NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 556-52-5
名称 2, 3-エポキシ-1-プロパノール
物質ID m-nite-556-52-5_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P210
P280
P403
P501
引火点72℃(密閉式)(ICSC(J)(2005))に基づき、区分4(GHS基準:引火点60℃超、93℃以下)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 本物質は歪みのある環(エポキシド類)を含み、金属塩類などと接触すると非常に激しい重合反応を起こす(ホンメル(1996))ことが知られているが、データがないため分類できない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が415℃(ICSC(J)(2005), Ullmanns(E)(6th, 2003), ホンメル(1996))で70℃を超えている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。なお、高品質鋼、アルミニウム、ガラスおよびホウロウは容器として恒久性がある。(ホンメル(1996)) 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値850 mg/kg, 760 mg/kg(雄), 640 mg/kg(雌)(いずれもPATTY(5th, 2001))、550 mg/kg(DFGOT vol.20(2003))に基づき、区分4とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P362+P364
P280
P312
P321
P501
ウサギのLD50値1980 mg/kg(ACGIH(2001))に基づき、区分4とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットのLC50値580ppm/8h = 820ppm/4h(ACGIH(2001))および500ppm/8h = 707ppm/4h(DFGOT vol.20(2003))に基づき、区分3とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(1188ppm)の90%より低いので気体の基準値(ppmV)で分類した。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた試験で、中等度の刺激性(moderately irritating)(ACGIH(2001), PATTY(5th, 2001))および刺激性スコア4.5(最大値8.0)(PATTY(5th, 2001))の結果に基づき、区分2とした。なお、EU分類ではXi;R36/37/38である(EU-Annex I(access on May2009))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギの眼に適用した試験で、重度であるが可逆的な角膜障害を起こしたとの記述(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001))に基づき、区分2Aとした。なお、EU分類ではXi;R36/37/38である(EU-Annex I(access on May2009))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験、ラットおよびマウスに腹腔内投与による染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性結果(DFGOT vol.20(2003))に基づき区分2とした。なお、in vitroでは、Ames試験、マウスリンフォーマ試験、CHO細胞およびヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(DFGOT vol.20(2003))でいずれも陽性結果(DFGOT vol.20(2003)、ACGIH(2001))が報告されている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCでグループ2A(IARC77(2000))、日本産業衛生学会で第2群A(産衛学会勧告(2008))、EUでカテゴリー2(EU-Annex 1(access on May 2009))と分類されていることに基づき、区分1Bとした。動物試験においては、ラットを用いた103週間経口投与試験で、雌雄ともに脳の神経膠腫と前胃腫瘍の発生増加がみられ、雄では精巣鞘膜/腹膜の中皮腫および腸、皮膚、甲状腺、ジンバル腺の腫瘍が増加し、雌では陰核腺、乳腺、口腔粘膜の腫瘍および白血病が増加した。マウスを用いた103週間経口投与試験では、雌雄ともにハ-ダー腺の腫瘍が増加し、雄では前胃、肺、肝臓、皮膚に、雌では乳腺と皮下組織に腫瘍の増加がみられた(IARC vol.77(2000))。104週間吸入試験ではラットの雄では、鼻腔腫瘍と腹膜腫瘍の顕著な発生増加、雌では、鼻腔腫瘍と子宮腫瘍の発生増加が認められ、この結果は2, 3-エポキシ-1-プロパノールのF344/DuCrj(Fischer)ラットの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。マウスでは、雄に鼻腔腫瘍、皮下組織腫瘍および末梢神経腫瘍の発生増加、雌に鼻腔腫瘍、子宮腫瘍および乳腺腫瘍の発生増加が認められ、この結果は2, 3-エポキシ-1-プロパノールのCrj: BDF1マウスの雌雄に対するがん原性を示す明らかな証拠と考えられた。(厚生労働省がん原性試験(2002))。厚生労働省では健康障害を防止するための指針を出している(厚生労働省指針(2006))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスを用いた試験で、投与経路の記載はないが、親への最大耐量の投与で、吸収胚, 胎児の死亡や異常の増加が報告されている(IARC77(2000))ことから区分2とした。ラットの妊娠13日目に羊膜腔内投与により、胎児死亡、前肢および後肢の奇形の発生が有意に増加した(DFGOT vol.20(2003))が、通常の投与経路に比べばく露濃度が極めて高くなっていると考えられ、分類の根拠とはしなかった。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、呼吸器系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
マウス及びラットの急性経口毒性試験(LD50:ラット850 mg/kg、マウス450 mg/kg)において、中枢神経系抑制に続き筋肉の振戦と顔面部筋肉の攣縮を伴う音に対する過敏反応を呈し、最終的に痙攣を示す動物も観察されている(PATTY(5th, 2001))。また、ウサギの急性経皮毒性試験(LD50:1980 mg/kg)およびラットとマウスを用いた急性吸入毒性試験(蒸気:LC50値4時間換算1.36~1.78 mg/L)の所見にも中枢神経系への影響が明記されている(DFGOT vol.20(2003)、PATTY(5th, 2001))。さらに吸入毒性試験の場合には肺への刺激、肺炎、肺気腫の所見(PATTY(5th, 2001)、ACGIH(2001))が記載されている。以上の有害影響はLD50値(LC50値)付近またはそれ以下で発現したと推定され、吸入LC50値の用量が区分1に該当しているので、区分1(中枢神経系、呼吸器系)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(中枢神経系、脾臓、精巣)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットおよびマウスの13週間経口投与試験(NTPTR374(1990))、マウスの16日間投与試験(NTPTR374(1990))の各所見において、脳の脱髄、小脳の壊死(ラット)の記載があり、マウスの16日間投与では300mg/kg/day(90日補正:53.3mg/kgday)の用量で発現している。また、ラットおよびマウスの13週間経口投与試験(NTPTR374(1990))、マウスの40週間経口投与試験(NTPGMM-13(2007))、ラットの16日間投与試験(NTPTR374(1990))に各所見おいて、精巣上体支質の変性、精巣萎縮、精巣上体の肉芽性炎、精子数や運動性の低下など精巣への影響が記載され、ラットの13週間投与で100mg/kg/day以上、マウスの13週間投与で19mg/kg/day以上で認められている。さらにラットの2年間経口投与試験(37.5~75mg/kg/day)では雌雄ともに脾臓の線維化が見られたと報告されている(NTP TR374(1990))。以上の結果より、有害影響はいずれもガイダンス値範囲区分2に相当する用量以上で発生していることから、区分2(中枢神経系、精巣、脾臓)とした。資料の優先度の変更及び新たなデータの追加により、肝臓は削除し、精巣を追加した。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)での96時間EC50=53310μg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分3とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 急速分解性があり(BODによる分解度:85%(既存点検, 2002))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=-0.95(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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