NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 3347-22-6
名称 2,3-ジシアノ-1,4-ジチアアントラキノン (別名:ジチアノン)
物質ID m-nite-3347-22-6_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 約300 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))
(2) ラットのLD50: 雌: 472 mg/kg、雄: 541 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))
(3) ラットのLD50: 雌: 492 mg/kg、雄: 528 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
(4) ラットのLD50: 638 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020)、HSDB (Access on May 2020))
(5) ラットのLD50: 雌: 678 mg/kg、雄: 720 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
(6) ラットのLD50: 702 mg/kg (JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012)、GESTIS (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: > 3,200 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分2とした。
なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (3.2E-010 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 雄: 0.280 mg/L、雌: 0.368 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018))
(2) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 0.31 mg/L、雌: 0.58 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))
(3) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 0.33 mg/L (JMPR (2010))
(4) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 雄: 1.8 mg/L、雌: 2.4 mg/L (JMPR (2010))
(5) ラットのLC50 (4時間): 雄: 1.82 mg/L、雌: 2.36 mg/L (食安委 農薬評価書 (2018))
(6) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): 2.1 mg/L (JMPR (2010)、HSDB (Access on May 2020))
(7) 本物質の蒸気圧: 2.03E-011 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 3.2E-010 mg/L)
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) OECD TG 404に準拠した本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012))。
(2) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間閉塞適用) で刺激性を示さない (JMPR (2010))。
(3) 本物質はウサギの皮膚に対しては刺激性を示さない (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (24時間閉塞適用) で刺激性を示さない (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。

【参考データ等】
(5) 本物質は感受性の高い個人に対しては強い皮膚刺激性を示す可能性がある (HSDB (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1) より、区分1とした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫が認められ、2/6例では反応が21日まで持続した (農薬抄録 (2012))。

【参考データ等】
(2) 本物質のウサギを用いた眼刺激性試験で、強い刺激性あるいは可逆性の刺激性を示すと報告されている (JMPR (2010))。
(3) 本物質はウサギの眼に対しては強度の刺激性を示す (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) ウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜混濁、虹彩の充血、結膜の発赤及び浮腫を示し、強い刺激性物質と判定された (農薬抄録 (2012)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。
(5) EU-CLP分類でEye Dam. 1 (H318) に分類されている (EU CLP分類 (Access on August 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で軽度または強い感作性が認められた (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第9号 (1991))。
(2) 本物質のモルモットを用いた開放適用による皮膚感作性試験で感作性陽性と報告されている (農薬抄録 (2012))。

【参考データ等】
(3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 1%) で、感作性あり (陽性率 15.8%) と報告されている (農薬抄録 (2012))。
(4) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で、感作性ありとする報告及び陰性とする報告がある (JMPR (2010))。
(5) EU-CLP分類でSkin Sens. 1 (H317)に分類されている(EU CLP分類 (Access on August 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当としないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラットまたはマウスの経口投与による小核試験でそれぞれ陰性、ラット経口投与の染色体異常試験で陰性、ラット経口投与の不定期DNA合成試験で陰性 (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。ラット経口投与の腎臓細胞を用いたコメットアッセイで陰性または曖昧な結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性、遺伝子突然変異試験で陽性、陰性、あいまいな結果の報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010)、農薬抄録 (2012))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) に基づき区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでS (suggestive evidence of carcinogenicity) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on August 2020):2006年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雌で腎細胞腺腫の発生率の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変の発生頻度増加は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2018))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、繁殖能への影響はみられていないが、(2)~(5) より、母動物毒性用量で胎児に対する影響がみられていることから、区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物毒性として体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量においても児動物に対する影響、繁殖能に対する影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2018))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に着床後胚損失率の上昇、子宮内死亡数の増加及び着床数に対する生存胎児数の割合の低下が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(3) 雌マウスの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、胎児に骨化遅延、低体重及び胎盤重量減少が認められた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(4) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、流産(3例)) がみられ、早期吸収胚数の増加に起因する着床後胚損失率の上昇及び生存胎児数の減少、胎盤重量減少がみられた (食安委 農薬評価書 (2018))。
(5) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で、早期胚吸収数の増加、着床後胚損失率の上昇並びに胎盤重量の減少、胎児数の減少がみられている (食安委 農薬評価書 (2018))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系、呼吸器、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの単回ばく露に関する報告はない。(1)~(6) より区分1 (神経系、呼吸器、腎臓) とした。新たな情報の採用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの経口投与試験で、30 mg/kg (区分1の範囲) で無関心、下痢、異常歩行、呼吸促迫、異常姿勢及びカタレプシーがみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。
(2) ラットの経口投与試験で、100 mg/kg (区分1の範囲) 以上で鎮静及び被毛汚れ、400 mg/kg (区分2の範囲) 以上で呼吸困難、円背位、下痢、削痩、1,000 mg/kg (区分2の範囲) 以上で運動失調、振戦及び色素涙がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。
(3) ラットの吸入ばく露試験で、3.584 mg/L (エアロゾル、区分2の範囲) までで鎮静、呼吸困難、立毛、血涙、腹臥位、円背位、削痩、死亡がみられ、死亡例では肺、気管支及び鼻からの泡沫排出、肺部分的暗色化、斑状暗赤色化及び機能不全がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。
(4) ラットの吸入ばく露試験で、0.25 mg/L (ダスト、区分1の範囲)~1.26 mg/L (ダスト、区分2の範囲) で呼吸緩徐の後呼吸促進、異常呼吸音、うずくまり姿勢、立毛、無関心状態、死亡がみられ、死亡例では肺浮腫、全肺葉暗赤色化がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。
(5) ラットの経皮ばく露試験で、2,000 mg/kg (区分2の範囲) で被毛汚染、削痩、肺暗赤色病巣がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、農薬抄録 (2012))。
(6) ラットの7日間混餌投与試験で、600 ppm (60 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で近位尿細管上皮水腫性変性及びそれに続く腎尿細管上皮細胞の再生、腎尿細管上皮細胞におけるミトコンドリアの傷害がみられたとの報告がある。本物質の体内動態及び所見の程度に基づき、これらの所見は単回経口投与等により生じる可能性があると判断されている (食安委 農薬評価書 (2018))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (血液系、肝臓、腎臓)


警告
H373 P260
P314
P501
【分類根拠】
本物質のヒトでの反復ばく露に関する報告はない。実験動物では、区分2の用量で (1)~(3) から血液系、肝臓、腎臓への影響がみられていることから区分2 (血液系、肝臓、腎臓) とした。慢性腎症の重篤化は雌では区分1の用量からみられたが、加齢性変化が重篤化したものであり、腎臓の分類根拠としては、(2) の90日間試験でみられた所見を採用した。新たな情報の追加により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットの2年間混餌投与試験では、120 ppm (6 mg/kg/day相当、区分1の範囲) 以上の雌で慢性腎症の重篤化、雄ではさらにγ-GTP及びグルコースの増加、600 ppm (平均検体摂取量として30 mg/kg、区分2の範囲) の雌雄で赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値及び平均赤血球容積の減少、血中尿素窒素の増加、雄ではさらに慢性腎症の重篤化、上皮小体過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。
(2) ラットの90日間混餌投与試験では、1,080 ppm (雄/雌: 86.7/99.5 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) で赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の減少及び網状赤血球数の増加が雌雄にみられ、雌ではさらに腎及び副腎絶対重量増加並びに腎臓の水腫性変化及び尿細管上皮細胞の過形成がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018)、JMPR (2010))。
(3) イヌの2年間混餌投与試験では、400 ppm (雄/雌: 13.8/13.6 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) 以上で肝絶対重量の増加、肝細胞肥大、1,000 ppm (雄/雌: 35.7/27.7 mg/kg/day相当、いずれも区分2の範囲) で赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値の減少、血小板数の増加、ALP、総蛋白、β-グロブリンの増加、肝比重量増加、炎症性細胞浸潤並びに褐色色素 (リポフスチン) 沈着を伴う肝細胞肥大がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2018))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(コイ)96時間LC50 = 0.0596 mg/L(農薬抄録, 2012)であることから、区分1とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 2001))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.025 mg/L(農薬抄録, 2012)から、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる4週間分解度:0%(METI既存点検結果, 2001))、魚類(コイ)の96時間LC50 = 0.0596 mg/L(農薬抄録, 2012)から、区分1となる。
以上の結果から、区分1とした。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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