項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 57-14-7 |
名称 | 1,1-ジメチルヒドラジン |
物質ID | m-nite-57-14-7_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない |
- |
- | - | ヒドラジン類であり、爆発性に関わる原子団(隣接した窒素原子)を含むが、UNRTDG(UN1163)はクラス6.1、副次危険3、8 PGIであり上位の火薬類には該当しないと判断した。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点-15℃ [密閉式](ICSC(2008))は < 23℃ であり、かつ、初留点63℃(ICSC(2008))は >35℃ であることから、区分2に該当する。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団(ヒドラジン類)を含んでいるが、UNRTDGにおいて、UN1163 Class 6.1 副次危険 3及び8 に分類されており、優先評価項目の自己反応性化学品には該当しないため、タイプGとした。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が249℃(ICSC(2008))であり、常温では発火しないと考えられる。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 低沸点の液体に適した試験方法が確立していない。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットLD50値は122 mg/kg bw(NITE初期リスク評価書(2008)、PATTY(5th, 2001))、250 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))および360 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))であるとの報告があり、区分3が2件、区分4が1件であることから該当する区分の多い区分3とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 | P302+P352 P362+P364 P280 P312 P321 P501 |
ウサギLD50値は1060 mg/kg bw(NITE初期リスク評価書(2008)、ACGIH-TLV(1993)、PATTY(5th, 2001))であるとの報告に基づき区分4とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットLC50値は0.620 mg/L/4h(252 ppm/4h)(環境省リスク評価第8巻(2010)、NITE初期リスク評価書(2008)、ASTDR(1997)、PATTY(5th, 2001))であるとの報告に基づき区分2とした。なお、0.620 mg/Lは飽和蒸気圧濃度(507.8mg/L)の90%より低いので「ミストがほとんど混在しない蒸気」として気体の基準値を適用した。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ヒトへの影響として、眼、皮膚及び気道を刺激する。眼に入ったり、皮膚に付くと発赤、痛みを生じるとの報告(環境省リスク評価第8巻(2010))、ウサギとモルモットを用いた皮膚刺激性試験で、少量適用するとわずかに紅斑がみられる(PATTY(5th, 2001))。ことから区分2とした。なお、EUリスク警句でR34とされている(EC-JRC(ESIS)(Access on Dec. 2010))。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
ヒトへの影響として、眼、皮膚及び気道を刺激する。眼に入ったり、皮膚に付くと発赤、痛みを生じるとの報告(環境省リスク評価第8巻(2010))、ウサギを用いた眼刺激性試験で、軽度の結膜炎やわずかな紅斑がみられ、それらは5日以内に消失した(PATTY(5th, 2001))。げっ歯類を用いた眼刺激性試験の結果の記述に「永続性の眼の損傷はみられなかったとの記載(PATTY(5th, 2001))に基づき区分2とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)より、ガイダンスに従い、区分1とした。なお、新たな評価に基づき、分類結果を変更した。産衛学会(2021)にて感作性知見が公表されたため、旧分類から皮膚感作性項目のみ見直した(2021年)。 【根拠データ】 (1)日本産業衛生学会において、ヒドラジン(CAS番号 302-01-2)ないしその化合物は皮膚感作性物質第1群に分類されている(産衛学会許容濃度等の勧告 (2021))。 【参考データ等】 (2)本物質自体のデータはない。しかし、類似物質のヒドラジンはヒトのデータに基づいて皮膚感作性物質として分類されている。本物質はヒドラジン及びその塩に対して交差感作性を示す可能性はある(AICIS IMAP (2014))。 (3)DFG MAK ではSh(皮膚感作性の恐れのある物質)としている(厚労省リスク評価書 (2010)、List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Nov. 2021))。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
マウス肝臓を用いた小核試験ならびにマウス脾臓を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 71(1999))報告に基づき、区分2とした。なお、マウス精子を用いた小核試験(同時に実施された骨髄小核試験は陰性で整合性がとれていない)、マウス肺を用いたDNA鎖損傷、切断試験及びラット肝臓を用いたDNA結合試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陽性、in vitro試験のエームステスト(NITE初期リスク評価書(2008))、チャイニーズハムスターCHL細胞及びCHO細胞を用いた染色体異常試験(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, No.217(2008)、IARC 71(1999))、マウスリンパ腫L5178Y細胞及びチャイニーズハムスターV79細胞を用いた遺伝子突然変異試験(NITE初期リスク評価書(2008)、IARC 71(1999))で陽性と報告されている。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
発がん性分類はIARCでグループ2B(IARC 71(1999))、NTPでRAHC(NTP RoC(11th, 2004))、ACGIHでA3(ACGIH-TLV(2010))、EPAでB2(EPA RED(2009))、EUでカテゴリー 2、及び日本産業衛生学会で2B(産衛学会勧告(2010))に分類されていることに基づき区分2とした。なお、マウス、ラット、ハムスターに飲水投与した結果、マウスにおいて顕著な生存期間の短縮とともに、血管、肺、腎臓、肝臓の腫瘍及び肺がん、ラットでは肝臓腫瘍、ハムスターでは血管及び盲腸腫瘍の増加が報告されている(NITE初期リスク評価書(2008))。また、マウス、ラットに6か月間吸入暴露した試験では、本物質に0.12%混入している発がん物質のジメチルニトロソアミンが腫瘍発生に関連している可能性があるが、マウスで血管肉腫及びクッパー細胞肉腫の増加、ラットで肺腺腫、扁平上皮がん、膵島細胞がん、線維性組織球腫、色素嫌性腺腫の増加がそれぞれ報告されている(NITE初期リスク評価書(2008))。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 妊娠ラットの器官形成期に腹腔内投与した発生毒性試験において、最高用量(60 mg/kg/日)で母動物の体重増加抑制、胎児体重減少と吸収胚増加が見られたが催奇形性はなかった(NITE初期リスク評価書(2008))と報告されている。また、雄マウスに腹腔内投与後の精子の形態に及ぼす影響について、異常が増加したとの報告の一方、異常が見られなかったとする報告もあり、相反する結果となっている(NITE初期リスク評価書(2008))。生殖・発生毒性に関して、その他には直接本物質ばく露によるデータはなく、母動物が体重増加抑制を示した高用量でのみ吸収胚増加が認められたが、腹腔内投与のデータであることから「分類できない」とした。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトへの影響として、濃度不明であるが吸入暴露により呼吸器に対する作用、吐き気、嘔吐、神経学的影響、肺水腫が認められ(PATTY(5th, 2001))、大量の経皮暴露により昏睡し中枢神経系への影響がある(ASTDR(1997))と報告されている。これに基づき区分1(神経系、呼吸器)とした。なお、動物に対する急性暴露による主な症状は嘔吐、痙攣などの神経系への影響であり、肉眼的病理検査では過血糖症や痙攣の二次的な影響と考えられる肺の浮腫や出血が認められた(NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, No.217(2008))と報告されている。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、血液系、神経系、呼吸器系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
本物質のばく露を受けた労働者の調査例で、血清ALT活性の上昇、肝臓の脂肪変性等の肝臓への影響が報告され(環境省リスク評価第8巻(平成22年))、また、ロケット液体燃料充填作業中にばく露を受けた従業員に肝臓への影響が認められ、46名に血清ALT上昇、この中の26名の肝臓生検により6名に脂肪変性が認められたと(NITE初期リスク評価書(2008))報告されているなど、ヒトでの複数の事例報告に基づき区分1(肝臓)とした。一方、ラット、マウスおよびイヌに反復吸入ばく露した験において、マウスまたはラットでは75 ppm(蒸気)を6~7週間ばく露(90日換算値:約0.09 mg/L)により、振戦、嗜眠、呼吸困難の症状、イヌに25 ppm(蒸気)を13週間のばく露(90日換算値:約0.06 mg/L)で肺胞出血、肺気腫の症状がそれぞれみられ(環境省リスク評価第8巻(平成22年))、用量はガイダンス値区分1に相当することから、区分1(神経系、呼吸器系)とした。さらに、イヌに5 ppmを26週間のばく露で軽度の貧血、脾臓のヘモジデリン沈着の所見(環境省リスク評価第8巻(平成22年))があり、ヒトで長期または反復ばく露すると、血液に影響を与え、貧血を起こすことがあるとの記載(環境省リスク評価第8巻(平成22年))により、区分1(血液)とした。以上より、分類結果は区分1(肝臓、神経系、呼吸器系、血液)となる。 |
平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分2 |
- |
H401 | P273 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=1.3mg/L(環境省生態影響試験、2009)であることから、区分2とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分2 |
- |
H411 | P273 P391 P501 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 2000))ことから、区分2とした。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成22年度(2010年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
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