NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 554-13-2
名称 炭酸リチウム
物質ID m-nite-554-13-2_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 分子内に金属(Li)を含むが、水溶解度が1.3 g/100 ml(ICSC(J)(1999))というデータが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50値は525 mg/kg bw(PIM 309F(2000))に基づき、区分4とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットLD0値は 2000 mg/kg(GLP準拠)(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - ラットLC50値は > 2.17 mg/L/4h(GLP準拠)(IUCLID(2000))と報告されているが、このデータのみでは区分を特定ができないので「分類できない」とした。なお、粉塵として粒径の最大が7.95 μmとの記載(IUCLID(2000))により粉塵とみなした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギ3匹を用いたドレイズ試験において1匹に紅斑を生じたが5日以内に消失し、「軽微な刺激性(slightly irritating)」であったとの結果(IUCLID(2000))により区分外とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギ用いたドレイズ試験において、非洗浄眼では角膜混濁、虹彩炎、結膜炎、結膜の出血と白色域を生じたが、7日間で回復し中等度の刺激性(Moderately irritating)との結果、また、洗浄眼でも類似の影響が見られたが、刺激の程度は低く4日間で回復し、軽度の刺激性(Mildly irritating)」との結果(IUCLID(2000))に基づき区分2Bとした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - モルモットを用いたBuehler Test(OECD 406、GLP準拠)において、感作性なし(not sensitizing)の報告(IUCLID(2000))があるが、List2の情報であるため「分類できない」とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 本物質あるいは他のリチウム化合物の腹腔内あるいは経口投与による染色体異常試験/小核試験での陽性結果が散見されるが試験方法等に問題があること、一方、染色体異常試験における陰性結果もあり、染色体異常誘発性は明確には示されていないことから(IUCLID(2000), KemI-Riskline NR 2002:16)、全体的な証拠の重みづけに基づき区分外とした(KemI-Riskline NR 2002:16)。なお、リチウム治療患者に染色体異常は認められていない(HSDB(2007))。また、リチウム化合物のin vitro試験においては、Ames試験で陰性、染色体異常試験およびHGPRT試験ではそれぞれ陰性および陽性の結果が報告されている(IUCLID(2000), KemI-Riskline NR 2002:16)。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。

平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 区分1A、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分


危険
H360
H362
P308+P313
P201
P202
P260
P263
P264
P270
P280
P405
P501
本物質はリチウムを含む精神神経用剤であり、妊娠中に服用した女性から生まれた児にエプスタイン奇形(先天性の心血管系奇形)発生の報告が多数ある(PIM 309F(2000)、Birth Defects(3rd,(2000)、HSDB(2007))。さらに、その後の調査では児の心血管系奇形の発生は確認できず、リチウムを含む治療薬による新生児障害のリスクは思ったよりも低いとの報告(KemI-Riskline NR 2002:16)もあるが、リチウムが胎盤を通過することは知られており(KemI-Riskline NR 2002:16)、医薬品添付文書おける使用上の注意として、妊娠または妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌とされている(医療用医薬品集(2010))。以上の情報に基づき区分1Aとした。また、リチウムは血清中に近い割合で乳汁中に排泄される(PIM 309F(2000))ので、使用上の注意として授乳婦への投与について、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる(医療用医薬品集(2010))と記載されているので、「追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響」とした。なお、動物試験ではラットまたはマウスの妊娠期間中に経口投与により、同腹仔数減少、吸収胚増加、胎児死亡増加などが見られ(IUCLID(2000))、マウスでは器官形成期の経口投与により、口蓋裂、肋骨癒合、脳脱出などの奇形の発生が報告されている(IUCLID(2000))。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質を有効成分とする精神神経用剤の服用により、血液中のリチウム濃度に依存した中毒症状を起こし(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集(2010))、医薬品添付文書には、用法に関連する注意として血中リチウム濃度の測定を勧める記載(医療用医薬品集(2010))がある。さらにリチウム治療を受ける患者では血漿中のリチウム濃度が2.5 mMを超えると、意識障害、せん妄、運動失調、全身性筋収縮、錐体外路症候群など重度の神経毒性が数時間から数日の間に発現する可能性がある(KemI-Riskline NR 2002:16)と述べられている。一方、動物試験ではマウスに経口投与により、250~1000 mg/kgで死亡前の症状として嗜眠、呼吸緩徐、痙攣、筋力低下がみられ、神経系に病理学的変化が認められた(IUCLID(2000))と報告されている。以上の知見に基づき区分1(神経系)とした。一方、ヒトで当該物質の粉塵ばく露で上気道の刺激が報告されている(KemI-Riskline NR 2002:16)ことから、区分3(気道刺激性)とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質はリチウムを含む精神神経用剤であり、副作用として、振戦、傾眠、錯乱等が記載されており(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集(2010))、症状はリチウムの血中濃度に依存し、手の震えから筋力低下、昏睡に至るまで神経毒性が認められている(KemI-Riskline NR 2002:16)。また、情動障害の治療のためリチウム剤を投与されていた患者101人中59人の追跡調査において、副作用として振戦23例、自覚的記憶喪失23例、創造力低下11例が含まれている(IUCLID(2000))。以上のヒトの情報により区分1(神経系)とした。さらに、神経系以外の副作用に、多尿症、多渇症があり、腎性尿崩症を起こした例も報告されており(KemI-Riskline NR 2002:16、医療用医薬品集(2010))、慢性腎不全を起こすおそれもある(KemI-Riskline NR 2002:16)と記載されていることから区分1(腎臓)とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
魚類(マミチョグ)の96時間LC50 = 8.1 mg/L(AQUIRE, 2011)から区分2とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
急性毒性区分2であり、急速分解性に関するデータが得られていないことから区分2とした。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成22年度(2010年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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