NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7705-08-0
名称 塩化鉄 (III)
物質ID m-nite-7705-08-0_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
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- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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-
- - 水と接触すると分解し、塩化水素を生じる (ICSC (2004)) という観察結果が得られており、水と反応しても可燃性ガスを発生しないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 酸素を含まず、ハロゲンを含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、大部分の金属に腐食作用を及ぼす(ホンメル (1991)) という情報がある。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、500-5,000 mg/kg、900 mg/kg、1,872 mg/kg、約2,900 mg/kg 、約2,900 mg/kgの5件の報告 (SIDS (2008)) がある。区分4及び区分外にそれぞれ2件づつのデータが該当するので、LD50値の小さい値の該当する区分4とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質は強酸性物質であり、0.1M溶液はpH2 (HSDB (Access on September 2014)) との記載があることから区分1とした。なお、ウサギを用いた試験の報告が3報あり、刺激性ありが2件、刺激性なしが1件の結果が報告されている (SIDS (2008)、IUCLID (2000)) 。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質は強酸性物質であり、0.1M溶液はpH2 (HSDB (Access on September 2014)) との記載がある。また、ウサギに本物質の40%水溶液を適用した結果、重度の刺激性を示した (SIDS (2008)、IUCLID (2000))。以上の結果から区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。モルモットを用いた試験において、2匹中1匹に陽性反応がみられたが、例数が少なく試験法について不明であるため結論できないとの記載がある (SIDS (2008)、IUCLID (2000))。また、66歳白人男性の鉄への接触感作と本物質2%液のパッチテストでの陽性反応が報告されている (SIDS (2008)、IUCLID (2000)) が1症例のみである。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2008))、in vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験1例で陽性であるが、複数の細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (SIDS (2008)、NTP DB (Access on October 2014))。なお、マウス精巣を用いたin vivo染色体異常試験で陰性報告があったが、詳細不明であった (SIDS (2008))。
旧分類で、「マウスに経口投与による骨髄細胞の染色体異常試験陽性結果 (IUCLID (2000)) 」は誤りであり、硫酸鉄 (II) における陰性の結果であったことから削除した。また、旧分類の「マウスに経口投与による骨髄細胞の小核試験陽性結果 (IUCLID (2000))」は、SIDS (2008) において対照群がないなど複数の問題がありin validと記載されているため削除した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 国際評価機関による発がん分類はない。雌雄のF344ラットを用いた2年間飲水投与発がん性試験で発がん性はみられていない (SIDS (2008)) が、1種の動物のみの結果でありデータ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
なお、生殖毒性試験の情報はないが、ラットの精巣内に投与した実験で精巣、精巣上体の精子形成に影響がみられたとの報告、交配1日前にラットの膣内に投与した実験で着床前の死亡がみられたとの報告 (SIDS (2008)) がある。これらは通常の生殖発生毒性試験と投与経路が異なることから分類根拠としなかった。また、ラットを用いた経口経路 (飲水) での催奇形性試験において、母動物及び胎児に影響がみられていないとの報告がある (SIDS (2008))。しかし、1用量のみの試験であり分類に用いなかった。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質ではないが、鉄化合物として、粉塵、ミストの吸入で気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2008)、HSDB (Access on September 2014))。
本物質については、1例の報告であるが、ヒトが塩化第二鉄溶液200 mL (pH1) を誤飲した事例で、初期に低酸素血症、呼吸性アルカローシスを伴う重度の代謝性アシドーシス、摂取3時間後に嘔吐、意識混濁、頻脈、頻呼吸、摂取4時間後に重度の嘔吐、心肺停止により死亡したとの報告がある (HSDB (Access on September 2014))。
なお、ヒトの鉄化合物の経口摂取により、嘔吐、下痢、軽度の嗜眠、上腹部痛、蒼白、重篤な場合、高血糖、チアノーゼ、昏迷、アシドーシス、吐血、昏睡の報告、硫酸鉄 (II) の経口摂取で胃粘膜の影響、心血管/末梢循環系の影響、代謝性アシドーシス、中枢神経系への影響の記載がある (SIDS (2008)、ACGIH (7th, 2001))。
以上より、本物質は気道刺激性を有すると考えられることから区分3 (気道刺激性)、また、全身性に影響を与えると考えられるが標的臓器を特定できないことから区分1 (全身毒性) とした。
旧分類では全身毒性を区分2としていたが、ヒトへの影響は上記のとおり重篤な場合があることから、区分1に変更した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
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- - 塩化鉄 (III) ・6水和物をラットに13週間飲水投与した試験において、無毒性量 (NOAEL) は 5,000 ppm (雄: 277 mg/kg/day、雌: 344 mg/kg/day相当) と報告されている (SIDS (2008)) が、病理組織検査を含めて十分な評価項目で実施された試験結果ではない。
2価の鉄イオンは胃内の低pHにもかかわらず3価の鉄イオンに酸化され、タンパクとキレートを形成して水溶性を高め、小腸粘膜より吸収される (SIDS (2008)) との記述があり、反復投与毒性試験を2価鉄化合物まで範囲を広げて調査しても、硫酸鉄 (II) ・7水和物をラットに最長49日間、塩化鉄 (II) をラットに最長54日間、いずれも強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、区分2までの用量範囲では無毒性で、高用量群 (ガイダンス値換算で233 mg/kg/day超) でさえ、脾臓、肝臓への色素 (ヘモジデリン) 沈着、血液影響などがみられた程度で、重篤な標的臓器毒性はみられていない (SIDS (2008))。以上より、経口経路では区分外相当と考えられるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため「分類できない」とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分3
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H402 P273
P501
甲殻類(ミジンコ)による48時間LC50 = 37.5 mg/L (12.9 mgFe/L)(SIDS, 2008)であることから、区分3とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分に該当しない
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- - 無機化合物につき環境中動態が不明であるが、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 2.0 mg/L (0.70 mgFe/L)(SIDS, 2008)であることから、区分外とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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