項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 7487-94-7 |
名称 | 塩化第二水銀 |
物質ID | m-nite-7487-94-7_v1 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類ガイダンス等(外部リンク) | ガイダンス一覧へ |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書へ |
FAQ(よくある問い合わせ) | よくある問い合わせへ |
情報源のリスト(Excelファイル) | 情報源のリストへ |
用語のリスト(Excelファイル) | 用語のリストへ |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortalへ |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2003))である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2003))である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2003))である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 金属(Hg)を含むが、水溶解度7.4mg/L(ICSC(2003))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 塩素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 無機化合物である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
危険 |
H300 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値は25.9-77.7 mg Hg/kg(塩化第二水銀として:35.1~105 mg/kg)(ATSDR(1999))および37 mg/kg(JECFA 1155(2011))に基づき、区分2とした。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足。なお、List 3のデータとしてラットLD50値は41 mg/kg(RTECS(2011))との報告があるが、詳細不明である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
本物質は本来皮膚および粘膜に対する刺激物である(ATSDR(1999))との記載に基づき区分2とした。 |
平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
本物質は本来粘膜に対する刺激物である(ATSDR(1999))との記載に基づき区分2Aとした。なお、眼に対し腐食性がある(HSDB(2010))との記載もある。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
日本産業衛生学会が水銀ないしその化合物を感作性物質「皮膚 第1群」に分類(産衛誌 53巻(2011))していることから、区分1とした。また、日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会も当該物質を皮膚感作性物質にリストアップ(日本皮膚アレルーギー・接触皮膚炎学会(2008))している。 |
平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
マウスの経口投与による骨髄を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陽性結果(DFGMAK Doc.15(2001)、IARC 58(1993))に基づき、区分2とした。なお、別にマウスに腹腔内投与によるin vivo染色体異常試験で陰性の報告(DFGMAK Doc.15(2001))もある。また、マウスを用いた複数の優性致死試験で弱陽性が報告されているが、試験法等に問題があり、いずれも生殖細胞変異原性を示す証拠とは考えられない(DFGMAK Doc.15(2001))と述べられているため分類根拠としなかった。一方、in vitro試験では、エームス試験で陰性(DFGMAK Doc.15(2001)、NTP DB(Access on Sep. 2011))が報告されているが、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(IARC 58(1993))、ヒトのリンパ球を用いた染色体異常試験および小核試験で陽性(DFGMAK Doc.15(2001))と複数のin vitro 変異原性試験で陽性結果が得られている。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 金属水銀及び無機水銀化合物として、IARCの発がん性評価でグループ3(IARC 58(1993))、ACGIHではA4(ACGIH(2001))に分類されていることから、「分類できない」とした。また、EPAではC(IRIS(2002))に分類されている。なお、ラットおよびマウスを用いた2年間経口投与試験において、ラットでは雄に前胃の扁平上皮乳頭腫の発生率増加と甲状腺の濾胞細胞腺腫とがんの発生率の僅かな増加、雌で前胃の扁平上皮細胞乳頭腫の発生、マウスでは雄に尿細管腫瘍の発生が報告され、ラット雄では発がん性の証拠がある程度得られたと結論されている(NTP TR 408(1993))。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットに経口投与による二世代生殖試験のF0世代で、受胎率の有意、かつ用量依存的な低下と全投与群で着床率の低下(JECFA 1155(2011))、雌ラットに交配60日前から経口投与した試験では着床率の僅かな減少とともに着床損失率の増加(JECFA 1155(2011))、さらに雄マウスに45日間経口投与後、一般毒性の発現がみられない用量(1.25 mg/kg)で対照群の雌との交尾成立が0%まで低下した(JECFA 1155(2011))。一方、ヒトでは妊娠中絶を目的として本物質を経口摂取した妊婦が13日後に流産を起こした(ATSDR(1999))と報告されている。以上より、一般毒性の発現ない用量でも生殖への悪影響が報告されていることから区分1Bとした。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
無機水銀化合物の経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、および重度の胃腸障害である(CICAD 50(2003))と記載されている。ヒトで本物質を単回経口摂取後の中毒例が18件(死亡例9件を含む)報告され、最も共通の所見は軽度の胃炎~重度の壊死性粘膜潰瘍に見られた胃腸の病変と腎不全に至った腎臓の病変である(EHC 118(1991))との報告に基づき、区分1(腎臓、消化管)とし、また、自殺企図で塩化第二水銀を摂取した男性において、P波の消失、QRS 部分の延長、T波の増高による心電図異常(CICAD 50(2003))が報告されており、区分1(心血管系)とした。一方、塩化水銀の摂取により黄疸、肝酵素の上昇と剖検で肝腫大を認めた35歳の男性、および粉末塩化第二水銀の摂取で、肝腫大が観察された19ヵ月の男児の症例報告(CICAD 50(2003))に基づき、区分1(肝臓)とした。これらの症例報告においては、35歳の男性では重度の肺水腫がみられ、19ヵ月の男児には細かいラ音が検出されており、区分1(呼吸器)とした。さらに、35歳男性は霧視、複視、死亡前の繰り返しの痙攣、剖検で後頭葉と小脳に膿瘍が認められ(ATSDR(1999))たこと、また、塩化第二水銀含有液剤で洗浄したオムツを使用した幼児で、易刺激性、いらだち、不眠などが報告されている(CICAD 50(2003))ことから、区分1(神経系)とした。以上より、本項の分類は区分1(腎臓、消化管、肝臓、心血管系、呼吸器、神経系)となる。 |
平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
金属水銀または無機水銀化合物の毒性における主要な標的臓器は腎臓と中枢神経系であり、高濃度のばく露では、呼吸器、心血管系、消化管にも影響が現れる(ATSDR(1999))と記載されている。神経系に関しては、職業ばく露では精神性興奮を生じさせ、ばく露の継続により手の細かい振戦を発症し、水銀ばく露作業者における神経伝達速度の低下は立証されている(EHC(J)118(1997))との報告がある。腎臓に関しては、無機2価水銀塩の摂取による重要な臓器は腎臓であり、職業ばく露では腎炎の発症の報告もある(EHC(J)118(1997))。動物試験では本物質を用いたラットの26週間反復経口投与(用量:1.25~5 mg/kg/day)で慢性腎症の程度増強、マウス(用量:5~20 mg/kg/day)では尿細管上皮の細胞質空胞化が見られた(NTP TR 408(1993))との報告がある。また、無機水銀化合物への経口ばく露による死因は、腎不全、心血管虚脱、重度の胃腸障害とされており(CICAD 50(2003))、本物質のばく露の場合、潰瘍性の胃腸炎の発症が見らる(EHC(J)118(1997))との記載がある。以上から本項の分類は区分1(神経系、腎臓、呼吸器、心血管系、消化管)とした。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1.8-4.3μg/L(EHC86, 1989)(塩化水銀(II)濃度換算値:2.4-5.8μg/L)から、区分1とした。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
金属であり水中の挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.003 mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分1とした。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成23年度(2011年度) | ガイダンス(H22.7版) (GHS 3版, JIS Z 7252:2009) |
|