NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 633-65-8
名称 塩化ベルベリン
物質ID m-nite-633-65-8_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素及び水素以外の元素 (N) とイオン結合しているが、これは酸化性に寄与しない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - ベルベリン及びベルベリン化合物の情報は、塩化ベルベリン (CAS番号 633-65-8)、テトラヒドロベルベリン (CAS番号 522-97-4)、ベルベリンヒドロクロライド (CAS番号 633-65-8) が確認されたため、これらの情報を分類に使用した。すなわち、in vivoでは、塩化ベルベリン及びテトラヒドロベルベリンのマウス骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (NTP DB (Access on August 2017)、Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017))、マウスの骨髄細胞、心臓細胞を用いたDNA損傷試験で陽性 (Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017)、in vitroでは、塩化ベルベリン、ベルベリンヒドロクロライド、テトラヒドロベルベリンを用いた細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果である (NTP DB (Access on August 2017)、Iran J Basic Med Sci, vol. 20, No. 5, May 2017))。しかし、in vivo、in vitroでの陽性結果は再現性が認められなかった。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ベルベリンにはin vitro及びin vivoで抗腫瘍作用がみられたとのいくつかの報告がある (Kamrani Rad, S.Z, et al. IJBMS, 20, 516-529 (2017))。また、ベルベリンや他のアルカロイドを含む植物のゴ-ルデンシールの根の粉末はラット及びマウスで肝臓に対し発がん性を示し、IARCはグループ2Bに分類している (IARC 108 (2016))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ベルベリンを含有する漢方薬を胎児期に胎盤を介してばく露された場合、又は新生児期に母乳を介して、或いは直接摂取した場合、新生児に黄疸、核黄疸、及び黄疸による脳の損傷を発生する頻度が中国やシンガポールでは高いと報告されてきた (Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993))。実験的にはin vitro及びラットを用いたin vivo実験結果から、ベルベリンが血清中結合タンパクからビリルビンを遊離させ、血中ビリルビン濃度が上昇することが確認されており (Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993)、Bateman, J. et al.: Scot. Med. J., 43, 7-15 (1998))、新生児黄疸は漢方薬中の一成分である本物質による影響が疑われている。そのため、ベルベリンを多く含有するハーブや漢方薬を妊婦が使用するのは避けるのが望ましいとされている (Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006)、Chan E.: Biol. Neonates, 63, 201-208 (1993))。なお、ベルベリン製剤の副作用に関しては、下痢症を効能とするベルベリン硫酸塩水和物の注射剤の添付文書には妊娠中の投与に関する安全性は確立していないため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいと記載されている (医療用医薬品集2017 (2016))。
  実験動物では塩化ベルベリンニ水和物 (CAS番号 5956-60-5) を妊娠ラット又は妊娠マウスに混餌投与 (ラットで最大1,313 mg/kg/day、マウスで最大1,155 mg/kg/day)、又は強制経口投与 (ラット、マウスとも1,000 mg/kg/day) した発生毒性試験において、ラットの混餌及び強制経口投与試験では、母動物毒性がみられた1,000~1,313 mg/kg/day で胎児には発生影響はないか、又は軽微な影響 (体重低値) のみであった (NTP Abstract for TER98008, TER20102 (Access on September 2017)、Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006))。一方、マウスの試験では混餌投与した場合、母動物には841 mg/kg/day以上で飲水量増加がみられ、胎児には統計的有意差はないものの、口蓋裂を示した例数の増加がみられた。妊娠マウスに強制経口投与した場合には、母動物には1,000 mg/kg/dayで誤投与による死亡4/25例以外に7/25例の死亡又は切迫屠殺例がみられたが、生存例には飲水量の増加以外に影響は認められなかった。胎児には体重の低値がみられただけで、口蓋裂はみられなかった (NTP Abstract for TER20103, TER99002 (Access on September 2017)、Jahnke G.S. et al.: Birth Defects Res., 77, 195-206 (2006))。この他、排卵させた雌マウスを雄と交配前後に本物質100 microgで2~14日間筋注した結果、受精卵に占める杯盤胞の割合及び妊娠18.5日における生存胎児数の減少がみられ、ベルベリンが胚の発生を阻害する可能性が示された (Tsunoda, Y. and Kato, Y.: J. Mamm. Ova. Res., 28, 40-46 (2011))。
  以上、ヒトの知見は本物質を含む漢方薬の副作用として懸念されているが、本物質との因果関係は必ずしも明確ではなく、ヒトでの生殖影響の証拠としては弱い。また、動物試験でも多くは陰性の結果であることから、本項は区分2が妥当と判断した。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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