項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 55406-53-6 |
名称 | 3-ヨード-2-プロピニル=ブチルカルバマート |
物質ID | m-nite-55406-53-6_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団(アセチレン類)を含んでいるが、データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、可燃性との情報(GESTIS(accessed Aug. 2020))がある。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団(アセチレン類)を含んでいるが、データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
17 | 鈍性化爆発物 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団(アセチレン類)を含んでいるが、データがなく分類できない。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5)より、区分4とした。 【根拠データ】 (1)ラット(雄)のLD50:1,100 mg/kg(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (2)ラット(雌)のLD50:1,795 mg/kg(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (3)ラット(雌)のLD50:1,100 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)) (4)ラットのLD50:1,500 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)) (5)ラットのLD50:300~2,000 mg/kgの間(OECD TG 423)(CLH Report (2017)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(OECD TG 402)(CLH Report (2017)) (2)ウサギのLD50:> 2,000 mg/kg(EPA Pesticide RED (1997)、AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 |
危険 |
H331 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P311 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)~(6)より、区分3とした。なお、(7)は、EU CLH提案文書 (2011)において粒径分布が測定されていない試験かつ、非吸入性粉じんを多く含むという記載から、分類には利用しなかった。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50(4時間):0.68 mg/L(粉塵)(AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (2)ラットのLC50(4時間):0.78 mg/L (ミスト) (AICIS(旧NICNAS IMAP)(2013)) (3)ラットのLC50(4時間):0.67 mg/L(粉塵)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (4)ラット(雄)のLC50(4時間):0.63 mg/L(ミスト)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (5)ラット(雌)のLC50(4時間):0.99 mg/L(ミスト)(EU CLH提案文書 (2011)、EPA Pesticide RED(1997)) (6)ラットのLC50(4時間):0.67 mg/L (微細および非微細粉塵)、0.88 mg/L(非微細粉塵)(EU CLH提案文書 (2011)) 【参考データ等】 (7)ラットのLC50(4時間):> 6.89 mg/L (粉塵) (EU CLH提案文書 (2011)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020)) |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)、(2)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、72時間観察)において、24時間後に軽度又は中程度の紅斑と軽度の浮腫がみられ、うち1例は72時間後まで軽度の紅斑が持続した(紅斑・痂皮スコア:0/0/1.3/0.3/0/0、浮腫スコア:0.3/0/0/0/0/0.6)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(GLP、半閉塞、4時間適用、9日観察)において、皮膚一次刺激指数(PDII)は2.63、24/48/72h後の紅斑スコアの平均は1.44、浮腫スコアの平均は1.06であり、影響は4日以内に完全に回復したとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 【参考データ等】 (3)本物質0.1%及び0.5%混合物(ワセリン)を用いた臨床試験において、軽度の皮膚刺激性を示したが、皮膚感作性はみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (4)本物質0.0125%を含有する化粧品を24時間閉塞適用した皮膚一次刺激試験において、軽度の刺激性変化(紅斑のみ)がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分1とした。 【根拠データ】 (1)ウサギ(n=9)を用いた眼刺激性試験(GLP、21日観察)において、非洗眼群6例で角膜の損傷(角膜上皮の脱落)がみられ、角膜混濁、結膜刺激は21日以内に完全回復しなかった(角膜混濁スコア:2.7/2.7/2.7/2/2.7/2.7、虹彩炎スコア:1.3/1/1.3/1/1/1、結膜発赤スコア:2/2/2/2/2.3/2、結膜浮腫スコア:3/3/3/3/3/3)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験(GLP、14日観察)において、全例で角膜混濁及び中程度から重度の結膜刺激がみられ、14日間持続した(24/48/72h後の結膜浮腫スコアの平均は4で、これにより角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤スコアの一部が決定できなかった)との報告がある(REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (3)ウサギを用いた眼刺激性試験において24/48/72h後の結膜浮腫スコアの平均:1.67、虹彩炎スコアの平均:1.17、結膜発赤スコアの平均:2.17、結膜浮腫スコアの平均:4であり、7日間で回復しなかったとの報告がある(CLH Report (2011))。 (4)本物質市販品(テクニカルグレード)はウサギの眼に重度の刺激性を示し、非洗眼群では角膜混濁及び角膜の血管新生が21日後までみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)~(5)より、区分1Aとした。 【根拠データ】 (1)金属加工業の労働者23名に対するパッチテスト(本物質0.5~2.5%を含有する様々な金属加工液)において、5名で陽性反応がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (2)26,335名に対するパッチテスト(0.2%溶液(ワセリン))において、感作率が0.8%であったとの報告がある(DFG MAK (2016))。 (3)(1)(2)の他に、複数の疫学調査で比較的高い頻度の陽性反応を示す報告がある(CLH Report (2011)、HSDB (Accessed Aug. 2020)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、DFG MAK (2016))。 (4)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、GLP、皮内投与:1%溶液)において、惹起48、72時間後の陽性率は80%(8/10例)、90%(9/10例)であったとの報告がある(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (5)マウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429)において、EC3値は0.87%と算出されたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(4)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)マウスを用いた2つの小核試験(末梢血赤血球における染色体異常:腹腔内投与及び強制経口投与)で、陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (2)細菌復帰突然変異試験(OECD TG471)で陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (3)ほ乳類のin vitro遺伝子突然変異試験(OECD TG476)で陰性の報告がある(CLH Report (2011))。 (4)ほ乳類のin vitro染色体異常試験(OECD TG473)で陰性(+S9)又は不確定な結果(-S9)、ラット初代肝細胞を用いたUDS試験で陰性の報告がある(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)国内外の機関による既存分類では、EPAではNL(Not Likely to be Carcinogenic to Humans)に分類された(EPA Annual Cancer Report 2018 (Accessed on July 2020):1996年分類)。 (2)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験では、80 mg/kg/dayまでの用量で発がん性の証拠は認められなかった(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 (3)マウスを用いた混餌投与による78週間発がん性試験(混餌投与)では、最高用量の150 mg/kg/dayで雄に肝細胞腺腫の発生頻度増加(11/50)がみられた(CLH Report (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 【参考データ等】 (4)EPAはマウスの肝臓腫瘍に対して、腫瘍の再評価を行った結果、雄マウスの肝臓の肝細胞腺腫とがんを組合せ発生頻度に増加はみられないこと、雌マウス及び雌雄ラットには発がん性がみられなかったこと、本物質は変異原性物質ではないことから、本物質はヒトに対して発がん性を有するとは考えられないとして、(1)の分類評価とした(EPA Pesticide RED (1997)、RAC Opinion (2012))。 (5)マウス肝臓腫瘍について、EUは試験に用いたマウスの系統(CD-1)が自然発生腫瘍の好発系統であること(対照群雄:4/50、ヒストリカルコントロール:1~8/50例 (2~18%))、肝臓にみられた腫瘍が良性腫瘍のみであるなどから、ヒト発がんへの外挿について生物学的に妥当性があるとは考えられないとの見解を示し、区分を付さないと結論した(ECHA RAC Opinion (2012)、CLH Report (2011)、AISIS (旧NICNAS IMAP)(2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)では重篤な母体毒性がみられない用量で児動物に生存率低下などがみられたが、RACは母体毒性の影響であることや、F2児動物で同様の影響がみられなかったことを理由にして、生殖毒性について分類不要と判断した。また、(2)では、児動物に軽微な発生毒性影響がみられた一方、(3)では発生毒性影響はみられなかった。以上を総合して、重篤な母体毒性による児動物の影響かどうかは明確には判断できないため、分類できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投与による二世代生殖毒性試験(OECD TG416、交配前10週間(F0)、交配前13週間(F1))において、30 mg/kg/dayで親動物に一般毒性(流涎、円背姿勢、前肢でこぐ動作(F0及びF1雌雄))、難産1例、F1児動物に生存率及び累積生存率低下、F2児動物に生後21日の体重低値(雌)がみられたとの報告がある。なお、RACは100 mg/kg/dayで児動物にみられた生存率低下などについては母体毒性の影響であること、30 mg/kg/dayでF1児動物にみられた生存率及び累積生存率低下についてはF2児動物で同様の影響がみられなかったことから、生殖毒性について分類不要と判断している(ECHA RAC Opinion (2012)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013)、DFG MAK (2016))。 (2)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6~15日)において、75㎎/㎏ bw/d で流涎・攻撃性、250 mg/kg/dayで親動物に体重増加抑制・摂餌量減少、肝臓絶対・相対重量増加がみられたが、児動物には胎仔体重の低値(雌)、肋骨の僅かな欠陥、骨化不全又は未骨化、第5胸椎の骨化不全(骨化遅延は母動物毒性の二次的影響)のみがみられたとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2012)、DFG MAK (2016))。 (3)ウサギを用いた強制経口投与による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6~15日)において、発生毒性がみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 【参考データ等】 (4)ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験(交配前14週間(F0)、交配前13週間(F1))において、生殖毒性がみられなかったとの報告がある。なお、本試験は本物質の餌中での安定性が十分に確認されておらず、生殖毒性の評価には不十分であると判断されている(ECHA RAC Opinion (2012)、AICIS (旧NICNAS IMAP)(2013)、EPA Pesticide RED (1997)、DFG MAK (2016))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)より、呼吸器症状がみられており、症状が発現した用量が不明であるが、LC50値から区分1の範囲の影響と考え区分1(呼吸器)とした。(2)~(5)の経口及び経皮経路のデータからは標的臓器を特定できない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回吸入ばく露試験において、自発運動減少、眼閉、過剰流涙を生じ、生存例では努力呼吸、喘ぎ、分泌物増加がばく露後1週間以内にみられ、死亡動物では剖検時に肺水腫、肺気腫及び肺の発赤が認められた。LC50は粉じんばく露では約0.67 mg/L、液状エアロゾル暴露では約0.78 mg/Lとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 【参考データ等】 (2)ラットを用いた単回経口投与試験において、1000-1500 mg/kg(区分2の範囲)で軟便、尿による汚染、被毛粗剛、軽度の抑うつ、眼と鼻の周囲の赤色汚染物がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (3)ラットを用いた単回経口投与試験において、300 mg/kg(区分1の範囲)で自発運動低下、立毛、蒼白、及び努力呼吸がみられた。LD50値が300 mg/kgと500 mg/kgの間にあると報告がある(EU CLH提案文書 (2011))。 (4)ラットを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で処置部位皮膚に発赤、落屑及び痂皮の形成がみられたとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011))。 (5)ウサギを用いた単回経皮投与試験において、2,000 mg/kg(区分2の範囲)で適用局所に紅斑及び浮腫を生じたがみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
【分類根拠】 吸入経路では、(1)より、喉頭に病理組織変化が認められたことから、区分1(呼吸器)とした。なお、(2)~(5)より、経口経路及び経皮経路では区分に該当しない。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた13週間吸入ばく露試験(6時間/日、5日/週)において、6.7 mg/m3(90日換算:0.0048 mg/L、区分1の範囲)で喉頭の組織変化(腹側軟骨の壊死、腹側領域上皮の過形成、背腹側領域の過形成及び扁平上皮化生)がみられた。なお、同群では血漿・赤血球・脳ChE活性の低下が雄及び/又は雌にみられたが、用量相関性に乏しく、影響としての妥当性が不明確な所見とされたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013) & EU CLH提案文書 (2011)、REACH登録情報 (Accessed Aug. 2020))。 (2)ラットを用いた強制経口による13週間経口投与試験において、雄の50 mg/kg/day以上(区分2の範囲)及び雌の125 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で、流涎、嗜眠、喘鳴、鼻出血がみられたとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (3)ラットを用いた混餌投与による2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、最高用量の80 mg/kg/day(区分2の範囲)で胃の組織変化(粘膜下浮腫・炎症、アカントーシス、過角化、潰瘍、基底膜増殖等)がみられた以外に特定の臓器毒性はみられなかったとの報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (4)マウスを用いた混餌投与による78週間発がん性試験において、150 mg/kg/day(区分該当しない範囲)で甲状腺への影響(濾胞上皮細胞起源と思われる小空胞細胞巣を伴う甲状腺肥大、濾胞の大型化)がみられたが、本所見の毒性学的意義は不明である。この他、有害影響はみられなかった報告がある(AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 (5)ラットを用いた91日間経皮投与試験(6時間/日、5日/週)において、最高用量の500 mg/kg/day(357 mg/kg/day、区分該当しない範囲)で皮膚刺激影響(表皮肥厚、過角化)が認められたが、全身毒性影響はみられなかったとの報告がある(EU CLH提案文書 (2011)、AICIS (旧NICNAS IMAP) (2013))。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
藻類(デスモデスムス属)72時間EC50 = 0.053 mg/L(REACH登録情報, 2021)であることから、区分1とした。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性がなく(難分解性、二酸化炭素生成量による分解度:0%(EU RAC(Background Document), 2012))、藻類(デスモデスムス属)の72時間NOEC = 0.0046 mg/L(REACH登録情報, 2021)から、区分1とした。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和2年度(2020年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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