NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 637-92-3
名称 2-エトキシ-2,2'-ジメチルエタン(別名:エチルtert-ブチルエーテル(ETBE))
物質ID m-nite-637-92-3_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団なし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 引火性エアゾール製品ではない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-20℃、及び沸点69-71℃に基づく。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団なし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属、半金属を含まず。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子中にフッ素、塩素を含まず、酸素は含むが、酸素は炭素にのみ結合している。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - ペルオキサイド構造を持たない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
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- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットで5000mg/kgまでの投与で死亡が認められていないこと(ACGIH(2002))に基づき、区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - ウサギLD50>2000mg/kgというデータはある(RTECS(2004))が、そこまでの投与用量で死亡がみられているか分からない。
2000mg/kgまでの投与用量で死亡例があれば、区分5、死亡例がなければ区分外となるが、区分を特定できない。
平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義で液体。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - ラットLC50は、>1405 ppm(RTECS(2004))であり区分を特定できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた試験でDraizeのスコア、P.I.I. 3.03(Moderate Irritant)(ACGIH(2002))に基づき、区分2とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギのデータ:Draize Score 110、かつ回復性は有り(ACGIH(2002))に基づき区分2Aとした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)陰性(ACGIH(2002))に基づき区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、雄ラットの肝臓腫瘍(肝細胞腺腫)の増加が1例のみでみられること、(2)、(3)の2つの二段階発がん性試験で本物質のプロモーター作用が示唆されること、(4)のEPAでSと評価されていることから区分2とした。

【根拠データ】
(1)ラットを用いた2年間吸入ばく露試験(蒸気、500~5,000 ppm、6時間/日、5日/週)では、5,000 ppmの雄で肝細胞腺腫の発生頻度(9/50例)の有意な増加が認められた(雌では肝臓腫瘍は認められず)。肝細胞癌は1/50例のみにみられたが、げっ歯類では肝細胞腺腫から悪性の肝細胞癌に進展するとされる(ACGIH (2013))(IRIS (2021))。
(2)雄ラットを用いた2段階多臓器発がん性試験では、300及び1,000 mg/kg/dayで標的臓器が異なる5つの既知発がん物質を4週間投与した後、本物質を24週間強制経口投与した結果、甲状腺、前胃、結腸、肝臓、膀胱で腫瘍の発生増加がみられた(ACGIH (2013))(IRIS (2021))。
(3)雄ラットを用いた2段階発がん性試験で、既知発がん物質(EHEN)を4週間飲水投与した後、本物質を24週間強制経口投与した結果、最高用量(1,000 mg/kg/day)で肝細胞腺腫の頻度及び肝細胞腺腫とがんを組合せた合計頻度に有意な増加が認められた(ACGIH (2013))(IRIS (2021))。
(4)国内外の評価機関による発がん性分類では、EPAでS (suggestive evidence of carcinogenic potential)(IRIS (2021))、ACGIHでA4に(ACGIH (2013))分類されている。

【参考データ等】
(5)ラットを用いた2年間強制経口投与試験(250、1,000 mg/kg/day、4日/週)では、原著者らによって複数の臓器に腫瘍発生が認められたと報告されたが、EFSAとEPAでの評価により本物質投与によることが明らかな腫瘍の発生増加はないとされた(EU EFSA (2017)、IRIS (2021))。
(6)ラットを用いた2年間飲水投与試験(625~10,000 ppm(28~560 mg/kg/day))では、いずれの臓器にも腫瘍発生増加の証拠は示されなかった(IRIS (2021)、ACGIH (2013))。
(7)本物質は最終的にtert-ブタノール(CAS番号 75-65-0)とアセトアルデヒドに代謝され、さらにアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)によって酢酸に酸化される。ALDHには多型が存在し、東アジア人に多いALDH2を有するヒトでは肝臓でのアルデヒドの代謝が遅れ、エタノール誘発性の発がんリスクの増加が懸念される。実験的にALDH2をノックアウトしたKOマウスでは野生型に比べ、本物質投与後の毒性も遺伝毒性も増強されることが明らかにされている。本物質の肝発がん性の作用機序は明らかでないが、本物質の代謝過程で生成するアセトアルデヒドの遺伝毒性作用が関与する可能性も考えられる(IRIS (2021))。
(8)本物質の代謝物であるtert-ブタノール(CAS番号 75-65-0)の発がん性について、実験動物の腫瘍発生の増加に基づき、EPAでSに分類されている(IRIS (2021))。

令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
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- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
マウス試験で麻酔作用がみられたこと(2000))およびヒト健常ボランティアにて2時間吸入ばく露させた試験で用量依存性が有意ではないが、めまいや頭痛がみられたこと(ACGIH(2002))に基づき、区分3(麻酔作用)とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分に該当しない
-
-
- - ラット、マウスに4週あるいは90日吸入ばく露した試験でガイダンス値を超える濃度で初めて毒性影響が認められた(ACGIH(2002))。また、ラット、マウスの吸入試験でガイダンス値を超える用量にて臓器重量の変化が主にみられた(RTECS(2004))。以上より区分外とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
甲殻類(ミシッドシュリンプ(海水))96時間EC50 = 37 mg/L(REACH登録情報, 2022)であることから、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(METI化審法審査シート, 2021)、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 7.5 mg/L(REACH登録情報, 2022)から、区分に該当しないとなる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する十分なデータが得られておらず、甲殻類(ミシッドシュリンプ(海水))の96時間EC50 = 37 mg/L(REACH登録情報, 2022)から、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。新たな情報の使用により、旧分類から分類結果が変更となった。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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