項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 76-06-2 |
名称 | トリクロロニトロメタン |
物質ID | m-nite-76-06-2_v1 |
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項目 | 情報 |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を有し、酸素収支は0で、判定基準の-200よりも高く、爆発物に該当する可能性があるがデータがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団 (ニトロ基) を有するが、データがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素を含まず、塩素、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、250 mg/kg との報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)) に基づき、区分3とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値 (4時間) として、6.6 ppm (鼻部吸入) (PATTY (6th, 2012))、14.4 ppm及び18.9 ppm (環境省リスク評価第10巻 (2012)) との報告に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (16,654 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギに本物質0.5 mLを4時間閉塞適用した結果、高度の紅斑、浮腫、腐食性がみられ、14日間回復性はみられず、強度の刺激性及び腐食性ありと判断されている (農薬時報別冊『農薬技術情報』10号)。また、本物質は皮膚に付くと発赤、痛みを生じる (環境省リスク評価第10巻 (2012)) との記載や、ヒトに対して皮膚刺激性を有する (ACGIH (7th, 2001)) との記載がある。以上、「腐食性あり」との記載により、区分1とした。農薬技術情報のデータを追加し、区分を変更した。なお、本物質はEU DSD分類で「R38」、EU CLP分類で「H315 Skin Irrit 2」に分類されている。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
ウサギを用いた一次刺激性試験において、本物質0.5 mL適用により角膜、虹彩、結膜に傷害がみられ21日後の観察において強度の刺激性反応を示した (農薬時報別冊『農薬技術情報』10号) との報告がある。また本物質はヒトの結膜及び角膜に対して強度に刺激し、著しい流涙と閉眼反射を起こす (DFGOT vol. 6 (1994)) との記載や、本物質の蒸気は眼に対して強度の刺激性を有する (EPA Pesticide (2008)、JMPR (Chloropicrin (FAO Meeting Report PL-1965-10-2)) との情報から区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R36」、EU CLP分類で「H319 Eye Irrit 2」に分類されている。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス赤血球の小核試験、ラットの不定期DNA合成試験で陰性である (環境省リスク評価第10巻 (2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性であるが、ヒト細胞の小核試験、マウスリンフォーマ試験、ラット肝細胞の不定期DNA合成試験で陰性である (環境省リスク評価第10巻 (2012)、DFGOT vol. 6 (1994)、農薬時報別冊『農薬技術情報』10号 (1992)、NTP DB (Access on July 2014))。In vivoで陰性結果であるため、in vivoへの変異原性はないと判断した。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIH (1996) でA4に分類されていることから、「分類できない」とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分に該当しない |
- |
- | - | ラットを用いた吸入経路での二世代生殖毒性試験において生殖能に影響がみられていない (環境省リスク評価第10巻 (2012))。 ラット、ウサギを用いた吸入経路での催奇形性試験において母動物に死亡を含む重篤な毒性がみられる用量においても胎児にわずかな影響しかみられていない (環境省リスク評価第10巻 (2012))。 以上より催奇形性のほか、新たに、親動物の生殖能に関する情報が得られた。その結果、催奇形性及び親動物の生殖能に影響がみられなかったことから区分外とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器、血液系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトにおいては、強い気道粘膜刺激性があり、吸入ばく露により、流涙、鼻水、咳、頭痛、呼吸困難をともなう上気道刺激、気管支炎、肺水腫により死亡する場合がある。また、吸入や経口ばく露により、腹痛、咳、下痢、眩暈、頭痛、吐き気、咽頭痛、嘔吐、脱力感を生じる (環境省リスク評価第10巻 (2012)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1968)、EPA Pesticide Fact Sheet (2008)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 6 (1994))。また、より強いばく露を受けたものにはメトヘモグロビン生成及び溶血が報告されている (DFGOT vol.6 (1994))。 実験動物では、ラット又はマウスで気道の重篤な傷害がみられ、呼吸率の低下、呼吸上皮の潰瘍、壊死、気管支炎、肺水腫、肺のうっ血、出血、チアノーゼ、呼吸困難、死亡が報告されており、死亡の原因は呼吸不全との記載がある (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 6 (1994)、PATTY (6th, 2012))。これらの所見は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。なお、旧分類で記載の神経系への影響を示す所見は認められなかった。 以上より、区分1 (呼吸器、血液系) とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器、肝臓、血液系) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
住宅の地下でコウモリの駆除材として使用された本物質を発生源として、屋内気中の本物質にばく露された家族では、1週間以内に咳、涙、鼻水など刺激症状が発症し、喫煙者では重症化し、鼻腔及び咽頭粘膜の発赤及び浮腫を伴う気管支炎、副鼻腔炎がみられたとの記述もある (DFGOT vol. 6 (1994)) が、環境省の調査では本物質慢性ばく露に関する知見は得られなかったとされている (環境省リスク評価第10巻 (2012))。 実験動物における知見として、経口経路ではラットに13週間、78週間、又は2年間、強制経口又は混餌投与した試験、マウスに78週間強制経口、イヌに1年間強制 (カプセル) 経口投与した試験が行われており、区分1相当の用量 (1-5 mg/kg/day) で、ラットに肝臓 (門脈周囲肝細胞の空胞化)、イヌに消化器 (嘔吐、下痢)、血液系 (赤血球パラメータ (MCV、MCHC) の低下) への影響が、区分2相当の用量範囲 (20-33 mg/kg/day) で、ラット及びマウスに前胃の組織変化 (慢性炎症、角化亢進、棘細胞症)、ラットには加えて血液系 (ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値の減少)、呼吸器 (肺の炎症、うっ血) への影響がみられた (環境省リスク評価第10巻 (2012)、NTP TR 65 (1978))。これらのうち、消化器症状、前胃の組織変化は本物質の刺激性によるものと解され、消化器は標的臓器に含めない。 吸入経路では本物質 (蒸気) のラット及びマウスを用いた13週間吸入ばく露試験、及び長期ばく露 (ラット107週間、マウス78週間) 試験が実施された。いずれの試験結果も区分1の濃度範囲 (0.3-1.58 ppm (0.002-0.011 mg/L/6 hr)) から、呼吸器への広範な影響 (鼻腔、気管、気管支、肺における炎症性変化、上皮細胞の変性、壊死、過形成、線維化、肺胞蛋白症等) が認められた (環境省リスク評価第10巻 (2012)、PATTY (6th, 2012)) が、全身影響として共通的にみられる影響はなく、吸入暴ばく露では影響は局所に限定的と考えられた。 以上より、実験動物における有害性知見に基づき、区分1 (呼吸器、肝臓、血液系) に分類した。なお、旧分類はList 2、 3の情報源による分類結果で、今回分類に利用したList 1 の情報源からは「中枢神経系」を標的臓器とすべき所見は得られなかった一方で、「肝臓」を標的臓器に包含すべきとの知見を新たに得た。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50 = 0.078 μg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 110 μg/L、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 10 μg/L (いずれも環境庁生態影響試験, 1998、 環境省リスク評価第10巻, 2012)であることから、区分1とした。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 2002))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC (生長速度) <0.032 μg/L(環境省リスク評価第10巻, 2012)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0% (既存点検, 2002))、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 10 μg/L (環境庁生態影響試験, 1998、 環境省リスク評価第10巻, 2012)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 | 平成26年度(2014年度) | ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
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