NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7664-41-7
名称 アンモニア
物質ID m-nite-7664-41-7_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分1


危険
H220 P210
P377
P381
P403
爆発限界 (15.4-33.6% (GESTIS (Access on July 2014))) から区分1、爆発限界(16-25% (Matheson (2001))) から区分2、両方のデータがあるが、安全上の観点から区分1とした。なお国連危険物輸送勧告ではUN1005、クラス2.3である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品ではない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない
-
-
- - 可燃性/引火性ガスが区分1であり、酸化性はないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 液化ガス


警告
H280 P410+P403 臨界温度 (132.4℃ (GESTIS (Access on July 2014)) は+65℃を超えるため、液化ガス (低圧液化ガス) とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義によるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 健康有害性情報はアンモニア (ガス) の情報によって分類を行った。アンモニア水 (CAS:1336-21-6) の健康有害性情報も参照のこと。

GHSの定義におけるガスである。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
ラットのLC50値 (4時間換算値) として、7,679 ppm (EHC 54 (1986))、7,729 ppm (DFGOT vol. 6 (1994)) との報告に基づき、区分4とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質は皮膚に接触すると角質、脂質、コレステロール等に溶解又は乳化し重度の熱傷を引き起こす(DFGOT vol.6 (1994)) との記載がある。また、アンモニアガスにばく露されたヒトに、アルカリによる熱傷や重度の刺激がみられたとの報告 (DFGOT vol. 6 (1992)、ATSDR (2004)) から、区分1とした。本物質はEU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
粘膜に接触すると水酸化アンモニウムを生じ、重度の壊死を引き起こす (DFGOT vol. 6 (1994)) との記載があり、ヒトにおいて眼刺激性の報告 (EHC 54 (1986)) や、高濃度のばく露により重篤な障害を引き起こすとの記載がある (EHC 54 (1986)、ACGIH (7th, 2001))。また、ウサギを用いた試験において、結膜浮腫 (SIDS (2008) や、EHC 54 (1986))、眼瞼癒着、パンヌス、回復性のない角膜混濁等の影響がみられている (EHC 54 (1986))。以上の結果から区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
本物質にばく露されたヒトにおいて、喘息あるいは喘息様症状が複数報告されている (ATSDR (2004)、ACGIH (7th, 2001))。また、ATSDR (2004) ではアンモニアガスばく露と気管支喘息を含む呼吸器症状との間に統計学的に有意な関連性があるとし、別の報告では吸入誘発試験により喘息の原因をアンモニアとしている、以上に基づき、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。アンモニアにばく露及び非ばく露のヒトから採取された血液サンプルによる調査・分析により、染色体異常、姉妹染色分体交換の増加 (ATSDR (2004)) の報告があるが詳細不明である。In vitroでは、細菌を用いる復帰突然変異試験で陰性 (SIDS (2008)、IUCLID (2000))の報告がある。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 国際機関等の発がん性分類はない。データ不足のため「分類できない」とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
アンモニアガスを用いた生殖影響に関する試験として、ブタを用い交配前から妊娠期間中に吸入ばく露した試験において、性成熟、生存胎児数、黄体数に対する胎児の割合、胎児の体長に影響がないとの報告がある (ATSDR (2004))。しかし、非常に低い濃度 (7及び35 ppm) しか用いていないこと、対照群が設定されていないこと、雌しかばく露していないことなど生殖影響を調べるには十分でない (ATSDR (2004)) ことから分類には用いなかった。
なお、旧分類に引用されていた「ラットを用いた経口経路 (妊娠1日から授乳期間終了まで混餌投与) での発生毒性試験において、生後120日目に雄児動物で25%、雌児動物で16%の体重増加の減少がみられた。母動物の体重、摂餌量についての報告はない (ATSDR (2004))。」については、経口経路であり、アンモニアガスを用いた試験ではないため採用しなかった。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトにおいては、吸入経路で、上部気道刺激性、鼻、咽頭及び気管の熱傷感、呼吸困難、気管支や肺胞の浮腫、肺水腫、気管支肺炎、手足の筋肉痙攣、視覚障害が報告されている。吸入あるいは経皮ばく露による神経学的な影響は、通常、視覚低下といった直接接触によるものに限定されるが、重度のばく露は血中アンモニア濃度の有意な上昇(高アンモニア血症) から、非特異的脳障害、意識消失、筋力低下、深部腱反射の低下を生じる場合があるとの報告がある (SIDS (2008)、ATSDR (2004)、EHC 56 (1986)、IRIS (1991)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1979))。また、致死濃度の吸入ばく露で肝臓の出血性壊死、445-8,900 ppm、30分で死亡 (SIDS (2008)、ATSDR (2004)、EHC 56 (1986)) の報告がある。経皮ばく露でも呼吸困難、気管炎、気管支炎、気管及び肺の浮腫、気管支肺炎、肺水腫 (ATSDR (2004)、DFGOT vol. 6 (1994)) が報告されている。
実験動物では、ラットの256-897 ppmの吸入ばく露で、呼吸困難、チアノーゼ、鼻汁分泌、肺水腫、肺出血、マウスの1,190-4,860 ppmの吸入ばく露で、死亡動物に肺出血、生存動物の肺に軽度から中等度の限局性肺炎、致死濃度の3,440 ppmで肝臓の壊死 (SIDS (2007)、EHC 56 (1986)、ATSDR (2004)) が報告されている。実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
したがって、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトボランティアにアンモニアガスを6週間まで反復吸入ばく露した試験では、25 ppm (2時間/日) では異常はみられなかったが、50 ppm (4又は6時間/日) のばく露条件下では、ばく露開始後1週間以内から眼、鼻及び喉への刺激性がみられた (ATSDR (2004)、DFGOT vol. 13 (1999)、IRIS (1991)) との記述があり、実験動物 (ラット、ウサギ、モルモット) でも区分2の範囲内で鼻粘膜への刺激がみられた (SIDS (2008)、DFGOT vol. 6 (1994)) との記述があることから、区分1 (呼吸器) とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義におけるガスである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
本物質は専門家判断により、総アンモニアとして分類する方針とした。魚類(ニジマス)96時間LC50 = 13.0 mg/L (総アンモニア換算値。被験物質:NH4Cl, pH: 8.29)(Thurston et al., 1981)であることから、区分3とした。分類対象物質の考え方の変更により、旧分類から分類結果を変更した。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
-
-
- - 本物質は専門家判断により、総アンモニアとして分類する方針とした。慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(水生環境中で速やかに硝化される(SIDS, 2007))、甲殻類(ミシッドシュリンプ)の32日間NOEC =3.47 mg/L(総アンモニア換算値。被験物質: NH4Cl、pH: 7.92-8.01)(SIDS, 2007)であることから、区分に該当しない。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(ニジマス)96時間LC50 = 13.0 mg/L (総アンモニア換算値。被験物質:NH4Cl, pH: 8.29)(Thurston et al., 1981)であるが、急速分解性があり、生物蓄積性が低いと推定される(logKow= -1.14(SIDS, 2007))ことから、区分に該当しないとなる。
以上の結果より、区分に該当しないとした。分類対象物質の考え方及び慢性毒性の分類方法の変更により、旧分類から分類結果が変更となった。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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