NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7446-08-4
名称 二酸化セレン
物質ID m-nite-7446-08-4_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
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- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
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- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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-
- - 水溶解度 40 g/100 mL (20℃) (ICSC (2000)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、48 mg Se/kg (SeO2換算値:67.5 mg/kg) との報告 (ATSDR (2003)) に基づき、区分3とした。セレンとしてのLD50値を本物質に換算し、区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - 本物質は皮膚との接触により刺激性を示すとの記載がある (HSDB (Access on July 2014))。また、職業ばく露により皮膚に刺激性がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986))。一方、本物質 (粉末状) は皮膚に傷害を与えないが、水又は汗との反応で生成した亜セレン酸が刺激性をもつとの記載がある (EHC 58 (1986)) が代謝物の情報は区分に用いないこととした。以上のことから、分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
職業ばく露で、本物質による眼刺激性が報告されている (EHC 58 (1986)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分2とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。なお、職業ばく露において本物質のばく露によりアレルギー性の発疹がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986)) が、詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及びヒト白血球の染色体異常試験で陽性である (ATSDR (2003)、NITE初期リスク評価書 (2008))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
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- - セレン及びその化合物としてIARC (suppl 7, 1987) でグループ 3、EPA (1991) でDに分類されていることから分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は刺激性がある (ATSDR (2003))。ヒトにおいては、吸入ばく露により、悪寒、発熱、頭痛、鼻の灼熱感、めまい、呼吸困難、気管支痙攣、窒息、持続性気管支炎、肺炎、血圧低下及び心拍数上昇を含むショック症状、急性肺水腫、口腔・食道・胃粘膜の傷害、吐き気、嘔吐、胃痛、吐血、経口摂取では、吐血、低血圧、毒性心筋症、肺水腫、発作、昏睡の報告、摂取による自殺例では、剖検で肺、腎臓のうっ血、心臓のびまん性腫脹、脳浮腫が認められた。その自殺例の最も特徴的な所見は皮膚及び内臓全体の橙褐色の変色であり、本物質による溶血や色素沈着によるものと考えられている (ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、HSDB (Access on August 2014))。
なお、セレンの急性影響として、運動失調、呼吸困難、その他神経症状、また、グラム単位の摂取では、重症の胃腸障害、神経障害、呼吸不全症候群、心筋梗塞、腎不全が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))。動物実験で、セレン元素及びセレン化合物による急性吸入ばく露による一次傷害部位は呼吸器である (ATSDR (2003)) との記載がある。
以上より本物質は、ヒトに対し中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓への影響が考えられ、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓) とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器)、区分2 (肝臓)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
二酸化セレンの吸入により、職業ばく露を受けた作業者62名中、半数以上が不眠、食欲不振又は吐き気を、26名が頭痛を、3名が痙攣様疼痛を訴えた。診断の結果、9名に粘膜刺激、結膜炎及び気管支炎がみられた (EHC 58 (1986)、ATSDR (2003)、NITE初期リスク評価書 (2008))。また、金属セレンと本物質の混合エアロゾルに長期間ばく露された作業者に鼻炎、鼻出血、頭痛、体重減少、興奮、四肢の疼痛がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986))。
一方、実験動物での本物質反復投与による毒性情報はない。
以上より、ヒトの吸入による職業ばく露でみられた所見より、神経系、呼吸器、消化管が標的臓器と考えられるが、消化器症状は呼吸器等への刺激性による不定愁訴の可能性も考えられ、本物質ばく露による特異的な標的臓器とするには客観的な証拠が乏しいと考えた。さらに、冒頭の二酸化セレンの職業ばく露の報告において、血中セレン濃度との相関はないが、一部の症例に肝機能障害がみられたと記述されている (EHC 58 (1986))。本物質を実験動物にばく露した試験結果がなく、「肝臓」を標的臓器とする根拠は乏しいが、本物質も体内に取込まれた後は他のセレン化合物と同様の挙動を示すものと推定され、他のセレン化合物との分類結果との整合性も考慮して、「肝臓」も標的臓器 (実験動物での根拠データを欠くため、区分を「2」とした) に追加した。よって、区分1 (神経系、呼吸器)、区分2 (肝臓) に分類した。なお、旧分類ではList外の情報源より「腎臓」を標的臓器としたが、List 1の情報源からの今回調査対象とした複数のセレン化合物の分類において、腎臓を共通性のある標的臓器とみなす根拠はないと判断したため、「腎臓」を標的臓器から削除した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(セネデスムス)の72時間EC50=100μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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