項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 52645-53-1 |
名称 | 3-フェノキシベンジル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(別名:ペルメトリン) |
物質ID | m-nite-52645-53-1_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性との情報(GESTIS(Accessed Aug. 2021))がある。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) 及び歪みのある環を含むが、データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | UNRTDGにおいて UN 3352、Class 6.1 に分類されており、優先評価項目である自然発火性には該当しないと考えられるため、区分に該当しない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、この塩素、酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体であるが、データがなく分類できない。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(9)より、有害性の高い区分を採用し、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):539 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (2)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):464 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (3)ラット(雄)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):430 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (4)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):470 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (5)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体(20%:80%)):6,000 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (6)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体(30%:70%)):1,700 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (7)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体(40%:60%)):1,300 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (8)ラット(雄)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):3,580 mg/kg(EPA Pesticides RED (2007)) (9)ラット(雌)のLD50(cis-:trans-異性体混合比不明):2,280 mg/kg(EPA Pesticides RED (2007)) 【参考データ等】 (10)ラットのLD50(cis-:trans-異性体(80%:20%)):220 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (11)本物質のcis体とtrans体の比が80:20 のものは国内では使用されていないが、海外では動物用医薬品として用いられているとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (2)ラットのLD50:> 2,500 mg/kg(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) (3)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(EPA Pesticides RED (2007)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)より、区分を特定できず、分類できない。 【参考データ等】 (1)ラットのLC50(3時間、ミスト):> 0.685 mg/L (4時間換算値:0.514 mg/L)(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)) |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=5)を用いた皮膚刺激性試験(7日観察)において、刺激性反応は全く認められなかった(紅斑・痂皮スコア:0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0)との報告がある(農薬抄録 (2017))。 (2)本物質は軽度の皮膚刺激性を示した(JMPR (1999))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=3)を用いた眼刺激性試験において、眼刺激性はみられなかった(角膜混濁スコア:0/0/0、虹彩炎スコア:0/0/0、結膜発赤スコア:0/0/0、結膜浮腫スコア:0/0/0)との報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、農薬抄録 (2017))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験において、最小限の疼痛、結膜発赤、浮腫及び軽微な眼分泌物がみられたとの報告がある(EHC 94 (1990)、JMPR (1979))。 【参考データ等】 (3)本物質は軽度の眼刺激性を示したとの報告がある(JMPR (1999))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)モルモット(n=8)を用いた皮膚感作性試験(皮内投与:5%あるいは1%溶液)において、全例で感作性反応はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、農薬抄録 (2017))。 (2)モルモットを用いた皮膚感作性試験(皮内投与:0.1%溶液)において、結果は陰性であった(EHC 94 (1990))。 (3)本物質はMaximisation試験において、皮膚感作性はみられなかった(JMPR (1999))。 (4)本物質は皮膚感作性物質ではない(EPA Pesticides (2007))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(単回経口投与)、ラット及びマウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(単回又は5日間反復腹腔内投与)、及びマウスを用いた優性致死試験(5日間反復経口投与)で、すべて陰性であった(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (2)In vitroでは、細菌を用いた複数の復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞(チャイニーズハムスター肺由来細胞)を用いた染色体異常試験で、すべて陰性であった(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類結果】 (1)~(4)より、区分2とした。実験動物1種(マウス)片性(雌)のみにみられる良性腫瘍(肺腺腫、肝細胞腺腫)が非遺伝毒性の作用機序により発生する可能性が指摘されている。なお、新たな情報源を用いて分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)国内外の評価機関による分類結果としては、IARCでグループ3に(IARC 53 (1991))、EPAでS(Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential)に(EPA OPP Annual Cancer Report 2020 (Accessed July 2021))分類されている。なお、EPAは2020年の発がん性定量評価の再評価において、従来のL(Likely to be Carcinogenic to Humans:区分1B相当)からS(区分2相当)に再分類した(Federal Register vol. 85, No. 145 (2020))。 (2)ラットを用いた2年間混餌投与による3つの慢性毒性/発がん性併合試験では、いずれも発がん性は認められなかった。3試験のうちの2試験では、最高用量(2,500 ppm(雄/雌:107/121 mg/kg/day)及び250 mg/kg/day)として振戦がみられる用量まで投与された結果である(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (3)マウスを用いた混餌投与による3つの発がん性試験(98週間投与1試験及び2年間投与2試験)のうち、最大5,000 ppm(928 mg/kg/day)まで投与した1試験において、2,500 ppm(462 mg/kg/day)以上の雌の投与群で肝細胞腺腫及び肺細気管支肺胞上皮腺腫の発生頻度増加が認められた。他の2試験では発がん性は認められなかった(98週間投与試験の最高用量(2,500 ppm)の雄では肺腺腫の増加がみられたが、別の統計検定法では有意差はなく、検体投与による影響でないと判断された)(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (4)マウスの1試験でみられた肺及び肝臓腫瘍の発生機序を検討した試験結果から、本物質の長期混餌投与により、肺ではクララ細胞の増殖亢進、肝臓では核内受容体(CAR、PPARα)の活性化を介した細胞増殖を示唆する結果が得られている。マウスの腫瘍発生機序は遺伝毒性メカニズムによるとは考え難いことから、閾値の設定が可能と結論された(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 【参考データ等】 (5)IARCの評価時点では、ラット、マウスとも1試験結果のみしかなく、ラットの結果は陰性、マウスでは雄で肺腺腫の増加がみられた(食安委の評価では否定された結果)ことから、発がん性の証拠としてヒトで利用可能な情報はなく、実験動物でも不十分な証拠に限られることから結論された分類結果である(IARC 53 (1991))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(5)より、区分に該当しない。なお、(1)の着床後胚死亡率上昇は検体投与による影響と考えられたが、非有意な影響であり、また、限度用量を超えた用量での影響であることを考慮した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6~18日)において、600 mg/kg/day以上で親動物に体重増加抑制、振戦(1800mg/kg/dayのみ)、1200 mg/kg/day以上で児動物に着床後胚死亡率上昇(早期及び後期)、低体重・四肢骨化遅延(1,800 mg/kg/dayのみ)がみられたが、催奇形性は認められなかったとの報告がある。なお、着床後胚死亡率上昇、低体重・四肢骨化遅延は有意な影響ではないが、検体投与の影響と考えられた(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、MOE 初期評価 有害性暫定評価 (2009)、EHC 94 (1990))。 (2)ラットを用いた混餌投与による2つの三世代生殖毒性試験において、生殖毒性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、MOE 初期評価 有害性暫定評価 (2009)、EHC 94 (1990))。 (3)マウスを用いた混餌投与による三世代生殖毒性試験において、生殖毒性はみられなかったとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (4)ラットを用いた強制経口投与による2つの発生毒性試験のうち、1試験では親動物に振戦及び首振り、体重増加抑制及び摂餌量減少がみられた用量で児動物に軽微な発生影響(低体重、過剰肋骨の頻度増加)がみられたが、他の1試験では親動物、児動物ともに影響はみられなかった。なお、催奇形性は認められなかったとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (5)動物試験結果に基づき、JMPRは本物質(工業グレード)は生殖発生毒性を有さないと結論した(JMPR (1999))。食品安全委員会も本物質は繁殖能に対する影響も催奇形性も認められないと結論している(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、区分1(神経系)とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による2つの急性神経毒性試験において、200 mg/kgおよび300 mg/kg(区分1の範囲)で、神経系影響(振戦、痙攣、瞳孔機能低下、聴覚反応亢進、自発運動量減少、歩行異常等)がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (2)ラットおよびマウスを用いた複数の単回経口投与試験において、区分1の用量範囲で、神経系影響(振戦、筋攣縮、自発運動量減少等)がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (3)ラットおよびマウスを用いた2件の単回吸入ばく露試験(3時間、ミスト)において、0.685 mg/L(4時間換算値:0.514 mg/L、区分1の範囲)で興奮、流涎、流涙、尿失禁及び運動失調がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 【参考データ等】 (4)本物質を含む複数の合成ピレスロイドのばく露を受けたことのある労働者23人及び対照群を対象とした調査では、労働者19人でばく露後0.5~3時間に顔の異常な感覚症状(0.5~8時間持続)が1回以上あったが、神経学的に異常な徴候はなく、腕と脚の電子生理的検査結果も正常であった(MOE 初期評価 有害性暫定評価 (2009)、EHC (1990))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(神経系、肝臓、副腎) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(8)より、区分2の用量範囲で神経系、肝臓、副腎影響がみられることから、区分2(神経系、肝臓、副腎)とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による28日間反復経口投与試験において、1,000 ppm(100 mg/kg/day、90日換算値:31.1 mg/kg/day、区分2の範囲)で振戦がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (2)ラットを用いた混餌投与による28日間亜急性神経毒性試験において、1,500 ppm(75 mg/kg/day、90日換算値:23.3 mg/kg/day、区分2の範囲)で振戦、後肢開脚、よろめき歩行、色素性鼻漏がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (3)ラットを用いた混餌投与による90日間亜急性神経毒性試験において、1,500 ppm((91.5 mg/kg/day(雄)、111 mg/kg/day(雌)、区分2~区分に該当しない範囲)でよろめき歩行、後肢開脚、振戦、FOB検査における神経機能への影響がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、MOE 初期評価 有害性暫定評価 (2009))。 (4)イヌを用いた強制経口投与による13週間亜急性毒性試験において、2,000 mg/kg/day(区分に該当しない範囲)で、振戦がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 (5)ラットを用いた混餌投与による6ヵ月間亜急性毒性試験において、3,000 ppm((185 mg/kg/day(雄)、221 mg/kg/day(雌))、区分に該当しない範囲)で過敏及び振戦(いずれも投与1日以降)、Chol増加、肝絶対及び比重量増加、軽度の肝実質細胞肥大、ChE低下(雌)がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、EHC 94 (1990))。 (6)イヌを用いた強制経口投与による1年間慢性毒性試験において、100 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓(重量増加、ALP増加、び漫性肝細胞肥大)、副腎(網状帯/束状帯細胞肥大及び空胞化、皮質の限局性変性/壊死(炎症性細胞浸潤を伴う)(雄))影響がみられた(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、IRIS (1987)、HSDB (Accessed July 2021))。 (7)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、2,500 ppm((107 mg/kg/day(雄)、121 mg/kg/day(雌)、区分に該当しない範囲)で、神経症状(振戦、感覚過敏)、肝臓(小葉中心性肝細胞肥大・肝細胞空胞化)がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019)、EHC 94 (1990))。 (8)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/がん原性併合試験において、50 mg/kg/day(区分2の範囲)で肝臓影響(小葉中心性肝細胞肥大、肝細胞脂肪性空胞化(雄))がみられたとの報告がある(食安委 農薬・動物用医薬品評価書 (2019))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)96時間LC50 = 0.00002 mg/L(MOE初期評価, 2010)であることから、区分1とした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(ミシッドシュリンプ)の30日間NOAEC = 0.000011 mg/L(EPA Pesticides RED, 2009、OPP Pesticide Ecotoxicity Database)から、区分1とした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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