NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 75-91-2
名称 tert-ブチル=ヒドロペルオキシド
物質ID m-nite-75-91-2_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (隣接した酸素原子) を含んでおり、酸素収支は-195と判定基準の-200より高いが、分解開始温度及び分解エネルギーの情報がなく分類できない。なお、含有率79~90%のものは、UNRTDGにおいて有機過酸化物タイプC (UN 3103) に分類されており、爆発物には該当しないと考えられる。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点26℃ (方式不明) (GESTIS (Access on June 2017)) というデータがあり、所定の試験法において区分2または区分3のいずれかに該当すると考えられるが安全上の観点から区分2とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 含有率79~90%のものは、UNRTDGにおいて有機過酸化物に分類 (UN 3103、クラス5.2、タイプC) されている。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合しているが、データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 タイプC


危険
H242 P370+P378
P210
P234
P235
P240
P280
P403
P410
P411
P420
P501
含有率79~90%のものはUN 3103、クラス5.2、タイプCに分類される (UNRTDG 2.5.3.2.4)。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、560 mg/kg (SIDS (2002)) との報告に基づき、区分4とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P361+P364
P280
P312
P321
P405
P501
ウサギのLD50値として628 mg/kg (SIDS (2002)) との報告、及びラットのLD50値として470 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分3とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として1.8 mg/L (488 ppm) (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分2とした。は、なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (7,206 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとして、ppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、3件の試験のいずれにおいても腐食性又は壊死を伴う重度の刺激性がみられたとの報告 (EU-RAR (2006)) から、区分1とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質の皮膚腐食性/刺激性が区分1であることから、区分1とした。なお、ウサギによる眼刺激性試験において、複数の試験で重度の刺激性を示す結果が報告されている (EU-RAR (2006))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットによる皮膚感作性試験 (OECD TG 406準拠) において、10匹のうち6匹に中等度から重度の紅斑の陽性反応がみられたとの記述 (EU-RAR (2006)) から、区分1とした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウスの優性致死試験で陽性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性、ラットの肝臓細胞を用いたコメットアッセイ、ラットの肝臓、胃を用いたDNA付加体形成試験、ラットの精巣及び精巣上体精子を用いたDNA損傷試験で陽性である (EU-RAR (2006))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である (EU-RAR (2006)、DFGOT vol. 3 (1992)、NTP DB (Access on June 2017))。マウス優性致死試験での陽性は腹腔内投与による局所影響と推察され、本物質が非変異原性物質に代謝されることを考慮すると、吸収された本物質が生殖細胞に到達することは考え難い (EU-RAR (2006))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットに交配2週間前から妊娠21日ないし22日まで最大30 mg/kg/day を強制経口投与した試験では、親動物の生殖影響も児動物への影響も認められなかった (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。また、妊娠ラットを用いた強制経口投与 (妊娠6~15日) による発生毒性試験では、母動物にわずかな体重増加抑制がみられる50 mg/kg/day の用量で胎児には影響はみられなかった (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。以上、ラットでの試験結果からは生殖影響も発生影響もみられておらず、区分外の可能性も考えられるが、生殖への影響を調べた最初の試験では、親動物への一般毒性影響が認められておらず、生殖影響評価試験として投与量が不十分であった可能性を否定できない。したがって、この結果のみで本物質は生殖毒性を生じないとは結論し難く、データ不足のため分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)、区分2(神経系)、区分3(麻酔作用)



危険
警告
H370
H371
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験において、区分2相当の420 mg/kg以上で鎮静、皮膚の蒼白化、立ち直り反射喪失、流涙、体温低下、血尿がみられたとの報告がある (EU-RAR (2006))。また、ラットとマウスを用いた4時間吸入ばく露試験で不規則呼吸と、死亡例の剖検では肺の充血と肺表面の出血が認められ、LC50値はラットで1.845 mg/L (500 ppm)、マウスで1.292 mg/L (350 ppm) であったとの報告がある。この試験では影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LC50値付近の区分1範囲の用量でみられたと考えられる (EU-RAR (2006))。更にマウスを用いた知覚刺激試験で、本物質の30分の吸入ばく露で呼吸数低下と無呼吸が認められ、RD50値は20.9 ppm (0.0771 mg/L) であったとの報告がある (EU-RAR (2006))。経皮経路では、ウサギの単回経皮ばく露試験において、区分2範囲の1,997 mg/kgでチアノーゼ、運動失調、嗜眠、緩徐・努力呼吸、鼻汁、うっ血、虚脱、眼振、鼻孔からの赤色分泌物、痙攣が認められ、生存例では筋無緊張症を生じたとの報告がある (EU-RAR (2006))。以上の情報から、本物質は神経系と呼吸器を標的臓器とし、また麻酔作用を有すると考えられる。肺と神経系への影響が各々、区分1及び区分2 相当の用量で認められていることから、区分1 (呼吸器)、区分2 (神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。呼吸器への影響に関して、新たな情報源としてList 1の資料であるEU-RARを使用したため、呼吸器の区分を区分1に変更した。なお、旧分類は「メトヘモグロビン血症もしくはカルボキシヘモグロビン」との記述 (RTECS (2006)) を根拠として血液系も標的臓器としていたが、RTECS (Access on September 2017) には該当する記述はなく、他に血液系への影響の根拠となる情報も得られなかったため、不採用とした。したがって旧分類から区分が変更となった。
  
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ヒトに関する情報はない。
  実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による45日間反復経口投与毒性試験において、10 mg/kg/day (90日換算: 5 mg/kg/day) 以上の雄でビリルビンの増加、雄ラット特有の尿細管腎炎、30 mg/kg/day (90日換算: 15 mg/kg/day) の雄で網状赤血球数の減少がみられたが、雌では影響はみられなかったとの報告がある (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。
  以上のように分類に十分な情報は得られていない。
  評価書の内容を再確認した結果、旧分類から分類が変更となった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間EC50(速度法) = 1.1 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分2とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:2000))、藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 0.14 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分2となる。
  慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:2000))、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)= 14 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分3となる。
  以上の結果から、区分2とした。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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