NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 50926-11-9
名称 インジウムすず酸化物
物質ID m-nite-50926-11-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2016)) である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2016)) である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性 (HSDB (Access on May 2016)) である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水に不溶 (HSDB (Access on May 2016)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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-
- - 酸化インジウムにおけるラットのLD50値として、> 10,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の報告がある。
インジウムスズ酸化物は、酸化インジウムと酸化スズの混合物であり、いずれの化合物もLD50値が2,000 mg/kg 以上であるので区分外とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
本物質は皮膚に対して重度の刺激を有する可能性があるとの記載 (HSDB (Access on June 2016)) より区分2とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
本物質は眼に対して重度の刺激を有する可能性があるとの記載 (HSDB (Access on June 2016)) より区分2Aとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、本物質 (ITO粒子) のラット気管内投与試験で小核出現頻度の有意な増加を認めたが、in vitroでは本物質 (ITO粒子) の肺胞上皮細胞に対する小核出現頻度の増加が認められず、in vivoの結果は二次的な遺伝毒性メカニズムによるものと評価されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013)、HSDB (Access on May 2016))。その他の情報はない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ヒトの発がん性に関する情報はない。実験動物では酸化インジウムを90.06%、酸化スズを9.74%含むインジウムすず酸化物 (ITO) をラット、又はマウスに0.01~0.1 mg/m3 の濃度で2年間 (ラット高濃度群のみ肺傷害のため26週間) 吸入ばく露した発がん性試験において、マウスには腫瘍性変化は認められなかったが、ラットでは雌雄に肺の細気管支/肺胞上皮腺腫、細気管支/肺胞上皮がんなど肺腫瘍の発生頻度の増加が認められた (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。既存分類としては、日本産業衛生学会が難溶性の無機インジウム化合物に対し2Aに分類している (産衛学会勧告 (2015))。よって、本項は区分1Bとした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、環境省リスク評価第11巻 (2013) にインジウムは気道を刺激するとの記載があるが、出典はICSCであり、原典が確認できない。また金属インジウムのみに関する記載かあるいはインジウム化合物一般に関する記載かが明確でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトにおいて、症例報告として、インジウム・スズ化合物の研磨作業の従事者に間質性肺炎の報告 (環境省リスク評価第11巻 (2013)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2007)) がある。日本ではインジウム・スズ化合物 (ITO) の製造・加工工場、インジウムのリサイクル工場、酸化インジウム製造工場の労働者における間質性肺炎や線維症の症例報告や間質性肺炎の指標であるKL-6 値やSP-D 値、SP-A 値の上昇を示す調査報告があり、ITO や酸化インジウムのばく露により、間質性肺炎を主体とした肺疾患が発生することが明らかにされている。米国でもITO 製造工場の労働者に肺胞蛋白症が発生したとする症例報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。
実験動物では、ラットを用いた13週間吸入ばく露試験において区分1の範囲内で肺への影響 (肺胞蛋白症、肺のリンパ節の肉芽腫、肺胞上皮の過形成等)、104週間吸入ばく露試験でさらに区分1の範囲で細気管支/肺胞の過形成、肺で肺胞壁の線維化、胸膜の肥厚、傍気管支リンパ組織の肉芽腫、縦隔リンパ節で肉芽腫等、マウスを用いた13週間吸入ばく露試験では、区分1の範囲内で肺への影響 (肺胞タンパク症、炎症細胞の浸潤、縦隔リンパ節の過形成等) のほか赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値増加、脾臓の髄外造血等が認められ、104週間吸入ばく露試験でさらに区分1の範囲で肺への影響として胸膜の肥厚、縦隔リンパ節の過形成、傍気管支リンパ組織の過形成等が認められている (環境省リスク評価第11巻 (2013)。
以上のうち、血液の所見及び造血系への影響は呼吸器への影響による酸欠に対する適応反応の可能性が考えられることから分類根拠としなかった。また、旧分類では、ACGIH (7th, 2001) において、「インジウムおよびその化合物は骨格、消化管系への影響および特に肺への吸入による有害性によりTLV-TWAが設定されていること」等を根拠として呼吸器のほかに骨格及び消化器系を標的臓器としているが、EPAのインジウム化合物暴露についてのpreliminary investigationを元としており、予備調査であること、また、愁訴による症状名以外の情報がない等、信頼性が低いと考えられることから分類根拠としなかった。
したがって、区分1 (呼吸器) とした。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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