項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 4170-30-3 |
名称 | 2-ブテナール(別名:クロトンアルデヒド((E)-2-ブテナールと(Z)-2-ブテナールの異性体混合物)) |
物質ID | m-nite-4170-30-3_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点13℃(closed cup)、沸点102℃(GESTIS(Accessed Nov 2021))に基づいて区分2とした。なお、UNRTDG分類は安定剤入りのものがUN.1143、クラス・区分6.1、副次危険3、PGⅠである。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、UNRTDG分類は安定剤入りのものがUN.1143、クラス・区分6.1 、副次危険3、PGⅠであることから、優先評価項目の自己反応性物質には該当しないため、タイプGとした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点は155℃(GESTIS(Accessed Nov 2021))であり常温で発火しないと考えられる。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分3とした。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:300 mg/kg(DFG MAK (2012)) (2)ラットのLD50:174~300 mg/kg(AICIS IMAP (2016)) (3)ラットのLD50:200~300 mg/kg(CICAD 74 (2008)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 |
危険 |
H310 | P302+P352 P361+P364 P262 P264 P270 P280 P310 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、有害性の高い区分を採用し、区分2とした。なお、新たな情報に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:380 mg/kg(DFG MAK (2012)) (2)ウサギのLD50:128~380 mg/kg(AICIS IMAP (2016)) (3)ウサギのLD50:128~324 mg/kg(CICAD 74 (2008)) (4)ウサギのLD50:324 mg/kg(CICAD 74 (2008)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。なお、飽和蒸気圧濃度36,000 ppmより、蒸気としてppmVの判断基準を適用した。新たな情報に基づき分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):200~290 mg/m3(69.8~101.2 ppmV)(CICAD 74 (2008)) (2)ラットのLC50(4時間):69~100 ppm(SCOEL (2013)) (3)本物質の飽和蒸気圧濃度は、30 mm Hg(25℃)である(HSDB in PubChem (Accessed Nov. 2021))。 【参考データ等】 (4)ラットのLC50(0.5時間):4,000 mg/m3(4時間換算値:500 mg/m3= 493 ppmV)(DFG MAK (2012)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1B |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1Bとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=7)を用いた皮膚刺激性試験(開放適用、15分適用、2ヵ月観察)において、5~9時間後に重度の紅斑及び浮腫を生じ、2~3日後には剥離が始まり、痂皮と潰瘍形成がみられた。この影響は12~15日間持続し、2ヵ月後にはほぼ治癒したとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(有傷皮膚及び無傷皮膚に閉塞適用、4時間適用、72時間観察)において、皮膚一次刺激指数(PDII)は8であったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov. 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)皮膚腐食性/刺激性で区分1Bである。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、眼を強く刺激し、重度の損傷を引き起こすとの報告がある(SCOEL (2013))。 【参考データ等】 (3)EU CLPではEye Dam. 1に分類されている。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、(2)の知見は試験条件等の詳細が不明であるため、分類に用いなかった。データを見直し、分類結果を変更した。 【参考データ等】 (1)繊維業の労働者が感作性を示した1例の症例報告がある(IARC 63 (1995))。 (2)米国国家毒性プログラムにより本物質の感作性が試験され、結果は非感作性であった(SCOEL (2013))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B |
危険 |
H340 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1Bとした。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた優性致死試験(5日間腹腔内投与、最大27.2 mg/kg)で陽性(DFG MAK (2018) 、REACH登録情報(Accessed Nov 2021))、マウスの骨髄細胞及び精原細胞を用いた染色体異常試験(単回腹腔内投与、最大27.2 mg/kg)で陽性(DFG MAK (2018), MOE 初期評価 (2015)、SCOEL(2013)、REACH登録情報(Accessed Nov 2021))、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(強制経口投与)で陰性(CICAD 74 (2008)、REACH登録)、ラットに強制経口投与後に肝臓、肺、腎臓でDNA付加体形成が認められた(DFG MAK (2012)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015)、SCOEL(2013))。 (2)In vitroでは、細菌復帰突然変異試験で陽性又は陰性、ほ乳類培養細胞(CHO、ヒトリンパ球/リンパ芽球様細胞)を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある(AICIS IMAP (2016)、CICAD 74 (2008)、DFG MAK (2012)、SCOEL(2013)、REACH登録情報 (Accessed Nov 2021))。ほ乳類培養細胞(V79、マウスリンパ腫細胞)を用いた遺伝子突然変異試験で陽性の報告がある(IARC, 2021) 【参考データ等】 (3)本物質は労働安全性法上で健康障害防止指針(強い変異原性が認められた化学物質)の対象物質である。 (4)EU CLPでは、Muta. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Nov 2021))。 (5)MAKではMAK生殖細胞変異原性区分3Aに分類されている(DFG MAK, 2018) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分1B |
危険 |
H350 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)より厚生労働省がん原生指針に指定されていること、(2)、(3)で動物種1種において発がん性の証拠があることから区分1Bとした。新たな知見に基づき区分を変更した。なお、(4)の既存分類では最新のIARCがグループ2B(区分2相当)としているが、動物試験の陽性データに基づき区分を判定した。 【根拠データ】 (1)本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める化学物質による労働者の健康障害を防止するための改正指針の対象物質である(平成24年10月10日付け健康障害を防止するための指針公示第23号)。 (2)雄ラットを用いた本物質(trans-異性体:123-73-9)の2年間飲水投与試験において、肝細胞腫瘍(腫瘍性結節、肝細胞がん)の発生頻度増加が認められた(IRIS (1991)、ACGIH (7th, 2001)、AICIS IMAP (2016)、CICAD 74 (2007)、DFG MAK (2018)、MOE 初期評価 (2015))。 (3)ラット及びマウスを用いたクロトンアルデヒド(4170-30-3)の2年間吸入ばく露による発がん性試験において、マウスの試験では腫瘍発生の増加は認められなかったが、ラットの試験では雌雄とも少数例(1~2/50例)ではあるが自然発生が稀な鼻腔腫瘍の発生が認められ、本物質の発がん性を示す証拠と考えられた(厚生労働省がん原性試験 (2001)、MOE 初期評価 (2015))。 【参考データ等】 (4)国内外の評価機関によるクロトンアルデヒド(CAS番号 4170-30-3)の既存分類結果として、IARCでグループ2Bに(IARC 128 (2021))、EPAでC(possible human carcinogen)に(IRIS (1991))、ACGIHでA3(ACGIH (7th, 2001))に、DFGでCategory 3B(DFG MAK(2018))にそれぞれ分類されている。 (5)旧東ドイツのアルデヒド製造工場で雇用された労働者220人の調査では、9人が悪性腫瘍(口腔の扁平上皮がん2人、肺の扁平上皮がん5人、胃の腺がん1人、大腸の腺がん1人)と診断されており、労働者の過剰発がんリスクが疑われた。職場濃度の調査では本物質は 1~7 mg/m3であったが、同時に他の化学物質も検出された。IARCは本報告から結論を得るには余りにも貧弱な報告としている(IARC 63 (1995)、CICAD 74 (2008)、MOE 初期評価(2018))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。(1)は親動物に一般毒性影響がみられておらず、用量設定が不適切の可能性があり、生殖影響なしと結論できない。 【参考データ等】 (1)ラットを用いた強制経口投与による一世代生殖毒性試験(OECD TG415、GLP、雄:交配前61日間、雌:交配前31日間)において、最高用量の10 mg/kg/dayまで親動物、児動物ともに有害影響は認められなかった(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5)より、区分1(呼吸器)とした。 【根拠データ】 (1)2-ブテナールをヒトボランティアに12 mg/m3(4.1 ppm)でばく露すると30秒後に流涙、15分間ばく露中に鼻と上気道に高度の刺激性を生じた(MOE 初期評価 (2014)、CICAD 74 (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 (2)ラットの単回経口投与試験(OECD TG420)において、180 mg/kg(区分1の範囲)で7/10例、300及び500 mg/kg(区分2の範囲)では全例死亡した。生存例の致死量以下でみられた影響は、嗜眠、流涎、自発運動の変化、流涙であったとの報告がある(AICIS IMAP (2016)、REACH登録情報 (Accessed Nov 2021))。 (3)本物質はα,β-不飽和アルデヒド化合物群の中では、アクロレインやホルムアルデヒドよりはわずかに弱いが、マウスの気道に対し強い刺激性を示す。マウス及びラットの呼吸数が50%低下する濃度(RD50)は各々10 mg/m3及び66.6 mg/m3と報告された(CICAD 74 (2008))。 (4)本物質は強い肺刺激物質で、吸入ばく露後の影響には呼吸障害、興奮期後に末梢の痙攣を生じる。ラットの4時間ばく露での致死濃度は100 ppm(10 mg/kg、区分1の範囲)であり、200 ppm(20 mg/kg、区分1の範囲)で10分間単回ばく露後には肺機能の変化を生じる(ACGIH (7th, 2001)、Patty (6th, 2012))。 (5)ラット(雄)の単回吸入ばく露試験において、4時間の半数致死濃度(LC50)69-120 ppm、0.19-0.34 mg /L/ 4時間であった。これにより本物質は有害物質情報システム(HSIS)(オーストラリア労働安全庁)は「吸入すると非常に有毒」(T+; R26) としている(AICS IMAP(2016)、SCOEL, 2013, REACH登録情報(Accessed Nov. 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、肝臓) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5)から、呼吸器及び肝臓を標的臓器と判断し、区分1(呼吸器、肝臓)とした。新たな情報源を追加し精査し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットの13週間強制経口投与試験において、5 mg/kg/day以上で鼻腔の急性炎症(雌)、10 mg/kg/day以上で前胃上皮の過形成、20 mg/kg/day以上で鼻腔の急性炎症(雄)、前胃の肥厚と結節(雌雄)、40 mg/kg/dayで前胃の過角化・潰瘍・中程度の壊死・急性炎症(雌雄)が認められた(CICAD 74 (2008)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015)、REACH登録情報(Accessed Nov 2021))。 (2)雄ラットの113週間飲水投与試験において、42 mg/L(2.0~7.6 mg/kg/day相当:換算用量値は評価書により異なる)以上で肝細胞変異巣、420 mg/L(15.75~53.9 mg/kg/day相当)で中程度から高度の肝臓傷害(脂肪変性、巣状壊死、線維化、胆汁うっ滞、単核細胞浸潤)がみられた(CICAD 74 (2008)、AICIS IMAP (2016)、MOE 初期評価 (2015))。 (3)ラット及びマウスを用いた本物質蒸気の13週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)では、ラット、マウスとも12 ppm(90日換算:8.7 ppm:区分1)以上で鼻腔粘膜の扁平上皮化生、呼吸器粘膜の炎症性変化(炎症性細胞浸潤・鼻腔背側壁の浮腫)、24 ppm(90日換算:17.3 ppm:区分1)で鼻咽頭、喉頭、気管粘膜の扁平上皮化生が認められた(厚生労働省がん原性予備試験 (2001) 、MOE 初期評価 (2015))。 (4)ラットを用いた本物質蒸気の104週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、区分1の3 ppm以上で鼻控への傷害(呼吸上皮の炎痕、過形成、扁平上皮化生及び扁平上皮過形成、嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生、異物性鼻炎等)が認められた(厚生労働省がん原性試験(2001)、MOE 初期評価 (2015))。 (5)マウスを用いた本物質蒸気の104週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、雌雄とも区分1の6 ppm以上の群で鼻腔への傷害(呼吸上皮の壊死、萎縮、立方化及び扁平上皮化生、 嗅上皮の萎縮と呼吸上皮化生、腺の過形成と呼吸上皮化生、 滲出液の出現、粘膜固有層の 浮腫等)がみられた(厚生労働省がん原性試験(2001)、MOE 初期評価 (2015))。 【参考データ等】 (6)マウスの13週間強制経口投与試験において、40 mg/kg/dayで胃粘膜上皮の過形成がみられた(CICAD 74 (2008) 、MOE 初期評価 (2015)、REACH登録情報(Accessed Nov 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
魚類(ヒメダカ)96時間LC50 = 0.072 mg/L(MOE既存点検結果, 2002、MOE初期評価, 2006、MOE初期評価, 2015)であることから、区分1とした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 |
- |
H411 | P273 P391 P501 |
急速分解性があり(BODによる分解度:82%(METI既存点検結果, 1987))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.02 mg/L(MOE既存点検結果, 2002、MOE初期評価, 2006、MOE初期評価, 2015)から、区分2とした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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