項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7446-18-6 |
名称 | 硫酸タリウム(I) |
物質ID | m-nite-7446-18-6_v2 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2013)) である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 水溶解度 (4.87 g/100 mL (20℃)、ICSC (2013)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 無機化合物である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
危険 |
H300 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、10~25 mg/kg、15 mg/kg、76 mg/kg (EHC 182 (1996))、及び16 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の4件の報告があり、区分2に該当する報告が3件、区分3に該当する報告が1件であることから、該当する件数の多い区分2を採用した。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 | P302+P352 P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
ラットのLD50値として、500 mg/kg (EHC 182 (1996))、550 mg/kg (PATTY (6th, 2012) の報告に基づき、区分3とした。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質を1%含む粒剤と2%含む液剤のウサギに対する皮膚一次刺激性試験で、それぞれ無刺激性物質と軽度の刺激性物質に分類されている (日本農薬学会誌 (1993))。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質を1%含む粒剤と2%含む液剤のウサギに対する眼一次刺激性試験で、それぞれ最小限度の刺激性物質と無刺激性物質に分類されている (日本農薬学会誌 (1993))。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質が1%含まれる粒剤と2%含まれる液剤のBuehler試験が行われており、1%粒剤、2%液剤ともモルモットの皮膚に対して感作性のない物質であると判断されている (日本農薬学会誌 (1993))。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性である (日本農薬学会誌 (1993))。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | タリウム及びタリウム化合物の発がん性に関しては、ヒト、実験動物とも評価に利用可能な情報がなく (IRIS Tox. Review (2009))、EPAは可溶性タリウム塩に対し2005年クライテリアでⅠ (Inadequate information to assess the carcinogenic potential) に分類している (IRIS (2009)、IRIS Tox. Review (2009))。よって、本項は分類できないとした。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
雄ラットに本物質を60日間飲水投与 (約0.7 mg/kg/day) 後に精巣精細管上皮の配列異常、セルトリ細胞の空胞化、異常精子数の増加、精子運動能の低下などがみられた (ACGIH (7th, 2010)、IRIS Tox. Review (2009)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2016)) ことから、本物質の精巣毒性が示唆される。また、本物質が胎盤通過性のあること (ACGIH (7th, 2010))、及び妊娠ラットに本物質2.0 mg/kg/dayを非経口投与 (注射) した結果、胎児に胎児体重低値、骨化遅延、及び水腎症の頻度増加など発生毒性がみられた (ACGIH (7th, 2010)、HSDB (Access on May 2016)) との記述がある。 以上、催奇形性を含む発生毒性については1件のみのデータで非経口経路であること、投与期間及び母動物毒性の有無が不明など分類に用いるには不適切な知見と考えられる。しかし、本物質に精巣毒性の証拠があること、胎盤通過性のあることから判断して、本項は区分2とした。 |
平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、消化管、肝臓、腎臓、皮膚) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトでは事故又は事件による硫酸タリウム摂取により食欲不振、吐き気、嘔吐、胸骨後部及び腹部の疼痛、消化管出血 (血便)、便秘が起こる。その後に、中枢及び末梢神経系への影響として手足の知覚異常、無気力、幻覚、譫妄状態、痙攣、昏睡が、循環器への影響として高血圧、頻脈、及び重症の場合には心不全が、皮膚への影響として脱毛が起こる。死因は主に腎臓、中枢神経系及び心不全である (EHC 182 (1996)、ACGIH (7th, 2001)、ACGIH (7th, 2010)、IRIS (2005)、ATSDR (1992))。死後剖検又は生検により、腸粘膜、肺、内分泌腺及び心臓の出血、肝臓及び心臓組織への脂肪の沈着、腎臓糸球体と尿細管の変性が認められる (EHC 182 (1996))。 実験動物では硫酸タリウムの区分1に相当するガイダンス値での単回投与で、腎組織の変性と壊死、さらに糸球体ろ過速度と尿量の減少及び尿蛋白の増加が認められた (EHC 182 (1996)、ACGIH (7th, 2010))。また、血管運動反応の低下に加えて呼吸器への直接的な影響がみられた (EHC 182 (1996))。 以上より、区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、消化管、肝臓、腎臓、皮膚) とした。 |
平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系、皮膚、生殖器(男性)) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトにおいて本物質限定の情報はない、しかし、吸入ばく露されたタリウムは神経に影響を及ぼす (ATSDR (1992))、主訴は腹痛、疲労感、刺激性、体重減少、脚の痛みであった。脱毛が4人にみられた (ACGIH (7th, 2001))、興奮と不眠が最初の症状であった (PATTY (5th, 2001))、感覚異常や筋肉及び関節痛等の多発性神経炎、頭痛、不眠、疲労感等の神経症状 (EHC 182 (1996)) 等の記述がある。 実験動物では、ラットを用いた飲水投与による40週間反復投与毒性試験において、区分1の範囲で皮膚障害、坐骨神経のワーラー変性等の報告 (EHC 182 (1996))、90日間強制経口投与毒性試験において、区分1の範囲で脱毛の報告 (EHC 182 (1996))、飲水投与による60日間反復経口投与毒性試験において、精巣影響 (精細管上皮の配列異常、セルトリ細胞の細胞質空胞化及び滑面小胞体の拡張、セルトリ細胞と精祖細胞に局在する精巣β-グルクロニダーゼ活性の低下、精巣内タリウムの高濃度、精子運動能低下) 等の報告 (IRIS Tox. Review (2009)) がある。 以上のように、神経系、皮膚、精巣が標的臓器と考えられた。したがって区分1 (神経系、皮膚、生殖器(男性))とした。 |
平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成28年度(2016年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(ヨコエビ属)96時間LC50 = 0.20 mg/L(本物質換算値。タリウム測定値 0.081 mg/L)(MOE初期評価, 2017)であることから、区分1とした。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する十分なデータが得られていない。魚類(ファットヘッドミノー)の30日間NOEC <0.098 mg/L(本物質換算値。タリウム測定値<0.04 mg/L)(MOE初期評価, 2017、EHC, 1996、ECOTOX)から、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、甲殻類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性に関する十分なデータが得られていない。甲殻類(ヨコエビ属)の96時間LC50 = 0.20 mg/L(本物質換算値。タリウム測定値 0.081 mg/L)(MOE初期評価, 2017)から、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 令和3年度(2021年度) | ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019) |
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