NITE統合版 政府によるGHS分類結果

English



一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 75-01-4
名称 塩化ビニル
物質ID m-nite-75-01-4_v1
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類ガイダンス等(外部リンク) ガイダンス一覧へ
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書へ
FAQ(よくある問い合わせ) よくある問い合わせへ
情報源のリスト(Excelファイル) 情報源のリストへ
用語のリスト(Excelファイル) 用語のリストへ
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortalへ

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 可燃性ガス 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
ICSC(2000)による爆発限界下限値は3.6vol%であり、「区分1」に該当する。国連危険物輸送勧告では安定剤入りのものがクラス・区分2.1(国連番号1086)。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 酸化性ガス 区分に該当しない
-
-
- - 可燃性ガスに分類されている。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 高圧ガス 低圧液化ガス


警告
H280 P410+P403 臨界温度は151.5℃であり(HSDB(2005))、低圧液化ガスに該当する。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値が>4000 mg/kg bw(SIDS(access on May. 2009))との報告に基づき、JIS分類基準で区分外(国連分類基準で区分5又は区分外)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLC50値=152880ppm/2h(4時間換算値:108,102ppm)、200,000-250,000ppm/2h(4時間換算値:141,421-176,777ppm)(SIDS(access on May. 2009))、150,000ppm/2h(4時間換算値:106,066ppm)(NITE初期リスク評価書No.75(2005))に基づき、区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
塩化ビニルを誤って手に吹きかけて紅斑と2度の熱傷を負ったが、余病を発することなく回復したヒトの報告(EHC215(1999))に基づき区分2とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスのin vivo小核試験(NITE初期リスク評価書(2005))、ヒト末梢血リンパ球染色体のモニタリング解析(ATSDR(2006))(以上全て体細胞in vivo変異原性試験)における陽性結果に基づき区分2とした。なお、マウスを用いた優性致死試験およびスポットテスト(in vivo経世代変異原性試験)では陰性(NITE有害性評価書No.75(2005))、in vivo遺伝毒性試験として姉妹染色分体交換試験とDNA損傷試験では陽性(NITE初期リスク評価書(2005))がそれぞれ報告されている。また、in vitro変異原性試験として、ラットの骨髄細胞およびチャイニーズハムスターのV79細胞を用いたin vitro染色体異常試験で陽性、Ames試験では、陰性と陽性の両方の結果が報告されている(NITE初期リスク評価書No.75(2005))。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
6 発がん性 区分1A


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARC(1987)でグループ1(IARC Suppl.7(1987))、ACGIH(2001)でA1(ACGIH-TLV(2005))、EPA(2000)でA(IRIS(2005))、NTP(2005)でK(NTP RoC(11th, 2005))、日本産業衛生学会で第1群(産衛学会勧告(2004))に分類されていることから、区分1Aとした。
なお、ラットに30~52週間吸入または経口ばく露による、またマウスおよびハムスターに30~52週間吸入ばく露による多くの試験が実施され、肝臓の血管肉腫、腎芽細胞腫、乳腺の線維肉腫、肺の腺腫、腺がんなど複数の器官における腫瘍の発生頻度の有意な増加が認められている(NITE初期リスク評価書No.75(2005)、IARC vol.19(1979))。一方、世界各国で実施されている疫学調査によれば、職業ばく露を受けた労働者で肝臓がんや血管肉腫の発生頻度の増加(NITE初期リスク評価書(2005))が明らかにされており、また、一部に脳及び中枢神経系のがん、肺がんの増加(NITE初期リスク評価書(2005))も報告されている。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラット雄を11週間吸入ばく露後に1度だけ交配した結果、雄生殖能の低下を示す雌妊娠率の有意な低下(EHC215(1999))が見られ、また、妊娠1~9日目に吸入ばく露したラットでは吸収胎児数が有意に増加(SIDS(access on May. 2009))したとの報告に基づき区分2とした。なお、ヒトでは本物質のばく露により男性の生殖機能障害が報告(NITE初期リスク評価書No.75(2005))され、また、先天異常に関する疫学調査によれば、ポリ塩化ビニル生産工場を有する3地域の奇形発生率が対照地域に比べ有意に高く、中枢神経系の奇形、兎唇、口蓋裂、内反足などが顕著であったと報告(SIDS(access on May. 2009))されているがHC215(1999)においてこれらのデータはヒトでの生殖毒性を確認するには不十分であるとしていることから分類に採用しなかった。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトに8000または20000ppmを3分間吸入ばく露により、嘔気、めまい、頭痛の訴え(ACGIH(2001))があり、2.5%を3分間吸入ばく露によりめまいや見当識障害などの症状(EHC215(1999))が見られ、かつ日本の労災認定で塩化ビニルにばく露する作業に従事した労働者に発生した疾病の主なものでは、急性ばく露による障害では「めまい, 羞明, 嘔吐, 見当識障害等の自他覚症状を伴う中毒症状のほか, 急性の高濃度ばく露による中毒症状としては重症の不整脈, 虚脱, 意識喪失あるいは死亡に至った例」がある(昭51・7・29基発第556号)」。これにより区分1(中枢神経系)とした。また、ヒトで単回ばく露後の主な症状は麻酔作用であるとの記述(DFGOT vol.5(1993))があり、動物試験ではラット、マウス、モルモットおよびイヌに吸入ばく露した試験の所見において深い麻酔作用との記載(EHC215(1999))があるので区分3(麻酔作用)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、神経系、血管、血液、呼吸器、精巣、骨)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
塩化ビニルの職業ばく露に伴う有害影響に関して、多数の報告がある(NITE初期リスク評価書(2005)、IARC vol.19(1979))。ばく露された労働者にみられた有害影響に基づき標的臓器を特定し分類を行うと、肝機能障害、肝臓腫大、肝脾腫大、肝線維症、門脈性高血圧症など(NITE初期リスク評価書(2005))から区分1(肝臓)、多発性神経病を含む神経障害、大脳と錐体外路性運動神経障害、神経衰弱やうつ症状など(NITE初期リスク評価書(2005))から区分1(神経系)、レイノー現象あるいはレイノー病の症状(2005)、IARC vol.19(1979))から区分1(血管)、血小板減少、貧血、白血球減少、脾腫(IARC vol.19(1979))から区分1(血液)、肺気腫による死亡増加、呼吸不全、肺線維症など(NITE初期リスク評価書(2005))から区分1(呼吸器)、四肢先端の骨端融解、骨障害(NITE初期リスク評価書(2005))から区分1(骨)とした。また動物試験ではラットを用いた3、6、12ヶ月の吸入ばく露試験で0.026 mg/L/6h(10ppm/6h)で精巣の精細管障害が用量に依存して認められ(NITE初期リスク評価書No.75(2005))、区分1のガイダンス値範囲の用量であることから区分1(精巣)とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
10 誤えん有害性 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分に該当しない
-
-
- - 魚類(ゼブラフィッシュ)の96時間LC50 = 210 mg/L (SIDS, 2001)であることから、区分外とした。 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 信頼できる慢性毒性データが得られていない。
魚類(ゼブラフィッシュ)の96時間LC50 = 120 mg/L (SIDS, 2001)であり、難水溶性ではない(水溶解度=11000mg/L、PHYSPROP Database, 2009)ことから、区分外とした。
平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成21年度(2009年度) ガイダンス(H21.3版) (GHS 2版, JIS Z 7252:2009)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る