NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 513-77-9
名称 炭酸バリウム
物質ID m-nite-513-77-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2006))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2006))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (ICSC (2006))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度:0.002 g/100 mL (20℃) (ICSC (2006) というデータが得られており、水と接触しても激しい反応は起こさないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲン元素を含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、418 mg/kg (SIDS (2006)、EHC 107 (1990))、800 mg/kg (EHC 107 (1990))、118-800 mg/kg (CICAD 33 (2001)) との3件の報告に加え、ヒトでの最低経口致死用量57 mg/kg (CICAD 33 (2001)) との報告がある。ヒトでのデータに基づき、区分3とした。優先度の低い情報源 (RTECS (2004)) に代えて、新たな情報源 (SIDS (2006)、(CICAD 33 (2001)) を追加し、区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - バリウム及びその可溶性化合物として、ACGIH (7th, 2001) でA4に分類されているため、「分類できない」とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
旧分類では、雌雄ラットへの吸入投与で精子/卵子形成並びに精巣/卵巣への影響がみられ(EHC 107 (1990)、CICAD 33 (2001))、妊娠ラットへの経口投与で胎児致死毒性 (EHC 107 (1990)) がみられることを根拠として区分2としていた。しかし、これらのデータの出典である「Tarasenko, N.Y., Pronin, O.A., and Silayev, A.A. (1977) Barium compounds as industrial poisons (an experimental study), J. Hyg. Epidemiol. Microbiol. Immunol., 21, 361-373」について、ATSDR (2007) では、研究の計画や報告が不十分であり、発生率のデータや統計解析が公表論文中に記載されていないことから適切に評価できない」としている。また、SIDS (2006) においても信頼性が評価できないとして評価に用いていない。したがって、分類見直しに当たってこれらのデータは信頼性が低いとして分類に用いなかった。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系、心血管系、筋肉系)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質は、気道刺激性がある。ヒトにおいては多数の症例報告があり、経口摂取による事故例や自殺例、作業者のばく露ではいずれも、嘔吐、激しい腹痛、下痢を伴う胃腸管障害、不整脈、血圧上昇、腱反射消失、散瞳、傾眠が認められている。作業者の急性吸入(粉じん) ばく露で、手足及び首の筋力低下及び麻痺が報告されている。また、横紋筋、心筋及び平滑筋を強く刺激し、血清カリウムの低下から神経筋遮断により筋力低下を生じる。複数の症例で、高用量は心臓の鼓動、リズムに重大な影響をもたらし、心室頻拍、心臓自律能の障害、心室細動、心停止を引き起こす。経口摂取では、意図的又は偶発的摂取により、胃腸障害 (嘔吐、下痢、腹痛)、低カリウム血症、高血圧、不整脈、筋力低下、骨格筋麻痺、弛緩性麻痺、感覚異常の報告がある (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2007)、CICAD 33 (2001)、EHC 107 (1990)、HSDB (Access on August 2014))。
実験動物では、経口投与 (濃度等不記載) で、流延、吐き気、下痢、頻脈、低カリウム血症、血圧低下、攣縮、骨格筋弛緩性麻痺、呼吸筋麻痺、心室細動の報告がある (SIDS (2006)、ATSDR (2007)、EHC 107 (1990))。
以上より、区分1 (神経系、心血管系、筋肉系)、区分3 (気道刺激性) とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (心血管系、神経系、筋肉系、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質の粉じんに慢性ばく露された作業者12名中3名に血圧上昇、2名に心電図上の異常が認められたが、ばく露を受けていない母集団における発生頻度との比較ができないため、本物質ばく露と心血管系障害の発生頻度増加との関連性を明らかにできない (ATSDR (2007)) との記述、また硫酸バリウム粉じんによる慢性ばく露を受けた作業者に塵肺症が発生したとの報告が2件あるが、本物質にばく露された作業者ではバリウムばく露による呼吸器症状はなく、X-線検査でも肺に異常を認めなかった (ATSDR (2007)) との報告が1件ある。実験動物についても、ラットに本物質粉じんを1ヶ月又は4ヶ月間吸入ばく露した試験において、区分1該当濃度 (ガイダンス値換算: 0.0035 mg/L/6hr) で呼吸器等への影響がみられたとする報告はあるが、これらの試験は評価項目が限定的で、記述も不十分であり、信頼性も不確実とされており (SIDS (2006))、分類に利用するには適切なデータではないと考えられた。すなわち、吸入経路からは標的臓器を特定できない。
一方、本物質は酸可溶性バリウム化合物であり、経口摂取した場合、消化管から吸収される (ATSDR (2007)) との記述があり、炭酸バリウムも経口経路では水溶性の塩化バリウム (CAS No. 10361-37-2) と同様の標的臓器毒性を示すと考えられ、区分1 (心血管系、神経系、筋肉系、腎臓) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - デ-タ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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