NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 569-64-2
名称 N‐[4‐[[4‐(ジメチルアミノ)フェニル]フェニルメチレン]‐2,5‐シクロヘキサジエン‐1‐イリデン]‐N‐メチルメタンアミニウム・クロリド (別名:マラカイトグリーン)
物質ID m-nite-569-64-2_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関連する原子団 (エチレン基) を含むが、データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であり、この塩素が炭素及び水素以外の元素 (N) とイオン結合しているが、これは酸化性に寄与しない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
マウスのLD50値として、80 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分3とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ヒトの眼に対して損傷性を示すとの報告 (NTP TOX71 (2004)) がある。ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) で眼の傷害が生じて8日後まで回復しなかったとの記載 (ECHA登録情報 (Access on November 2017)) や、別のウサギでの試験で結膜の浮腫、充血、化膿から角膜の全混濁、一様な壊死、角膜実質の脱落に及ぶ重篤な損傷の記載 (HSDB (Access on August 2017)) から、区分1とした。 なお、EU CLP分類において本物質はEye Dam. 1, H318 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分1B


危険
H340 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質は、in vivoではラットの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性、陰性の結果、マウスの末梢血を用いた小核試験で陰性、マウスの骨髄細胞、精母細胞を用いた染色体異常試験で陽性、マウスの脾臓リンパ球、末梢血を用いた遺伝子突然変異試験 (hprt遺伝子座)、トランスジェニックマウスの遺伝子突然変異試験 (肝臓cⅡ遺伝子) で陰性、ラット、マウスの肝臓を用いたDNA付加体形成試験 (32Pポストラベル法) で陽性である (NICNAS (Access on September 2017)、食品安全委員会動物用医薬品評価書(2005)、EFSA (2016)、NTP TR527 (2005)、NTP DB (Access on September 2017))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験でほとんど陰性の結果、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験で陰性である (NICNAS (Access on September 2017)、食品安全委員会動物用医薬品評価書 (2005)、EFSA (2016)、NTP TR527 (2005)、NTP DB (Access on September 2017))。以上より、本物質に関するin vivo生殖細胞変異原性試験、in vivo体細胞変異原性試験、in vivo体細胞遺伝毒性試験の陽性結果を踏まえ、ガイダンスに従い区分1Bとした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
雌ラット及び雌マウスに2年間混餌投与した発がん性試験において、雌ラットでは甲状腺濾胞細胞の腺腫の増加、及び肝細胞の腺腫と乳腺がんのわずかな増加に基づき、発がん性の不確かな証拠があると結論されたが、雌マウスに投与した試験では投与に関連した腫瘍発生はなく、発がん性の証拠なしと結論された (NTP TR527 (2005))。このNTPの試験結果に対し、食品安全委員会は、本物質は雌ラット肝臓及び乳腺における発がん性が弱いながらも示唆されると結論した (食品安全委員会動物用医薬品評価書 (2005))。一方、 EFSAのCONTAMパネルは、本物質はマウスでは発がん性を示さず、ラットでは甲状腺濾胞腫瘍と乳腺がんのわずかな増加がみられ、本物質は発がん性を示す可能性があると結論した (EFSA (2016))。
  以上、NTPの試験結果に基づく食品安全委員会及びEFSAの評価結果を踏まえると、本物質の発がん性分類は区分2が妥当と判断した。なお、新しい情報源を利用したため、分類結果が変わった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、妊娠ラットの臨界期 (critical period) に最大 500 mg/kg/dayを経口投与したが、骨格奇形の発生頻度に影響はみられなかったとの報告がある (HSDB (Access on August 2017))。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露の情報はない。
  なお、ラットにマラカイトグリーンシュウ酸塩 (CAS番号 2437-29-8) を300、450、600、750 mg/kgを単回経口投与した試験において、LD50値は520 mg/kgであり、症状としては鎮静、衰弱、昏睡が認められたとの報告がある (NTP TOX71 (2004)、NICNAS IMAP (Access on March 2017))。(NICNAS IMAPでは本物質のデータとされているが、原著を確認したところ、シュウ酸塩を用いた試験結果であった。) シュウ酸 (CAS番号 144-62-7) も経口摂取による急性毒性症状として脱力感、昏睡などが報告されている (平成28年GHS分類) ことから、マラカイトグリーンシュウ酸塩の摂取による症状はシュウ酸による影響の可能性もあると考えられるため、分類の参考とはしなかった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(甲状腺)、区分2(血液系、肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ヒトに関する情報はない。
  ラット、マウスを用いた28日間混餌投与試験において、ラットでは区分2のガイダンス値の範囲内である300 ppm (90日換算: 12.4 mg/kg/day) 以上で肝臓の重量増加、平均赤血球ヘモグロビン量の減少、600 ppm (90日換算: 21.8 mg/kg/day (雄)、 23.3 mg/kg/day (雌)) 以上で平均赤血球容積の減少、γ-GT活性増加、1,200 ppm (90日換算: 54.4 mg/kg/day (雄)、59.1 mg/kg/day (雌)) で赤血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・平均赤血球ヘモグロビン濃度の減少、肝細胞空胞化がみられた。マウスでは、区分1のガイダンス値の範囲内である100 ppm (6.2 mg/kg/day) 以上で赤血球数減少、区分2のガイダンス値の範囲内である300 ppm (90日換算: 15.6 mg/kg/day (雄)、20.2 mg/kg/day (雌)) 以上でヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値の減少、網状赤血球数の増加がみられた (NTP TOX71 (2004))。このほか、ラットを用いた2年間混餌投与試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である100 ppm (7 mg/kg/day) 以上で甲状腺濾胞上皮からなる嚢胞形成、区分2のガイダンス値の範囲内である300 ppm (21 mg/kg/day) 以上で甲状腺濾胞上皮の過形成がみられ、600 ppm (43 mg/kg/day) で肝臓の重量増加、肝臓の好酸性細胞巣の増加がみられている (NTP TR527 (2005)、食品安全委員会動物用医薬品評価書 (2005))。
  したがって、区分1 (甲状腺)、区分2 (血液系、肝臓) とした。
  なお、新たな情報を用いたため旧分類と分類結果が異なった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.13 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BioWin)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 0.049 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1となる。
  慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BioWin)、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.13 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1となる。
  以上の結果から、区分1とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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