項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 64-18-6 |
名称 | ぎ酸 |
物質ID | m-nite-64-18-6_v2 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点50℃ (closed cup) (HSDB (Access on July 2014)) に基づいて区分3とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点が520℃ (ICSC (1997)) であり、常温で発火しないと考えられる。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、700 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2011))、1,100 mg/kg (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))、1,830 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、730-1,830 mg/kg (DFGOT vol. 19 (2003))、1,100-1,850 mg/kg (NTP TR19 (1992)) との報告に基づき、区分4とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
【分類根拠】 (1)より、区分4とした。なお、ばく露濃度は飽和蒸気圧濃度の90%(37,946 ppm)より低いため、蒸気と判断し、ppmVを単位とする基準値より判断した。旧分類からEUでGHS区分が変更されたことに伴い、急性毒性(吸入)の項目を見直したが分類結果に変更はない(2022年)。 【根拠データ】 (1)ラットのLC50:7.4 mg/L(3,936 ppm)(OECD TG 403)(CLH report (2021)、DFG MAK (2003)、EFSA (2014)、SIDS dossier (2008)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022)) 【参考データ等】 (2)本物質はEU CLHにおいて、(1)のデータに基づき、mg/Lの単位を用いて、区分3に分類されている。 |
令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、区分1とした。なお、旧分類結果がCLP分類と異なることから本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、皮膚腐食性または刺激性がみられた(DFG MAK (2003))。 (2)本物質は皮膚腐食性又は刺激苛性を示すとの多数の報告がある(MOE 初期評価暫定的有害性評価シート (2008)、SIDS (2011)、NTP TR 19 (1992))。 【参考データ等】 (3)EUではSkin Corr. 1Aに分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。 |
令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、刺激性あるいは腐食性がみられたとの報告 (SIDS (2011)、DFGOT vol. 19 (2003))、角膜に熱傷が生じたとの報告 (PATTY (6th, 2012)) がある。また、ヒトの眼に対して強い腐食性を示すとの記載が多数あり (SIDS (2011)、NTP TR19 (1992))、結膜炎や角膜炎を生じ、回復性のない傷害を残すとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分1とした。なお本物質はpH = 2.2 (at 10g/L, 20℃) (IUCLID (2000)) である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | モルモットを用いたビューラー試験 (OECD TG406、GLP適合) において、感作誘発後、全投与群20匹に皮膚反応はみられず陰性であった (SIDS (2011)) との結果から、区分外とした。SIDS (2011) の情報を追加し区分を変更した。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、ヒトリンパ球及び哺乳類培養細胞の姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性であると結論されている (SIDS (2011)、PATTY (6th, 2012)、IUCLID (2000)、NTP DB (Access on July 2014)、DFGOT vol. 19 (2003))。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 国際機関等による分類はない。個別の情報としては、ぎ酸カリウムの2,000 mg/kg/dayまでの用量で、ラット、マウス (ともに雌雄) に2年間 (ラット:104週間、マウス:80週間) 混餌投与した発がん性試験 (OECD TG 453と比較可能) の結果は陰性 (SIDS (2011)) である。また、ぎ酸カルシウムの150-200 mg/kg/dayで雌雄ラットに1.5年間飲水投与した試験 (試験条件が不十分との記載有り) で陰性 (BUA 81 (1995)) である。以上より、ラット、マウスの発がん性試験でいずれも陰性であることから「区分外」とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットを用いた経口経路 (飲水) での多世代生殖毒性試験において出生児の体重や体長に影響はなかったとの報告 (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、DFGOT vol. 19 (2003)) があるが1用量の試験であり評価するには情報が不十分である。また、ラットを用い7ヵ月まで1.0%の飲水投与により、児の生存率が50-67%低下したとの報告 (NTP TR19 (1992)) があるが、試験法及び結果についてそれ以上の具体的な記述がない。 マウスを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、妊娠10日及び18日の検査において胎児の神経管欠損に影響はみられていない (PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、DFGOT vol. 19 (2003))。この試験は、メタノールが誘発する外脳症機序をぎ酸ナトリウムで調べる目的であり、投与期間がメタノールの外脳症の感受期である妊娠8日のみに限定した試験であることから、外脳症以外の催奇形性については十分な情報でないと考えられる。 以上のように、生殖毒性 (生殖能、催奇形性) に関する十分な情報がないことから分類できないとした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は、腐食性が強く、口、喉、食道、胃粘膜に対して傷害を引き起こす (NTP TR19 (1992))。 ヒトにおいては、経口摂取で、咽頭痛、灼熱感、腹痛、胃痙攣、嘔吐、鼻・喉頭及び胃腸管粘膜の充血、浮腫及び壊死、食道狭窄、胃穿孔、胃腸管出血、その他、嚥下困難、意識喪失、中枢神経系抑制、重篤なアシドーシス、溶血、血尿、血液凝固障害、無尿、尿毒症、急性腎不全、腎症、肝障害、血管ショック、循環器不全、肺炎、死亡が報告されている (環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、BUA 81 (1995)、DFGOT vol. 19 (2003)、NTP TR19 (1992))。蒸気の吸入ばく露では、咽頭痛、咳、灼熱感、息苦しさ、意識喪失、鼻炎、気管支炎、呼吸困難、呼吸器不全、肺水腫、アシドーシス、急性腎不全、死亡がみられている (NTP TR19 (1992)、環境省リスク評価第6巻:暫定的有害性評価シート (2008))。経皮ばく露では、熱いぎ酸を顔に誤ってかけた作業者で、顕著な嚥下困難及び呼吸困難により6時間後に死亡 (ACGIH (7th, 2001))、3歳の少女が全身皮膚の35%以上をばく露した事故で、火傷、重篤なアシドーシスが報告されている (PATTY (6th, 2012))。その他、ばく露経路は記載されていないが、大量ばく露で視力障害、精神障害を含む中枢神経抑制 (PATTY (6th, 2012))、本物質の保存液にばく露された農夫では、重篤な循環器疾患及び腎臓疾患を生じた (PATTY (6th, 2012)) との報告がある。 実験動物では、ラットの経口投与で、円背位、呼吸困難、鼻血、血尿、低体温、病理検査で、胃、肝臓、腎臓の充血、ラットの吸入ばく露で、流涎、痛みの反射消失、呼吸困難、呼吸音、鼓腸、無気力、円背位姿勢、不安定歩行がみられている (SIDS (2011))。これらの所見は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。 以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、血液系、腎臓) とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (呼吸器) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
ヒトでの本物質反復ばく露による影響に関する情報はない。実験動物ではラット及びマウスに本物質蒸気を13週間吸入ばく露した試験において、標的臓器を特定可能な全身影響は認められなかったが、局所影響としてマウスでは区分1 (0.12 mg/L/6hr)、ラットでは区分2 (0.24 mg/L/6hr) に該当する濃度で、嗅上皮の変性 (ラット、マウス)、呼吸上皮の扁平化生 (ラット) がみられた (SIDS (2011)、NTP TR19 (1992)、DFGOT vol. 19 (2003)、PATTY (6th, 2012))。ヒトでの吸入ばく露による影響が不明であるため、ラット、マウスの両動物種で呼吸器への影響が共通に認められた濃度区分より、区分2 (呼吸器) に分類した。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分3 |
- |
H402 | P273 P501 |
藻類(デスモデスムス属)72時間ErC50 = 30.2 mg/L(SIAR, 2008)であることから、区分3とした。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:108~113%(METI既存点検結果, 1993))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC ≧ 100 mg/L(SIAR, 2008)から、区分に該当しないとなる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、藻類(デスモデスムス属)72時間ErC50 = 30.2 mg/L(SIAR, 2008)であるが、急速分解性があり、生物蓄積性が低いと推定される(logKow =-0.54 (PHYSPROP Database (SRC, 2005))ことから、区分に該当しないとなる。 以上の結果から、区分に該当しないとした。 |
令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和4年度(2022年度) | ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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