NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7440-02-0
名称 ニッケル
物質ID m-nite-7440-02-0_v1
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項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 分類できない
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-
- - 形状が特定されておらず、またデータがないので分類できない。また、ICSC(2004)では粉塵は引火性であるとしており、Sax (11th, 2004)では通常では金属は微粉末になるほど火災や爆発の危険度が大きいとしている。なお、国連危険物輸送勧告では、金属粉末(可燃性のもの)(他に品名が明示されているものを除く)はクラス・区分 4.1容器:等級II、III(国連番号3089)で、「区分1」または「区分2」に該当している。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性又は自己反応性に関連する原子団を含まない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - Merck(13th, 2001)では、常温では空気中で安定としている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
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- - 常温で空気中で安定、また、水と反応しないとしている(Merck 13th, 2001)。また、水と混合しない(ホンメル, 1996)より区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 酸素、フッ素、または塩素を含まない元素である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 元素である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
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-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットLD50> 9000 mg/kg(ECETOC TR №33(1989))は区分外である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 動物を用いた試験データがないことから分類できないとした。しかしながら、ヒトの疫学的症例として90分間に382 mg Ni/m3の濃度と見積もられる吸入暴露で13日後に呼吸窮迫症候群により死亡した例が報告されている(ATSDR(2005))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2008)で気道感作性物質(第2群)に、日本職業アレルギー学会(2004)及びDFG(MAK/BAT No43(2007))で気道感作性物質に分類されていることから、区分1とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
ヒトの症例として、湿疹(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69, 2008; EHC No. 108, 1991)、接触皮膚炎(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69, 2008; EHC No. 108, 1991; IARC vol. 49, 1990)、パッチテストにおける陽性反応(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69, 2008; EHC No.108, 1991)が報告されている。また、日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2008)で皮膚感作性物質(第1群)に、日本職業アレルギー学会(2004)及びDFG(2007)で皮膚感作性物質に分類されていることから、区分1とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ラットの吸入ばく露による肺胞マクロファージにおける染色体異常の結果が陽性(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69(2008))との結果があるが特殊な試験系である。他にin vivoの試験データがなく分類できないとした。なお、in vitro変異原性試験:ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(IARC vol. 49,(1990))、ヒトリンパ芽球TK6を用いた突然変異試験(詳細リスク評価書シリーズ19(2006))は陰性である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
既存分類においてIARCが2B(IARC(1990))、NTPがR(NTP(2005))、そしてEUがCarc. cat. 3; R40(EU(2007))に区分していることから区分2とした。また、ラットの吸入、皮下、筋肉内、胸腔内、腹腔内投与による発がん性試験においていずれもがんや肉腫の発生が見られている(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69(2008); IARC vol. 49(1990); 詳細リスク評価書シリーズ19(2006))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足で分類できない。なお、ラットの妊娠前7ヵ月間および妊娠期間中の経口投与(飲水)により、着床前死亡がやや増加し、奇形仔がいくらか認められたとの記載(Teratogenic(12th, 2007))があるが、それ以上の記述はなく詳細は不明である。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
雄ラットの吸入(単回気管内投与)ばく露試験において、0.5 mg以上の投与量において肺胞上皮細胞の障害を引き起こした(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69(2008))。また、ヒトにおいて吸入暴露によって「肺胞領域での肺胞壁への障害及び水腫、腎臓における顕著な尿細管壊死」(ATSDR(2005))を引き起こした記述があることから区分1(呼吸器, 腎臓)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
厚生労働省報告では、職業的にニッケル酸化物や金属ニッケルの0.04mg/m3以上の濃度にばく露している労働者は、呼吸器疾患で死亡する確率が高いとされ、また、ニッケル精錬とニッケルメッキ作業者に鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔穿孔、鼻粘膜異形成の報告がある(厚生労働省報告:ニッケルおよびその化合物有害性評価書(2009))。これにより区分1(呼吸器)とした。ラットを用いた13週間の吸入ばく露試験(OECD TG 413)のガイダンスの区分1に相当する1mg/m3(0.001 mg/L)以上の用量において、雌で肺胞タンパク症、肺肉芽腫性炎症が見られ、雄で肺単核細胞湿潤が見られた(NITE初期リスク評価書 ver. 1.0, No. 69(2008))。また、ラットの21ヶ月間の吸入ばく露試験においても、ガイダンスの区分1に相当する15mg/m3(0.015 mg/L)の用量で胸膜炎、肺炎、うっ血及び水腫が見られ(CaPSAR(1994))、さらにウサギを用いた6ヶ月間の吸入ばく露試験においても1mg/m3(0.001 mg/L)で肺炎をおこす。なお、EU分類においてはT; R48/23に区分されている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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