NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 58-55-9
名称 テオフィリン
物質ID m-nite-58-55-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - エアゾール製品でない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。なお、本物質については、難燃性(SIDS(2003))という情報がある一方、可燃性固体(Combustible solid.)(GESTIS(Access on May. 2012))との情報もある。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 発火点は>600℃であり(SIDS(2003))、常温で発火しないと考えられる。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素および水素以外の元素と化学結合していない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットLD50値は272 mg/kgおよび225 mg/kg(いずれもSIDS(2003))に基づき区分3とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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-
- - ラットに2000 mg/kgを投与し死亡例はなく、LD50値は >2000 mg/kg(SIDS(2003))に基づき区分外とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
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- - ラットに6.7 mg/L(粉塵)を4時間ばく露した試験(OECD TG403)で、死亡例はなく、LC50値は>6.7 mg/L(SIDS(2003))に基づき、区分外とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
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-
- - ウサギ3匹の皮膚に本物質の50%希釈液0.5 gを半閉塞適用(4時間)した試験(OECD TG404)で、適用4時間後2匹に軽微な紅斑が観察されたのみで、24、48、および72時間の観察時点では刺激症状は見られず、平均刺激性スコア(PDII)は0で刺激性なし(not irritating)との結果(SIDS(2003))により区分外とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
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- - ウサギ3匹の結膜嚢に未希釈の本物質0.51 mgを適用した試験(OECD TG405)で、軽微な角膜混濁が1~2匹に8日目まで、軽度~明瞭な結膜の発赤と浮腫が3匹全例に72時間まで観察された。3匹中2匹で回復が見られ、1匹は8日目に結膜発赤と軽度の角膜混濁、角膜炎を示したが、虹彩には各動物共各観察時点で影響がなかった。平均刺激指数が、角膜混濁は0.6、虹彩炎は0.0、結膜発赤は1.8、結膜浮腫は0.6であり(SIDS(2003))、角膜混濁と虹彩炎で1未満、結膜の発赤と浮腫で2未満であったことから、区分外とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
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- - ラットに75週間混餌投与による精原細胞を用いた染色体異常試験(生殖細胞 in vivo変異原性試験)で陰性(SIDS(2003))、マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験および経口投与による末梢血を用いた小核試験(体細胞 in vivo変異原性試験)で陰性(NTP DB(Access on May 2012)、SIDS(2003))の結果により区分外とした。なお、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験(体細胞 in vivo遺伝毒性試験)では、腹腔内投与により陰性、経口投与により陽性の結果(SIDS(2003))が報告され、in vitro試験としてはエームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(NTP DB(Access on May 2012))が報告されている。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 分類できない
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- - IARCの発がん性評価でグループ3である(IARC 51(1991))ことから「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスの2年間の強制経口投与による発がん性試験において、両動物種雌雄共発がん性の証拠は得られなかった(NTP TR 473(1998))と報告されている。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 区分2、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分


警告
H361
H362
P308+P313
P201
P202
P260
P263
P264
P270
P280
P405
P501
マウスを用い18週間の継続交配中に混餌投与した試験(RACB protocol)において、高用量(500 mg/kg/day)で同腹生存仔数の減少および出産回数の減少(NTP RACB 84074(1985))に加え、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験では中用量(218 mg/kg/day)以上で同腹生存胎仔数の減少(NTP TER 84110(1985))がみられ、さらに妊娠マウスの器官形成期に飲水投与した試験では、吸収胚、死亡胎仔、および異常生存仔の割合が増加し、奇形胎仔を含む同腹仔の割合および外表奇形の発生率が増加傾向を示した(NTP TER 84111(1985))。これらの結果に基づき、同じ用量で親動物に脱毛、体重増加抑制、摂餌量低下などの一般毒性も認められることから、区分2とした。さらに、喘息のため母親が本物質を投与された新生児12人中3人の乳児に、副作用として頻脈および一過性の神経過敏が認められた(SIDS(2003))との事例報告があり、本物質の医薬品添付文書にも、母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがあり、投与中は授乳を避けさせる(医療用医薬品集(2010)、List1相当)との記載があり、「追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響」とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系、心血管系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は気管支拡張剤として医薬品に使用され、過量投与による中毒症状として、頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等の精神神経症状、頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等の心血管症状が記載されている(医療用医薬品集(2010))。本物質で自殺を図った50歳女性の事例報告があり、入院時に昏睡状態となり、数回の全身性痙攣を発症し、検査の結果、頻呼吸、呼吸困難、末梢性チアノーゼに加え、心室の頻拍と細動が認められた(SIDS(2003))。また、別の事例では神経障害の既往歴のある2人の患者が本物質の過量投与により痙攣発作を起こしたことが報告されている(SIDS(2003))。以上より、区分1(神経系、心血管系)とした。.なお、動物試験ではラットに1000 mg/kg(区分2相当)を経口投与により、痙攣、呼吸促進、閉瞼、流涎の症状が観察されている(SIDS(2003))。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、心血管系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質は気管支拡張剤として医薬品に使用され、過量投与による中毒症状には、頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等の精神神経症状、頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等の心血管症状が記載されている(医療用医薬品集(2010))。1980~1990年に報告された本物質の毒性に関する包括的要約によれば、副作用の多くは、神経系症状と心血管系症状の2つのカテゴリーに入る。実際に、198人に痙攣発作がみられ、心血管系の合併症として不整脈の発生率が最も高く、525人の患者で洞性頻脈から心室頻脈または細動までの異常伝導がみられ、63人の死亡が報告されている(SIDS(2003))。また、中毒に至った成人9人の事例報告があり、50歳以上の患者では低血圧および心律動異常のような重度の毒性症状が共通に見られ、3人に痙攣が、全例に頻脈が、4人に低血圧が発生し、3人が死亡し、全て痙攣、低血圧を伴い最終的に心血管停止となった(SIDS(2003))。以上の報告に基づき、区分1(神経系、心血管系)とした。なお、ラットおよびマウスに経口投与による14週間反復投与試験の結果が報告されているが、各試験とも重大な毒性影響を示す所見は報告されていない(NTP TR 473(1998))。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データなし。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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-
H402 P273
P501
魚類(ゴールデンオルフェ)の96時間LC50=100 mg/Lである(SIDS, 2004)ことから、区分3とした。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(Readily biodegradable :90-100%(SIDS, 2004))、藻類(Scenedesmus subspicatus)の72時間NOEC =12.5 mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性分類が区分3(SIDS, 2004)であるが、急速分解性があり(Readily biodegradable :90-100%(SIDS, 2004))、生物蓄積性が低いと推定される(LogKow=-0.02(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成24年度(2012年度) ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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