NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 591-78-6
名称 メチル-ノルマル-ブチルケトン
物質ID m-nite-591-78-6_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点25℃ (closed cup) (HSDB (Access on August2015)) に基づいて区分3とした。なお、UNRTDG分類はUN.1224 (KETONES, LIQUID, N.O.S.)、クラス3、PGⅢである。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
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-
- - 発火点が423℃ (ICSC (1998)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
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- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、2,590 mg/kg との報告 (PATTY (6th, 2012)、IRIS Tox. Review (2009)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1992)) に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
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- - ウサギのLD50値として、5.99 mL/kg (4,944 mg/kg) との報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。ラットに対して、4,000 ppmを4時間吸入させた結果、死亡例がみられなかったとの報告 (PATTY (6th, 2012)) があるが、この値のみでは区分を特定できない。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度 (5,000 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLC50値 (4時間) として、32.8 mg/Lとの報告 (GESTIS (Access on August 2015)、RTECS (Access on August 2015) 元文献:Raw Material Data Handbook, Vol.1: Organic Solvents, 1974.) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (20.5 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。新たな情報を追加し、区分を見直した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質の原液を24時間適用した結果、軽度の刺激性がみられたとの報告がある (ATSDR (1992)、PATTY (6th,2012))。以上より区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度の刺激性がみられたとの報告がある (ATSDR (1992))。また、ボランティアに本物質1,000 ppmをばく露した結果、中等度の刺激性がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2011))。以上、中等度の刺激性との報告から区分2Aとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ヒトの発がん性に関する情報はない。
実験動物ではラット、マウスに2年間吸入ばく露した発がん性試験において、ラットの1,800 ppm で腎尿細管の過形成、及び尿細管の腺腫又はがんの頻度増加がみられた (ATSDR Addendum (2014)) との記述があるが、原著不詳 (著者と表題のみ判明) で詳細な内容を確認できない。この他、利用可能なデータはない。
国際機関による既存分類としては、EPAによる2009年の評価で、「I (Inadequate to assess human carcinogenic potential)」 に分類されているだけである (IRIS Summary (Access on August 2015))。したがって、分類ガイダンスに則して、分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
雄ラットに本物質を700 ppmで11週間吸入ばく露、又は660~1,400 mg/kg/dayで90日間経口投与した試験で、精巣毒性 (精巣の萎縮、胚上皮の変性など) がみられた (ATSDR (1992)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) との記述があるが、雌との交配による生殖能への影響について検討した試験報告はない。しかし、妊娠ラットに妊娠期間を通して、500~2,000 ppmの用量で吸入ばく露し、F1児動物を生後から成熟動物 (adults) になるまで維持・育成し、この間新生児期、離乳期、思春期、成熟期に行動観察をした結果、1, 000 ppm以上で母動物に体重増加抑制、同腹児数の減少、F1児動物では1,000 ppm 以上で行動検査において、思春期の雌動物に回避学習行動の低下、思春期、成熟期の動物に自発運動の増加 (オープンフイールド検査) がみられ、2,000 ppmで生存率及び体重の低値がみられた (ATSDR (1992)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) との記述がある。本物質が神経系作用物質であることを考慮し、胎生期ばく露による生後の神経行動学的検査による所見を被験物質投与による影響とみなすことが妥当と判断し、よって本項は区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (末梢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用)



危険
警告
H370
H335
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質はヒトに気道刺激性、麻酔作用があるとの報告 (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (1992))、吸入及び経皮ばく露事例で、3名の作業者が本物質のスプレーペイント中に末梢神経障害を引き起こしたとの報告がある(ACGIH (7th, 2001))。
以上より、区分1 (末梢神経系)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
溶剤の塗装作業などで本物質にばく露された作業者に左右対称性の末梢性神経症 (ニューロパシー) の発症例が多数報告されており、典型例では脱力感、足の違和感、下肢から下半身、上腕部へと進行する筋力低下の発症、下肢の反射機能の低下ないし消失の経過をたどるとされている (IRIS Tox Review (2009))。また、バイオプシーにより採取した腓腹神経標本の観察により、び漫性の線維症、神経線維の消失、神経線維のもつれを伴う軸索の腫脹がみられた (IRIS Tox Review (2009)) との記述がある。また、本物質への慢性職業ばく露により、程度は異なるが左右対称性の中枢-末梢神経遠位性軸索症の発症、進展と関連があるとされてきた (ACGIH (7th, 2001)) との記述もある。
実験動物では、雄ラット、又は雄カニクイザルに本物質を100、又は1,000 ppmで10ヶ月間吸入ばく露 (蒸気と推定) した試験において、ラット、サルのいずれも 区分2相当の 100 ppm (0.41 mg/L/6 hr) 以上で坐骨-頸骨神経に対する運動伝導速度 (MCV) の低下が用量及び時間依存的にみられ、ラットでは100 ppm以上、サルでは1,000 ppmで、坐骨神経刺激に対する誘発筋活動電位の振幅の減少がみられた (IRIS Tox Review (2009)) との記述、ネコに2年間吸入した試験では330 ppm (1.35 mg/L/6 hr) で、神経病理学的変化として、神経軸索の変性、ミエリン消失を伴う軸索腫脹が末梢神経、及び中枢神経の両方でみられた (IRIS Tox Review (2009)) との記述がある。一方、経口経路でもラットに本物質を13ヶ月飲水投与した試験において、250 ppm (143 mg/kg/day) 以上の用量で、末梢神経軸索の腫張、骨格筋の筋線維萎縮がみられ、脳、脊髄、末梢の神経軸索の変化はいずれにも発現したが、脳では他部位に比べ低頻度であった (IRIS Tox Review (2009))。
以上、ヒトの疫学報告で本物質により末梢神経症が生じることは多くの報告から明らかであるが、実験動物の神経病理学的検査から、神経軸索の組織変化は中枢神経系にも低頻度ではあるが生じることが示されており、ヒトでも中枢神経系への影響は少なくとも形態学的には発生するものと考えた。よって、本項は区分1 (神経系) とした。
なお、旧分類では区分2 (精巣) を採用したが、「生殖毒性」の項に記述したように、本物質の吸入、又は経口経路での反復ばく露により精巣毒性が認められたが、用量的には区分2を超える用量での所見であるため、今回の分類からは除外した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - ヒトでの誤嚥による呼吸器有害性の事例はない。ただし、本物質は3以上13を超えない炭素原子で構成されたケトンに属し、HSDB (Access on August 2015) に収載された数値データ (粘性率: 0.62 mPa・s (20℃)、密度 (比重) : 0.830 (20℃)) より、動粘性率計算値が 0.747mm2/sec (20℃) である。以上、国連分類では区分2に該当するが、旧分類後に改訂された現行ガイダンスにしたがい、分類できないとした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
-
-
- - 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50 = 428 mg/L(HSDB, 2006、AQUIRE, 2016)であることから、区分外とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
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- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(水溶解度=17200 mg/L、PHYSPROP Database, 2009)、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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