NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7681-11-0
名称 ヨウ化カリウム
物質ID m-nite-7681-11-0_v1
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関連情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on June2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水溶解度が測定されており、水と激しく反応しないと推定される。水溶解度:148 g/100 g (HSDB (Access on June2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
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- - 酸素を含まずハロゲン (I) を含む無機化合物であるがデータがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、マウスのLDLo値として、1,862 mg/kgとの報告 (PATTY (6th, 202)) があるが、このデータのみでは分類できない。なお、List3情報として、ラットのLD50値として2,779 mg/kgとの報告 (GESTIS (Accesss on June 2015)) があるが、引用元を確認できないため、分類には使用しなかった。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、詳細は不明であるが、ヒトへの急性の毒性症状として、顔・首の浮腫の記載がある (CICAD 72 (2009))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験において、本物質 (3%溶液) を角膜に適用したところわずかな刺激性がみられ、刺激の程度は最大100に対し17であったとの報告がある (HSDB (Access on July 2015))。以上の結果から区分2Bとした。なお、長期連用による副作用として結膜炎、眼瞼浮腫などが記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、本物質の長期連用による副作用として喘息発作が記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。なおヒトに本物質の25%水溶液を適用した結果感作性はみられなかったとの報告があるが (GESTIS (Access on July 2015))、詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。また、本物質の長期連用による副作用として発疹、じんま疹が記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。なお、日本産業衛生学会は、ヨウ素及びその化合物として皮膚感作性第2群としているが、全ての化合物が同定されているわけではないとの注意書きがある (日本産業衛生学会許容濃度の勧告 (2014))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (ATSDR (2004)、CICAD 72 (2009))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - ヨウ素摂取と甲状腺がん発症との関連性については、複数の大規模疫学研究の結果、特にヨウ素欠乏の集団、風土病的な甲状腺腫多発地域など特定の集団ではヨウ素摂取量の増加が甲状腺腫瘍のリスク要因となるおそれのあることが示唆されたが、必ずしも全ての研究で発がんリスクの増加がみられたわけではなく、ヨウ素摂取と甲状腺腫瘍との関連性については、依然不明である (CICAD 72 (2009)) との記述、またヨウ素欠乏土壌に居住する住民の集団で、ヨウ素摂取の増加後に甲状腺がん、特に甲状腺乳頭がんの発生率の増加の報告もある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004))。
実験動物では本物質を約50 mg/kg/dayの用量で生涯経口ばく露 (混餌) したラット雌雄に唾液腺腫瘍の発生 (雌雄を合わせた統計検定でのみ有意な増加) がみられたのみであったとの報告 (CICAD 72 (2009))、並びにニトロソアミンでイニシエーション後にラットに本物質を経口 (飲水) 投与した2段階発がん試験において、甲状腺濾胞上皮細胞がんを誘発したため、プロモーション作用が示唆されたとの報告 (CICAD 72 (2009)) がある。ACGIHはヨウ素、及びヨウ化物に対し、2008年にA4に分類した (ACGIH (7th, 2008))。以上より、本項は分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分


危険
H360
H362
P308+P313
P201
P202
P260
P263
P264
P270
P280
P405
P501
ヒトでは摂取したヨウ素の体外への一排泄経路として、母乳中排泄があり、放射性ヨウ素を投与した研究結果から、吸収されたヨウ素の母乳への排泄率は甲状腺組織機能の状態により異なり、甲状腺機能亢進症の患者にヨウ化ナトリウム (Na123I) を経口投与後5.5日間に母乳中へ投与放射能の約2.5%が排泄されたとの報告 (CICAD 72 (2009))、同様に甲状腺機能亢進症患者で母乳中ヨウ素排泄率が約2.6%であったとの報告 (CICAD 72 (2009)) があるのに対し、甲状腺機能低下症の患者では放射性ヨウ化ナトリウムを経口投与後41時間以内に投与放射能の25%が母乳中に排泄されたとの報告がある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004))。ヒトでのヨウ素過剰摂取による健康影響としては、甲状腺腫、甲状腺機能障害、新生児、及び小児ではそれに関連したクレチン症、脳機能障害などが、また成人では生殖器系への二次的影響として、子宮出血、無排卵を含め月経周期異常を生じる可能性がある (ATSDR (2004)) との記述がある。
一方、実験動物ではヨウ素を妊娠ラットの妊娠期後半の12日間混餌投与 (2,500 mg/kg/day) した結果、母動物の25%が難産で分娩遅延をきたし、新生児死亡率の増加がみられたとの報告 (CICAD 72 (2009))、及び妊娠ウサギにヨウ化物 (本物質かは不明) を分娩前の2日間経口投与 (250 mg/kg/day) で、新生児の2/3が死亡したとの報告がある (CICAD 72 (2009))。
以上、ヒトでヨウ素の過剰摂取により、甲状腺機能障害をきたし、二次的影響として月経異常など性機能への影響が生じる可能性があること、吸収されたヨウ素が母乳中に排泄されるとの知見があること、母乳を介して新生児に移行したヨウ素が乳幼児の発達障害を及ぼす可能性が考えられる。ヨウ化物への過剰ばく露による生殖毒性のヒトでの証拠は十分とは言えず、本項は区分1B として、授乳影響の区分を追加した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (甲状腺)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒト事例では、New York City Medical Examiners Office (USA) の報告によると、ヨードチンキ (ヨウ素をエタノールに溶かしたもので、添加物としてヨウ化カリウム (KI) が含まれる) の経口摂取による18例の自殺例があり、そのヨードチンキの濃度は、1,200-9,500 mg (17-120 mg/kg 体重)で、摂取後48時間以内に死亡が認められている他、本物質溶液 (ヨードとして15 g) で自殺を試みたが回復したとの報告もある (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004)、PATTY (6th, 2012))。また、ヨードの急性過剰摂取は、一過性の甲状腺ホルモンの産生を低下させるとの記載がある (ATSDR (2004))。
ヨウ化化合物による症状として、致死量あるいは致死量近傍の毒性症状は、腹部痙攣、出血性下痢、消化管潰瘍、顔・首の浮腫、肺炎、溶血性貧血、代謝性アシドーシス、肝臓の脂肪変性、腎不全であるとの記載がある (CICAD 72 (2009))。 (これらについては、詳細情報が記載されていないため、採用しなかった。)
以上より、本物質は甲状腺への影響があり、区分1 (甲状腺) とした。
新たな情報を追加し旧分類を見直した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (皮膚、甲状腺、全身毒性)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
薬物治療に本物質を経口摂取した例でヨウ素疹がみられている。ヨウ素疹は、ざ瘡様膿疱を特徴とし、膿疱が合体した増殖性の結節病変が顔面、四肢、体幹などにみられた複数の事例があり、また、薬物治療に本物質を用いた例で発熱がみられた事例が報告されている。また、本物質の過剰な経口ばく露により、甲状腺機能低下がみられ、一方、甲状腺機能亢進を示す事例も報告されている (ATSDR (2004)、CICAD 72 (2009))。このほか、長期連用による重大な副作用として、ヨウ素中毒として皮膚や甲状腺の病変のほかに、喉頭炎、気管支炎、声門浮腫、喘息発作、唾液腺浮腫、耳下腺炎、胃炎、ヨウ素悪液質として、全身衰弱、心悸亢進、抑うつ、不眠、神経過敏などが記載されている (医療用医薬品集 2016 (2015))。以上のように、皮膚、甲状腺のほか標的臓器の特定が困難な全身性の諸症状がみられた。
したがって、区分1 (皮膚、甲状腺、全身毒性) とした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - 適切なデータが得られておらず分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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