NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 334-88-3
名称 ジアゾメタン
物質ID m-nite-334-88-3_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
100℃で爆発する(ICSC(J)(1995))ので引火源があれば引火する。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない
-
-
- - 引火性ガスであるから酸化性ガスではありえない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 純品での製品の移動、貯蔵はあり得ない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 判定する試験法が確立していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データがない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データがない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類できない
-
-
- - ラットの吸入暴露では濃度が不明であり、その他も試験時間がわずかであり分類に使う有効なデータがないので分類できないとした。(これらの暴露試験では短時間で死亡していること、また、ネコの吸入試験で10分間で175ppm(4時間換算値:35ppm)で死亡が確認されており、これは区分1の100ppmを下回っていること等から区分1と扱うことが望ましいと思われる。) 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ヒトの皮膚で刺激性と皮膚磨剥(denudation)があると報告されている(ACGIH(2001))ので区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ヒトに対してsevere inflammation(重篤な炎症)という症例があったので区分1とした。(DFGOT vol.13(1999)) 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
ヒトで喘息発作を起こした(ACGIH(2001))という症例により呼吸器感作性を区分1。「日本職業・環境アレルギー学会特設委員会の中間報告」でもジアゾメタンは感作性化学物質としてあげられている。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットで感作性が認められている(PATTY(5th,2001))ので皮膚感作性を区分1とした。「日本職業・環境アレルギー学会特設委員会の中間報告」でもジアゾメタンは感作性化学物質としてあげられている。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vitroの情報では変異原性を示しているが(DFGOT vol.13(1999))、in vivoのデータがないので分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
本物質は低濃度でも呼吸器傷害を生じる強い刺激性物質である(DFGOT vol. 3(1999))。従って、発がん性評価の試験も短時間ばく露による試験に限られているが、(1)~(3)の限定的な動物試験結果に対して、(4)の分類結果が報告されている。(4)より、IARCよりも分類年が新しいACGIHの分類結果を優先し、区分1Bとした。新しい情報源の利用により区分を変更した。

【根拠データ】
(1)2系統の雄ラット(合計13例)に本物質のエーテル溶液(0.1~3.3 mg/L)、1 mLからの蒸気を2~3分間、週2回の頻度で6ヵ月間、又は4.5ヵ月間吸入ばく露した結果、10ヵ月以上生存した7例中3例に肺腺腫がみられ、うち1例には横隔膜や骨格筋に浸潤転移性の肺の扁平上皮がんが認められた(IARC 7(1974)、DFGOT vol. 3(1999))。
(2)A系雄マウス(12例)に本物質のエーテル溶液(0.1~3.3 mg/L)、1 mLからの蒸気を約3分間(死亡例発現の10日目以降後ばく露時間を2分間に短縮)、週2回の頻度で6ヵ月間吸入ばく露した結果、6ヵ月以上生存したマウスの7/10例に肺腺腫(対照群:2/8例)が認められた。また、Swiss系雄マウス(5例)に本物質を同様に発生させた蒸気として1.5分間/回で最初の6週間に12回ばく露した結果、6ヵ月生存した5例全例に肺腫瘍(対照群:3/6例)が認められた(IARC 7(1974)、DFGOT vol. 3(1999))。
(3)A系雄マウス(12例)の背部皮膚に本物質のエーテル溶液(0.1~3.3 mg/mL)数滴を5回/週で5ヵ月経皮適用した結果、生存例8匹全例に肺腺腫が認められた(IARC 7(1974)、DFGOT vol. 3(1999))。
(4)IARCは上記の実験動物での証拠は限定的として、グループ3とした(IARC Suppl. 7(1987))。ACGIHは作業者ばく露と同様のばく露条件下で、マウスに肺腺腫、ラットに肺の腺腫と扁平上皮がんが認められたことから、発がん性分類はA2の要件を満たすとした(ACGIH(7th, 2001):1996年分類)。この他、EU CLPが1Bに分類している。

【参考データ等】
(5)厚生労働省は、ACGIHの分類結果のA2は妥当であり、本物質は「ヒトに対しおそらく発がん性がある」との判断を示している(厚労省有害性総合評価表(2010))。
平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データがない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)、区分2(脾臓、肝臓)


危険
警告
H370
H371
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトで肺炎、肺水腫、呼吸困難、チアノーゼ、胸痛、喘息発作、発熱等の症例が見られる(ACGIH(2001))、(PATTY(5th,2001)),(IARC 7(1974))ので区分1とした。また、ラットの試験において肺に無気肺、気管支の化膿・充血、気腫、気管支粘膜の形成異常など、また脾臓の充血・拡大、肝臓の皮質内側半分にネフローゼ変化および糸球体の充血がみられた(DFGOT vol.13(1999)),(IARC 7(1974))。これにより区分2(脾臓、肝臓)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ヒトの症例では肺水腫、喘息、呼吸困難、チアノーゼ、振戦等の症状が出ており死に至ったもの、また10日後に回復したものがあり(DFGOT vol.13(1999))分類できないとした。これらの職業暴露は急性毒性(単回暴露)の症状が出た結果と思われる。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 誤えん有害性 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHS定義による気体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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