NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7646-79-9
名称 塩化コバルト(II)
物質ID m-nite-7646-79-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on August 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on August 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on August 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。
水溶解度:529 g/L (20℃) (GESTIS (Access on August 2015))
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 塩素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、80 mg/kg (環境省リスク評価第11巻 (2013))、93.4 mg/kg (CICAD 69 (2006)、ATSDR (2004))、161.1 mg/kg (ATSDR (2004))、418 mg/kg (CICAD 69 (2006))、418 mg/kg (環境省リスク評価第11巻 (2013)) との5件の報告がある。3件が区分3に2件が区分4に該当するので、最も多くのデータが該当する区分3とした。今回の調査で入手した情報を追加し、区分を見直した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足で分類できない。なお、ラットのLDLo値として、2,000 mg/kg (RTECS (Access on September 2015)) との報告があるが、List 3の情報であり、原著による確認ができなかったため、分類には採用しなかった。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
本物質はヒトの皮膚に対して刺激性を持つ (HSDB (Access on September 2015)) との記載があることから区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
本物質は眼を刺激するとの記載があることから (環境省リスク評価第11巻 (2013)、HSDB (Access on September 2015))、区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
本物質の職業ばく露において本物質ばく露による喘息の報告が複数ある (DFGOT vol.23 (2007))。また、日本産業衛生学会はコバルト化合物として気道感作性第1群としている (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。以上から区分1とした。なお、感作性に関わる全ての物質が同定されているわけではないとの記載がある (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。本物質はEU CLP分類において「Resp. Sens. 1 H334」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。

平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において本物質適用による感作性がみられたとの報告や (DFGOT vol.23 (2007))、ヒトへのパッチテストで陽性結果が複数報告されている (DFGOT vol.23 (2007))。また、日本産業衛生学会はコバルト化合物として皮膚感作性第1群としている (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。以上から区分1とした。なお、感作性に関わる全ての物質が同定されているわけではないとの記載がある (日本産業衛生学会 許容濃度の勧告 (2015))。なお、本物質はEU CLP分類において「Skin sens. 1 H317」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。本物質はEU CLP分類において「Skin sens. 1 H317」に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、染色体異常試験で陽性 (CICAD 69 (2006)、DFGOT vol. 23 (2007))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、ヒト培養リンパ球の小核試験でいずれも陽性である (DFGOT vol. 23 (2007))。以上より、in vivo体細胞変異原性試験で陽性であり、ガイダンスに従い、区分2とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質を含む可溶性コバルト化合物のヒトでの発がん性に関する情報はない。実験動物では本物質粉末 (塩化コバルト) をラットに40 mg/kgで9日おきに5回皮下注射し、12ヶ月後の剖検で、皮下に線維肉腫の発生を認めたとの結果(IARC 52 (1991))、また、水溶性コバルト化合物を用いた発がん性評価として、硫酸コバルト・7水和物をラット、又はマウスに2年間吸入ばく露した発がん性試験において、いずれの種、性でも肺胞/細気管支の腺腫、又はがんの発生頻度に用量依存的な増加が認められた (IARC 86 (2006)) ことから、IARCは実験動物では発がん性の十分な証拠があると結論し、コバルト及びコバルト化合物全体の発がん性を「グループ2B」に分類した (IARC 52 (1991))。また、2006年の再評価では、硫酸コバルト及び他の可溶性コバルト(II) 塩類に対し、グループ2Bとした (IARC vol. 86 (2006))。この他、ACGIH がコバルト (金属元素及び無機化合物) に対し「A3」に、日本産業衛生学会がコバルト及びコバルト化合物に対し「2B」に分類している (ACGIH (7th, 2001))。以上より、分類ガイダンスに従い、本項は区分2とした。なお、EUは本物質の分類を「Carc. 1B」とし、SVHC指定の根拠とされている (ECHA Candidate List of substances of very high concern for Authorisation (Access on September 2015))。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
実験動物データも本物質自体の生殖影響に関する情報は限られているが、本物質投与に関連した毒性影響は生体に吸収後のコバルトイオンに起因するものと考えられる。したがって、他の水溶性コバルト化合物の情報も本分類に利用することとした。ヒトへの影響については、(5)のように塩化コバルトの催奇形性は認められないと報告されている。(1)、(3)、(4)より水溶性コバルト化合物は雄に精巣毒性及び精子への有害影響を生じ、雌を受胎させる能力(授精能)を低下させる。(2)から、母動物に顕著な毒性がない用量でラット、マウスに胎児毒性及び催奇形性を生じる報告がある。以上、本物質を含む水溶性コバルト化合物では経口経路で雄生殖器官への有害影響や授精能の低下、並びに母動物毒性のない用量で催奇形性を示すことが報告されているため、本項は区分1Bとした。

【根拠データ】
(1)硫酸コバルト・七水和物(CAS:10026-24-1)をマウスに13週間吸入ばく露した試験では、3 mg/m3以上で精子の運動性低下、30 mg/m3で精巣及び精巣上体重量減少、異常精子の比率の増加が認められた(環境省リスク評価第11巻(2013)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018))。
(2)硫酸コバルト(II)(CAS:10124-43-3)を妊娠ラットに妊娠期間を通して強制経口投与した結果、母動物に軽微な影響(肝臓、副腎、脾臓の相対重量増加)がみられた100 mg/kg/dayよりも低い用量(25, 50 mg/kg/day)で、胎児の体重低値に加え、骨格・内臓の発達遅延、奇形(主に頭蓋、脊柱、腎盂、尿細管、卵巣、精巣に奇形)の増加がみられた。本物質50 mg/kg/dayを妊娠マウスの器官形成期(妊娠6~15日)に強制経口投与した場合も、胎児に骨格の発育遅延、奇形(主に眼瞼、腎臓、頭蓋、脊椎)発生率の増加がみられた(環境省リスク評価第11巻(2013))。
(3)本物質を雄マウスに12週間飲水投与後に無処置雌と交配させた結果、200 ppm(25 mg/kg/day)以上で吸収胚数及び生存胎児数減少、400 ppm(47 mg/kg/day)以上で妊娠雌数及び着床部位数の減少が認められた。雄には精巣・精巣上体等の重量減少、精巣及び精巣上体における精子数の減少、精子形成能の低下が認められており、妊娠雌数の減少は雄の授精能の低下に起因すると考えられている(環境省リスク評価第11巻(2013)、NICNAS IMAP(Accessed Oct. 2018)、厚労省初期リスク評価書(2009))。
(4)本物質を雄マウスに72 mg Co/kg/dayで10週間飲水投与後に無処置雌と交配させた結果、投与群では妊娠動物数の減少、1腹当たりの生存胎児数の減少、及び同着床前死亡の増加がみられた。以上の結果は、雄の精子濃度の減少による受精率の低下による影響と考えられた。飲水投与し交配後の雄を6週間休薬させた回復群では、精子濃度は回復しなかったが、精子の運動量及び運動速度は正常レベルまで回復した(厚労省初期リスク評価書(2009))。

【参考データ等】
(5)ヒトにおける催奇形性は認められないとの報告、また出産時に抗貧血剤として塩化コバルトを服用した女性から産まれた新生児に臨床学的な変化は認められなかったとの報告がある(厚労省初期リスク評価書(2009))。
(6)EU CLPではRepr. 1Bに分類されている。

平成30年度(2018年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、消化管、肝臓、腎臓)、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質は気道刺激性がある (環境省リスク評価第11巻 (2013))。ヒトにおいては、約1.7 mgを摂取した6歳男児の症例報告で、ばく露7時間後に好中球減少症 (neutropenia) が報告されている (ATSDR (2004))。実験動物では、ラットの経口投与 (区分1相当の用量) で、自発運動低下、筋緊張低下、接触応答低下、呼吸数減少、肝臓、腎臓、胃腸管への影響、死亡 (死亡原因は不明との記載) がある (ATSDR (2004))。その他、動物種や用量は不明ながら、経口投与で鎮静、下痢、体温低下、また、モルモットの吸入ばく露 (用量不明) で、肺出血、肺水腫、死亡の報告がある (IARC 52 (1991))。
ヒトにおける好中球減少症は1例の所見であるため、血液系への影響は採用しなかった。
以上より、本物質は気道刺激性の他、実験動物の所見から中枢神経系への影響、肝臓、腎臓、消化管への影響が考えられ、区分1 (中枢神経系、消化管、肝臓、腎臓)、区分3 (気道刺激性) とした。
なお、旧分類のHSDB (2004) の所見が記載されており、「子供に赤血球の生成の抑制によるチアノーゼ、昏睡及び死に至るとの記述」、及び「本物質による影響には胸骨後面痛、耳鳴り、吐き気及び嘔吐、神経性難聴、気管圧迫を伴う甲状腺過形成、粘液水腫、倦怠感などが記述」
いずれの文献もtherapenticsとの記載があることから、ヒトの治療事例と推察され、単回ばく露の対象とはしなかった。
旧分類の区分を見直した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系) 、区分2 (精巣)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ヒトにおいて、貧血の治療用に本物質、又は硫酸コバルトを投与した際の過剰障害として、神経系 (食欲不振、吐き気、耳鳴り、難聴、神経障害)、甲状腺 (甲状腺腫、甲状腺へのヨウ素の取り込み阻害) への影響、ボランティアに本物質を経口投与した結果、赤血球系の造血亢進がみられた他、自覚症状として頭痛、腹部不快感の主訴が多かった (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006)) との報告がある。また、かつてビールの泡の安定化目的で、硫酸コバルトが添加されており、多量にコバルトを含むビールの大量消費者に心筋症による死亡例が報告され、コバルトの心筋障害作用が懸念され (CICAD 69 (2006)、ACGIH (7th, 2001))、コバルトの添加制限を行うことにより、心筋症の発生、それによる死亡例は消失したとされる (環境省リスク評価第11巻 (2013))。以上より、ヒトでの本物質を含む可溶性コバルト化合物の反復ばく露による標的臓器として、神経系、心血管系、甲状腺、血液系が挙げられる。
実験動物ではラットに本物質を7ヶ月間強制経口投与した試験において、0.5 mg/kg/day以上の用量で、赤血球数及びヘモグロビン量の増加が認められている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。また、本物質の6水和物をラットに8週間強制経口投与した試験でも血液影響がみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。この他、硫酸コバルト7水和物のラット、又はマウスを用いた13週間、又は2年間吸入ばく露試験において、ラット、マウスともに0.3 mg/m3の低濃度から、呼吸器に炎症性組織変化がみられ、ラット13週間ばく露では、加えて血液影響 (多血症、血小板数減少、網状赤血球数増加) もみられている (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006))。この他、雄マウスに本物質を200~800 ppmの濃度で12週間飲水投与した試験で、400~800 ppm (43~96 mg/kg/day: 区分2相当) で精巣重量減少、精巣上体精子数の減少、精子形成能の低下、精細管及び間質組織の変性がみられた (環境省リスク評価第11巻 (2013)、CICAD 69 (2006)) との報告がある。以上より、実験動物での本物質を含む可溶性コバルト化合物の標的臓器は呼吸器、血液系、精巣と考えられ、精巣は区分2、他は区分1の用量範囲での影響であった。
以上、ヒト及び実験動物での本物質を含む可溶性コバルト化合物の反復ばく露影響に関する情報に基づき、本項は区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、甲状腺、血液系)、区分2 (精巣) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
単子葉植物(コウキクサ)7日間EC50 (生長、湿重量) = 212 μgCo/L(換算値:0.47 mg CoCl2/L相当)(環境省リスク評価第11巻, 2013)であることから、区分1とした。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、金属で水中での挙動が不明であり、魚類(ゼブラフィッシュ)の16日間NOEC (生存) = 0.06 mg Co/L(換算値:0.13 mg CoCl2/L)(CICAD 69, 2006)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、金属で水中での挙動が不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1110 μgCo/L(換算値:2.4 mg CoCl2/L相当)(環境省リスク評価第11巻, 2013)であることから、区分2となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


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