NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7696-12-0
名称 シクロヘキサ-1-エン-1,2-ジカルボキシイミドメチル=(1RS)-シス-トランス-2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エニル)シクロプロパンカルボキシラート(別名:テトラメトリン)
物質ID m-nite-7696-12-0_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - エアゾール製品でない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 分子内に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。約50℃迄の温度での貯蔵で安定との記載あり(PM(13th, 2003))。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 固体である。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
17 鈍性化爆発物 -
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-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
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- - ラットを用いた経口投与試験のLD50値4,600 mg/kg(EHC 98(1990))は国連GHS急性毒性区分5に該当するが、国内では不採用区分につき、区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットを用いた経皮投与試験のLD50値>5,000 mg/kg(EHC 98(1990))から区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
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- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - 本物質の飽和蒸気圧濃度(30℃)は1.26×10-5 mg/Lの固体である。ラットを用いた3時間吸入暴露試験のLC50値>2.74 mg/L(HSDB(2001))より粉塵基準を適用する。4時間換算LC50値は>2.06 mg/Lより、区分を特定できないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - ウサギを用いた皮膚刺激性試験2件の判定について、いずれも「刺激性なし」(EHC 98(1990))である旨の記述がなされているが、暴露時間が不明であるため分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験2件の判定について、それぞれ、「slight」、「一過性の症状であり、48時間後に回復した」(EHC 98(1990))旨の記述がなされている。以上より区分2Bとした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - ヒトについては、200名の健常人への1%溶液を用いた半密閉パッチテストで「感作性はない」(EHC 98(1990))旨、記述されている。動物については、「ラセミ混合物および1R,cis/trans異性体は、モルモットにおける感作物質とは認められなかった」(EHC 98(J)(1990))との記述があるが、用量等の詳細が記述されていない。以上より、データ不足のため分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 体細胞in vivo変異原性試験(マウス骨髄細胞を用いる染色体異常試験)は「陰性」(EHC 98(1990))との記述から、区分外とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1)マウスでは腫瘍の発生増加がみられないこと、(2)ラットでは良性腫瘍の増加のみであり限定的な発がん性の証拠であると考えられることから、区分1Bに分類するには不十分と判断し、区分2とした。なお、(2)の結果が(3)で示されるような(6)の作用機序である場合、ヒトへの外挿性はないと考えられるが、(6)の作用機序によることを示すバックデータが不足していることから、(2)のヒトへの外挿性は否定できない。新たな知見に基づき、分類結果を変更した。旧分類からECHA CLPの分類が追加されたため、発がん性項目のみ見直した(2021年)。

【根拠データ】
(1)マウスを用いた2年間混餌投与(12~1,500 ppm:2.4~430 mg/kg/day)による発がん性試験では、腫瘍の発生増加は認められなかった(CLH Report (2015)、ECHA RAC Opinion (2016)、EPA Pesticides (2010))。
(2)母体の子宮内で胎生期から投与され、離乳後に投与開始されたラット(SD系)を用いた2年間混餌投与(1,000~5,000 ppm:42~300 mg/kg/day)による発がん性試験では、3,000 ppm(125 mg/kg/day)以上で雄に精巣間細胞の腺腫の発生率増加がみられた。同様に、2系統(SD、Long Evans)の雄ラットに胎生期から子宮内で、離乳後2年間混餌投与した発がん性試験においても高用量(5,000 ppm)群でいずれの系統の動物も精巣間細胞腺腫の発生率増加がみられた。精巣腫瘍の再現性が確認された(CLH Report (2015)、ECHA RAC Opinion (2016)、EPA Pesticides (2010))。
(3)ラットの精巣間細胞(ライディッヒ)腫瘍の発生機序は(6)のとおり、多く提唱されているが、既存知見からは本物質には変異原性はないと判断されている。その他の機序については、いずれも否定はできないが、ヒトへの外挿可能性は低いと考えられている。結論として、ラットの独立した2つの試験で精巣の良性腫瘍が認められたが、作用機序及びヒトへの外挿性は不明なままであり、発がん性分類はCarc. 2とされた(ECHA RAC Opinion (2016))。
(4)国内外の評価機関による既存分類結果として、EPAではグループC(Possible Human Carcinogen)(EPA Annual Cancer Report 2020 (Accessed Oct. 2021):1989年分類)又はS(Suggestive Evidence of Carcinogenic Potential:2005年分類基準)(EPA Pesticides (2010))、EUではCarc. 2に分類している(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021))。

【参考データ等】
(5)SD系ラットを用いた発がん性試験の結果、中及び高用量群の雄で精巣間細胞の腺腫の用量依存的な発生率の増加がみられた。精巣間細胞の腫瘍はSD系ラット及びLong Evans系ラットの雄でも結果の再現性が確認された。SD系ラットのヒストリカルコントロールの範囲内を超えていた。B6C3F1マウスを用いた発がん性試験では腫瘍の発生増加はみられなかった。ラットの精巣腫瘍は良性腫瘍で、試験の後期に生じ、胎生期からばく露を開始しても腫瘍の発生が早まることはなかった。したがって、精巣腫瘍は悪性腫瘍に進行しないと判断された(EPA Pesticides (2010))。
(6)ラットのライデッヒ細胞腫瘍については視床下部-下垂体-精巣軸の障害のベースには少なくとも9つの異なる作用機序が知られている。これらの機序には、1)GnRH(性腺刺激ホルモン)アゴニスト作用、2)ドーパミン系アゴニスト/亢進、3)変異原性、4)アンドロゲン受容体アンタゴニスト(拮抗作用)、5)5α-還元酵素阻害作用、6)エストロゲン受容体アゴニスト/アンタゴニスト、7)アロマターゼ阻害作用、8)テストステロン生合成能の低下、9)テストステロン代謝の亢進である。これらのうち、ヒトへの外挿妥当性が確かであるのは、3)変異原性のみである。1)、2)はヒトへの外挿妥当性はないと考えられており、他の機序についてはその可能性が低いと考えられれている(ECHA RAC Opinion (2016))。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - ラットを用いた生殖毒性試験において、「親動物に肝臓重量の増加、腎臓重量の増加、体重増加抑制、摂餌量の減少がみられた用量で、児動物に影響はみられなかった。しかし、最高用量の1,000 mg/kgでは、妊娠率の変化はないが性周期への影響と排卵抑制作用が見られた」(EHC 98(1990))旨の記述がある。この一次文献は非公開データで詳細が不明であるため、分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
EHC 98(1990)に、「毒性徴候には、過剰興奮、振戦(ふるえ)、運動失調、機能低下が含まれる」旨の記述がある。引用文献のうちの1つ(Degradation, metabolism and toxicity of synthetic pyrethroids.(1976))を確認したところ、ラットおよびマウスを用いた単回吸入暴露試験で、「易刺激性、運動失調、尿失禁がみられた」旨の記述がある。この影響は区分2のガイダンス値の範囲内でみられた。以上より区分2(中枢神経系)とした。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - EHC 98(1990)に、マウスを用いた104週間混餌投与試験において、「雄に脳下垂体および甲状腺/副甲状腺の重量減少、脾臓重量の減少」がみられた旨、記述されている。また、ラットを用いた6ヶ月間混餌投与試験において、区分2のガイダンス値の範囲内で「雄で血清カルシウム値の上昇、肝臓脂質含量の減少、雌雄で尿タンパク量の僅かな増加、腎の相対重量および肝臓重量の増加、血清コレステロール値の上昇」(EHC 98(1990))がみられた旨、記述されている。肝臓の症状については「飼料へのコーン油添加に関連した適応性変化である」(EHC 98(1990))ことが指摘されている。また、その他の臓器については重量減少以外の影響が見られておらず、重大な症状にはあたらないと考えられる。以上から、いずれも標的臓器としては採用しないが、本物質の暴露によりヒトで健康影響を生じる可能性を完全には否定できないので、分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データがないので分類できない。 平成20年度(2008年度) ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ニジマス)96時間LC50 = 0.0037 mg/L(EPA Pesticides RED, 2010、EU CLP CLH, 2015、OPP Pesticide Ecotoxicity Database)であることから、区分1とした。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:1.6%(METI既存点検結果, 2005))、藻類(ムレミカヅキモ)の72時間NOErC = 0.25 mg/L(EU CLP CLH, 2015)から、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(甲殻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく、魚類(ニジマス)の96時間LC50 = 0.0037 mg/L(EPA Pesticides RED, 2010)から、区分1となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和3年度(2021年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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