NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7439-98-7
名称 モリブデン
物質ID m-nite-7439-98-7_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 なお、ダストや粉末は可燃性がある (HSDB (Access on September 2015)) との情報がある。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 分類できない
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-
- - データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
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- - データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水に不溶 (HSDB (Access on September 2015)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 酸素及びハロゲンを含まない無機物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない
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-
- - ラットに本物質の粉じんを25~30 mg/Lで1時間吸入 (4時間換算値:6.25~7.50 mg/L) させた結果、変化はみられなかったとの報告 (ACGIH (7th, 2003)) に基づき、区分外とした。被験物質が固体であるために、粉じん・ミストの基準値を適用した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ヒトの皮膚に対して刺激性を示す (HSDB (Access on September 2015)) との記載から区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ヒトの眼に対して刺激性を示す (HSDB (Access on September 2015)) との記載から区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - モリブデン化合物を21年間以上扱った作業者を対象とした症例対照研究において、モリブデンばく露と肺がん発生との相関を調べた結果、同時にばく露されたクロム及び鉱油に対してはばく露期間と肺がん発生との間に相関はなく、モリブデンばく露のみが用量-反応相関を示し、初めてモリブデンばく露による肺がんリスクの増加が報告された (ACGIH (7th, 2003))。
実験動物では可溶性モリブデン化合物に属する三酸化モリブデンをラット又はマウスに2年間吸入ばく露した発がん性試験において、雄ラットに肺胞/細気管支の腺腫とがんの合計の発生頻度の増加傾向、雄マウスに肺胞/細気管支がん及び肺胞/細気管支の腺腫とがんの合計の発生頻度の増加、雌マウスに肺胞/細気管支腺腫及び肺胞/細気管支の腺腫とがんの合計の発生頻度の増加が認められたことから、NTPは発がん性の証拠の重みづけに関して、雄ラットは不確実な証拠、雌雄マウスはある程度の証拠があると結論した (NTP TR 462 (1997))。三酸化モリブデンに関するNTP試験結果について、ACGIH (7th, 2003)、PATTY (6th, 2012)) にも記述があるが、金属モリブデン又は不溶性モリブデン化合物を用いた試験報告はない。国際機関による発がん性分類結果としては、ACGIHが可溶性モリブデン化合物に対し「A3」に分類している (ACGIH (7th, 2003)) だけで、金属モリブデン、不溶性モリブデン化合物はいずれの機関によっても分類されていない。以上より、本物質はデータ不足のため分類できない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - 金属モリブデン、不溶性モリブデン化合物のいずれも生殖毒性に関する情報はない。よって、データ不足のため分類できない。
なお、水溶性モリブデン化合物については、モリブデン酸ナトリウム (CAS番号: 7631-95-0) の本項に記述したように、実験動物を用いた試験データに基づき、区分2に分類した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質は気道刺激性がある (HSDB (Access on September 2015)) との記載から、区分3 (気道刺激性) とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない
ヒトにおいて、24名の少女 (7~9歳) に一日平均75 mg/kg/dayのモリブデンを経口的に与えた出納試験 (バランス・スタディ) において、モリブデンの低毒性は確かめられており、尿中のモリブデン濃度の上昇が唯一の変化であったとの報告 (ACGIH (7th, 2003)) がある。一方、一部のアルメニアでの痛風及び尿酸の増加を土壌中のモリブデン量の高値 (モリブデンの摂取量は10~15 mg/day) が原因とする報告がある (ACGIH (7th, 2003)、IRIS Summary (1992)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。しかし、全米研究評議会はこれらの関係については推論であり、モリブデンばく露と骨の疾患、尿酸代謝の異常は関連付けられることはできないとしている (ACGIH (7th, 2003))。職業ばく露については、モリブデン濃度60~600 mg/m3にばく露された鉱山労働者、冶金作業者において非特異的な症状 (脱力感、疲労感、頭痛、食欲不振、関節あるいは筋肉痛) の発現の増加が報告されている (ACGIH (7th, 2003))。一方、モリブデン濃度9.5 mg/m3にばく露されたモリブデン焙焼工場で実施された調査では、労働者の血中及び尿中のモリブデン濃度、尿酸値及びセルロプラスミンの増加がみとめられたが痛風様の症状はみられていないとの報告がある (DFGOT vol. 18 (2002))。
実験動物において、利用できるデータは得られていない。
以上のように、ヒトにおいては、いくつかの報告があるが、モリブデンばく露と影響が明確な例が得られなかった。
したがって、データ不足のため分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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