少 (P:13.7→12.0)/(F1:14.6→11.3)及び生存児数減少(F1 13.3→10.5/F2 14.0→10.4)、精巣下降率低下(F1雄)、脳ChE活性低下(> 20%)(F2雌雄)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (2)ラットを用いた混餌投与による三世代生殖毒性試験(GLP)において、500 ppmで親動物に体重増加抑制(P雌雄、F1雄及びF2雄)及び軟便、水様便(F1雄及びF2雄)、児動物に着床数減少(F2雌 14.6→11.8)、新生児数減少(F1:13.1→9.7/F2:13.2→9.9/F3:13.9→9.7)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 【参考データ等】 (3)ラットを用いた強制経口投与による2つの発生毒性試験(GLP、妊娠6~15日)において、親動物に体重増加抑制及び摂餌量減少などがみられた用量で、児動物に低体重のみがみられ、催奇形性は認められなかったとの報告がある。(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (4)ウサギを用いた強制経口投与による2つの発生毒性試験(GLP、妊娠7~19日又は妊娠6~27日)において、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015)、農薬抄録 (2016) )。 (5)ラットを用いた強制経口投与による発達神経毒性(GLP、妊娠6~哺育6日(P)、生後7~21日(F1))において、F1児動物には生後4日に乳汁経由によるChE活性阻害は認められなかったが、生後21日には最低用量の0.5 mg/kg/day以上の雄児に脳ChE活性低下(> 20%)、10 mg/kg/dayでは雌雄児動物に赤血球ChE活性低下(> 20%)が認められた。F1児動物への投与によるこれら直接影響がみられる用量でも発達神経毒性の証拠は認められなかった(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016)、JMPR (2005))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分1の用量範囲で神経系影響がみられることから、区分1(神経系)とした。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による急性神経毒性試験(GLP)において、20 mg/kg以上(区分1の範囲)でうずくまり姿勢(円背位)減少、眼瞼閉鎖減少、体温低下(FOB)、尾のピンチ反応低下、緩慢な正向反射、自発運動量減少がみられ、80 mg/kg(区分1の範囲)で聴覚驚愕反応低下がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (2)別のラットを用いた強制経口投与による急性神経毒性試験(GLP)において、10 mg/kg以上(区分1の範囲)で脳コリンエステラーゼ(ChE)活性阻害(20%以上)及び全身の振戦がみられ、100 mg/kg以上(区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(20%以上)、四肢の振戦、耳の攣縮、覚醒異常及び立ち上がり行動減少、尾部ピンチ反応及び正向反射の異常、体温低下、移動減少及び自発運動量減少、流涎(雄)、流涙(雌)等の神経系症状がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (3)マウスを用いた単回経口投与試験において、175 mg/kg以上(区分1の範囲)で嗜眠、流涎、振戦、攣縮、流涙、呼吸困難、活動低下、運動失調等がみられ、250 mg/kg以上(区分1の範囲)で死亡例がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 (4)別のマウスを用いた単回経口投与試験において、300 mg/kg(区分1の範囲)で振戦、流涙、流涎、眼瞼下垂がみられたが、死亡例は生じなかったとの報告がある食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2016))。 【参考データ等】 (5)ラット及びマウスを用いた複数の単回経口投与試験において、区分2の用量範囲で振戦、流涎、運動失調等、神経系症状がみられているとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。 (6)成人男性40 名及び成人女性10 名に、本物質(原体、男性;0.35~1.25 mg/kg 体重、女性;1.0 mg/kg 体重)を単回カプセル経口投与した安全性試験において、血漿及び赤血球ChE活性は試験期間を通じて全投与群で投与前に対し有意な低下も散見されたが、阻害の程度は最大で16.7%であったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、血液系、呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(6)より、区分1の用量範囲で脳コリンエステラーゼ阻害の症状、血液系影響(RBC減少)、呼吸器影響(鼻腔嗅上皮変性等)がみられることから、区分1(神経系、血液系、呼吸器)とした。なお(6)でみられる肝臓影響は区分に該当しない用量範囲での影響のため、分類に採用しなかった。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)イヌを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(GLP)において、50 ppm以上(2.1 mg/kg/day(雄)、2.0 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)でRBC減少、Hb減少(雌)がみられ、225 ppm以上(8.3 mg/kg/day(雄)、9.8 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(20%以上)、脾髄外造血、脾ヘモジデリン沈着、雌にWBC及びPLT増加、Ht及びMCHC減少がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (2)イヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験(GLP)において、175 ppm以上(6.9 mg/kg/day(雄)、7.4 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)でMCV増加、赤血球ChE活性阻害(20%以上)、肝小葉中心性炎症・色素沈着、RBC減少(雄)、脳ChE活性阻害(20%以上)(雄)、MCHC減少(雌)がみられ、1,000 ppm(38.6 mg/kg/day(雄)、36.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でMCH及びAPTT増加、Hb及びMCHC 減少(雄)、RBC減少(雌)、脳ChE活性阻害(20%以上)(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (3)別のイヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験(GLP)において、120 ppm以上(3.14 mg/kg/day(雄)、3.08 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(20%以上)、脳ChE活性阻害(20%以上)、肝血管周囲の炎症性細胞浸潤(雄)、肝細胞ヘモジデリン沈着(雄)がみられ、800 ppm(18.9 mg/kg/day(雄)、21.4 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で雄にRBC、Hb及びHt減少、APTT延長、肝絶対及び比重量増加傾向、雌に肝絶対及び比重量増加、肝血管周囲の炎症性細胞浸潤、肝細胞ヘモジデリン沈着がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (4)マウスを用いた混餌投与による18ヵ月発がん性試験(GLP)において、50 ppm以上(7.85 mg/kg/day(雄)、9.67 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で赤血球及び脳ChE活性阻害(20%以上)、色素沈着を伴う肺胞マクロファージ、鼻腔嗅上皮変性、鼻炎がみられ、160 ppm以上(25.1 mg/kg/day(雄)、30.6 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で肝組織球色素沈着、肝細胞巨大化・巨核化がみられ、500 ppm(81.4 mg/kg/day(雄)、90.1 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)で呼吸困難、鼻腔上皮過形成、呼吸上皮の萎縮がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (5)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験(GLP)において、500 ppm以上(23.5 mg/kg/day(雄)、30.5 mg/kg/day(雌)、区分2の範囲)でRBC、Hb及びHt減少、鼻腔嗅上皮変性/再生、鼻腔・鼻甲介変形/癒着、赤血球ChE活性阻害(20%以上)(雌)がみられ、1,500 ppm(79.6 mg/kg/day(雄)、96.8 mg/kg/day(雌)区分2の範囲)で鼻炎、精嚢腺収縮(雄)、鼻腔腺腫様過形成(雄)、WBC減少(雌)、MCH及びMCHC増加(雌)、鼻腔扁平上皮過形成(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (6)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、50 ppm以上(2.4 mg/kg/day(雄)、3.1 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で赤血球ChE活性阻害(20%以上)、脳ChE活性阻害(20%以上)がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 【参考データ等】 (7)マウスを用いた混餌投与による2年間発がん性試験において、250 ppm以上(36 mg/kg/day(雄)、42 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)で小葉中心性肝細胞肥大、肝細胞核内封入体、肝細胞巨大核、肺胞硝子変性、鼻炎、肝単核細胞浸潤巣(雄)がみられ、1,000 ppm(146 mg/kg/day(雄)、167 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で肝細胞空胞化、肺胞マクロファージ集簇、肺好酸性異物、雄に肝細胞黄褐色色素沈着、腎皮質限局性鉱質沈着、雌に肝比重量増加、卵巣絶対及び比重量減少、肝細胞質空胞化、肝過形成結節、肝単核細胞浸潤巣がみられたとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、農薬抄録 (2015))。 (8)成人男性15名を対象とした本物質(0.25 mg/kg/day)を28日間カプセル投与した安全性試験において、血漿及び赤血球ChE活性の阻害はみられなかったとの報告がある。また、成人男性11名を対象とした同様の試験では、最大0.75 mg/kg/dayを21日間カプセル経口投与した結果、0.75 mg/kg/day投与群の1名に血漿ChE活性の25%低下がみられた(赤血球ChEには変化なし)が、他の被験者に血漿・赤血球ChE阻害が20%以上の例はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬評価書 (2016)、JMPR (2005))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 |
- |
H402 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 55 mg a.i./L(水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2013)であることから、区分3とした。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。(a.i.: active ingredient) | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分3 |
- |
H412 | P273 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 24 mg/L(農薬抄録, 2016、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料, 2013)から、区分に該当しないとなる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 56.7 mg/L(農薬抄録, 2016)から、区分3となる。 以上の結果を比較し、区分3とした。情報の再検討により、旧分類から分類結果を変更した。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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