NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 330-54-1
名称 3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素 (別名:ジウロン)
物質ID m-nite-330-54-1_v3
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2020)) との情報より、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2020)) との情報より、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2020)) との情報より、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素を含まず、酸素及び塩素を含む有機化合物であるが、この酸素及び塩素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(5) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: 3,400 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 雌: 4,150 mg/kg (REACH登録情報 (Access on September 2020))
(3) ラットのLD50: 雄: 4,721 mg/kg、雌: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticides RED (2003))
(4) ラットのLD50: 4,780 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
(5) ラットのLD50: 雄: 4,990 mg/kg、雌: 5,060 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))

【参考データ等】
(6) ラットのLD50: 1,017 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(7) ラットのLD50: 1,020 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticides RED (2003)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (GESTIS (Access on May 2020))
(3) ラットのLD50: > 7,000 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (1.0E-007 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 5.05 mg/L (REACH登録情報 (Access on September 2020))
(2) ラットのLC50 (4時間): > 7.1 mg/L (EPA Pesticides RED (2003))
(3) 本物質の蒸気圧: 8.25E-009 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 1.0E-007 mg/L)
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。新しいデータ (1)~(3) が得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で72時間以内に全ての刺激性反応は消失する (EPA Pesticides RED (2003))。
(2) ヒトボランティアの前腕での刺激性試験で刺激性はみられなかった (GESTIS (Access on May 2020))。
(3) OECD TG 404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で適用24/48/72時間後の平均スコアは全て0であった (REACH登録情報 (Access on September 2020))。

【参考データ等】
(4) 本物質はヒトの皮膚および眼を刺激する可能性がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on May 2020))。
(5) ウサギを用いた24時間適用による皮膚刺激性試験で刺激性を示す (GESTIS (Access on May 2020))。
(6) 本物質の50%ペースト (0.05g) をモルモットの皮膚に適用した皮膚刺激性試験で軽度の刺激性を示す (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータ (1)、(2) が得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で48時間以内に全ての刺激性反応は消失する (EPA Pesticides RED (2003))。
(2) OECD TG 405に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で適用24/48/72時間後の平均スコアは全て0であった (REACH登録情報 (Access on September 2020))。

【参考データ等】
(3) 本物質はヒトの皮膚及び眼を刺激する可能性がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on May 2020))。
(4) ウサギを用いた眼刺激性試験で刺激性を示す (GESTIS (Access on May 2020))。
(5) 本物質の湿らせた粉体は眼を刺激する可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。
(6) 本物質の80%水和剤はウサギを用いた眼刺激性試験でわずかな刺激性を示す (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 本物質はモルモットの皮膚感作性試験で陰性と報告されている (ACGIH (7th, 2001))。
(2) EPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットの皮膚感作性試験で陰性と報告されている (EPA Pesticides RED (2003))。
(3) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で陰性と報告されている (GESTIS (Access on May 2020)、REACH登録情報 (Access on September 2020))。
(4) 本物質の50%ペースト (0.05g) を9回適用したモルモットの皮膚感作性試験で陰性と報告されている (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラット経口投与の骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on May 2020)、EPA Pesticides RED (2003))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告 (HSDB (Access on May 2020)、農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性 (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))、遺伝子突然変異試験で陰性の報告がある (HSDB (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2)より、動物種2種において発がん性の証拠があることから区分1Bとした。新たな知見に基づき分類結果を変更した。旧分類からEUでGHS区分が変更されたため、発がん性項目を見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性試験(GLP)において、高用量群(111 mg/kg/day(雄)、203 mg/kg/day(雌))で膀胱移行上皮がんの増加、腎盂移行上皮がん(雄)、子宮腺がん(雌)の増加がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2021))。
(2)マウスを用いた2年間混餌投与による慢性毒性/発がん性試験(GLP)において、高用量群(640 mg/kg/day(雄)、867 mg/kg/day(雌))乳腺の腺がん(雌)と卵巣黄体腫の増加(雌)がみられた。なお、雄の全投与群で肝細胞腫瘍の増加傾向みられたが、有意な増加ではなく、用量相関も明瞭ではなかったと報告されている(EU CLP CLH (2021))。
(3)国内外の分類機関による既存分類では、EUでCarc. 1B(EU CLP CLH (2021))、EPAでK/L (known/likely to be carcinogenic to humans:区分1B相当) (EPA OPP Annual Cancer Report 2021)に分類されている。その他、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001))に分類されている。

【参考データ等】
(4)(1)におけるラットの膀胱腫瘍の作用機序として、初期には結石による尿路に対する物理的刺激が想定されたが、本物質の尿路上皮に対する細胞毒性作用により、再生性過形成を経て腫瘍発生へと進展する機序が推定されると報告されている(EU CLP CLH (2021))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌による3世代生殖毒性試験において、影響はみられていない (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
(2) ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物毒性 (体重減少、貧血、脾臓のヘモジデリン沈着増加、髄外造血増加、肝臓のクッパー細胞のヘモジデリン沈着等) がみられる用量においても、生殖影響はみられていない (経済産業省による安全性試験結果 (2009))。
(3) 雌ラットの妊娠6~14日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (摂餌量減少、体重減少等) がみられる用量で、胎児に胎児重量減少、骨化遅延 (椎骨、胸骨) がみられている (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
(4) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、体重減少、摂餌量減少) がみられる用量で、流産 (1例) がみられたが、胎児に影響はみられていない (農薬工業会 「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第8号 (1991))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分3 (気道刺激性) とした。

【根拠データ】
(1) 皮膚、眼及び喉を刺激する可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。

【参考データ等】
(2) 眼を刺激する可能性がある (ACGIH (7th, 2001))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液系)、区分2(泌尿器)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(6)より、区分1の用量範囲で血液影響がみられることから、区分1(血液系)とした。また(1)、(3)より、泌尿器影響が区分2の用量範囲でみられることから、区分2(泌尿器)とした。よって、区分1(血液系)、区分2(泌尿器)とした。なお、新たな情報源が追加されたことから分類結果を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた混餌投与による90日間反復経口投与試験(OECD TG 408、GLP)において、雄の17 mg/kg/day(区分2の範囲)及び雌の8.7 mg/kg/day(区分1の範囲)以上で血液(スルフヘモグロビン形成、赤血球数(RBC)・ヘモグロビン(Hb)減少、網状赤血球(Ret)増加)、脾臓(髄外造血、うっ血、色素沈着等)への影響がみられ、雄の17 mg/kg/day(区分2の範囲)及び雌の23 mg/kg/day(区分2の範囲)以上で泌尿器(膀胱上皮の過形成、腎盂上皮の過形成)への影響がみられたとの報告がある(CLH Report (2020)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。
(2)イヌを用いた混餌投与による1年間慢性毒性試験(GLP)において、300及び1,800 ppm(11及び64 mg/kg/day、区分2の範囲)で血液(低色素性貧血:RBC・Hb減少、MCV・ハインツ小体・白血球数(WBC)・血小板数増加)、脾臓、腎臓、肝臓(鉄含有色素沈着)、骨髄(反応性脂肪枯渇とジデリン沈着)への影響がみられたとの報告がある(CLH Report (2020)、HSDB in PubChem (Accessed Aug. 2022)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。
(3)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験(GLP)において、25 ppm(1.0 mg/kg/day(雄)、1.7 mg/kg/day(雌)、区分1の範囲)以上で雌に血液影響(MCV・MCH・網赤血球増加、赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット減少)、雄に脾臓影響(ヘモジデリン沈着軽微増加)がみられ、250 ppm(10 mg/kg/day(雄)、17 mg/kg/day(雌)、区分1または区分2の範囲)以上で雄に血液影響(白血球数増加)、雌に脾臓影響(絶対/相対重量増加、ヘモジデリン沈着)、雌に肝臓影響(絶対/相対重量増加)がみられ、2,500 ppm(111 mg/kg/day(雄)、203 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で泌尿器影響(膀胱壁の硬化・肥厚、尿路上皮の過形成)がみられた(CLH Report (2020)、Health Canada Screening Assessment (2011)、HSDB in Pubchem (Accessed Aug. 2022))。
(4)ラットを用いた13週間反復経皮投与試験(6時間/日、5日/週、OECD TG 411、GLP)において、250 mg/kg/day(ガイダンス換算値:181 mg/kg/day、区分2の範囲)以上で血液影響(RBC・Hb減少、MCV増加)がみられたとの報告がある(CLH Report (2020)、Health Canada Screening Assessment (2011))。
(5)ラットを用いた3週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週、OECD TG 412、GLP)において、雄の47.6 mg/m3(ガイダンス換算値:0.0079 mg/L/6 hr、区分1の範囲)及び雌の311 mg/m3(ガイダンス換算値:0.052 mg/L/6 hr、区分2の範囲)で血液影響(赤血球パラメータ減少、Ret・ハインツ小体形成増加)がみられたとの報告がある(CLH Report (2020)、Health Canada Screening Assessment (2011)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2022))。
(6)ラットを用いた4週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週、OECD TG 412、GLP)において、37.4 mg/m3(ガイダンス換算値:0.017 mg/L、区分1の範囲)で雌に血液影響(Ret・ハインツ小体増加)、脾臓影響(暗色化・腫大)がみられ、286.1 mg/m3(ガイダンス換算値:0.127 mg/L、区分2の範囲)で雄に血液影響(多くのパラメータの変化)、脾臓影響(暗色化・腫大)がみられたとの報告がある(CLH Report (2020)、Health Canada Screening Assessment (2011))。

【参考データ等】
(7)本物質はEU CLHにおいて、区分2(血液系、泌尿器)に分類されている。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(ムレミカヅキモ)72時間ErC50 = 0.025 mg/L(水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定に関する資料, 2013)であることから、区分1とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる28日間分解度:0%(METI既存点検結果, 1988))、魚類(ゼブラフィッシュ)の35日間NOEC = 0.001 mg/L(REACH登録情報, 2020)から、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる28日間分解度:0%(METI既存点検結果, 1988))、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 1.4 mg/L(EU REACH CoRAP, 2016)から、区分2となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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