NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 544-92-3
名称 シアン化銅 (I)
物質ID m-nite-544-92-3_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水に不溶 (SIDS (2011)) という観察結果が得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素及びハロゲンを含まない無機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値 (OECD TG 423) として、300-2,000mg/kg (雌) との報告 (SIDS (2011)) に基づき、区分4とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
具体的な記載はないが、本物質の固体は皮膚に刺激性を持つ (HSDB (Access on September 2014)) との記載から区分2とした。HSDB (Access on September 2014) の情報を追加し区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
具体的な記載はないが、本物質の粉塵や固体は眼に刺激性を持つ (HSDB (Access on September 2014)) との記載から区分2とした。HSDB (Access on September 2014) の情報を追加し区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
日本産業衛生学会では皮膚感作性物質第2群に銅 (当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与する全ての物質が同定されているわけではない) を指定しているため、皮膚感作性に関する動物試験結果及び疫学事例の報告はないが、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (SIDS (2011))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
ラットを用いた経口経路 (強制) による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物毒性がみられる用量においても、生殖発生に影響は認められなかったとの報告がある (SIDS (2011)) が、スクリーニング毒性試験であること、催奇形性を含む発生毒性に関するデータが不十分であることから分類できないとした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 本物質に関するデータは少なく、作業者の事故例で深い昏睡がみられたとの報告 (ATSDR (2006)) があるのみである。実験動物のデータはない。
なお、銅化合物のダスト、ミストのヒト吸入ばく露では、気道刺激性、胃腸管の刺激、流涎、悪心、嘔吐、腹痛、出血性胃炎、下痢の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
以上より、本物質に関するデータ不足のため、「分類できない」とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系)、区分2 (肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでは本物質単独ばく露による報告はないが、本物質を含むシアン化合物への反復ばく露影響に関する知見として以下の報告がある。すなわち、本物質とシアン化ナトリウムを各々3%含むメッキ槽からシアンに長期ばく露された作業者の群では、頭痛、めまい、味覚及び嗅覚異常、嘔吐、努力呼吸、前胸部痛など中枢神経症状、呼吸器症状の発症頻度が対照群より高頻度に発現し、かつ、ヘモグロビン、シアノメトヘモグロビン及びリンパ球の増加も示された (CICAD 61 (2004))。別の報告では、本物質、シアン化ナトリウム及びシアン化カリウムの製造工場でシアンにばく露された作業者の群では、対照群と比べてヘモグロビン及びリンパ球の増加傾向がみられた (CICAD 61 (2004))。以上より、ヒトでは他のシアン化合物との混合ばく露による主にシアン中毒による影響として、中枢神経系、呼吸器、血液系への影響が示唆された。ただし、難溶性の本物質ばく露によるヒトでの正味の有害性影響を評価するに際しては、実験動物のデータとの整合性を十分考慮して妥当性を検討すべきと考えられた。
実験動物では、ラットに本物質を90日間強制経口投与した試験において、区分2該当量 (4.35-14.5 mg CN-/kg/day: 15.0-49.9 mg/kg/day (本物質換算相当量)) で、中枢神経系 (活動性低下、嗜眠、振戦、痙攣)、呼吸器 (努力呼吸)、血液系 (赤血球数、ヘモグロビン含量及びヘマトクリット値の減少、脾臓・肝臓の色素沈着、脾臓・骨髄の造血組織の過形成)、及び肝臓 (組織の壊死、血清AST・ALTの上昇) への影響がみられ (CICAD 61 (2004)、ATSDR (2006))、またラットに本物質を強制経口投与した反復投与・生殖発生毒性併合試験においても、区分2該当量 (64 mg/kg/day: 約19.9 mg/kg/day (90日換算)) で、血液系への影響として貧血所見とそれによる二次的影響 (脾腫、肝臓、脾臓の髄外造血亢進、骨髄の造血亢進) がみられている (SIDS (2011))。
以上、ヒトのシアン中毒の標的臓器と実験動物での本物質投与による標的臓器から、区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系)、区分 2(肝臓) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata) の72時間ErC50 = 0.0891 mg/L (SIDS, 2011) から区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中動態が不明であり、藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata) の72時間NOEC = 0.0181 mg/L (SIDS, 2011) であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中動態が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.21 mg/L(SIDS, 2011)であることから、区分1となる。
以上の結果から、区分1とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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