NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7772-99-8
名称 塩化第一スズ
物質ID m-nite-7772-99-8_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
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- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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-
- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水溶解度 900g/L (20℃) (ICSC(2004)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない
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- - 強力な還元剤 (ICSC (2004)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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- - ラットのLD50値として、700 mg/kg (JECFA FAS 46 (addendum) (2001)、NTP TR231 (1982))、>1.5 g/kg (CICAD 65 (2005))、2,275 mg/kg (絶食)、3,200 mg/kg (給餌) (JECFA FAS 46 (addendum) (2001)) の4データの報告、及び二水和物のラットのLD50値として、3,190 mg/kg (無水物としての換算値:2,681 mg/kg) (DFGOT vol.14 (2000)) の1データの報告がある。最多数 (3件) のデータが該当する区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質の5%水溶液を18 時間適用したところ皮膚刺激は生じなかったとの報告 (CICAD 65 (2005))や、ヒトパッチテストにおいて、5%及び10%溶液は皮膚刺激性を示した (DFGOT vol.14 (2000)) との報告がある。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、無機スズ化合物は眼に対して刺激性を持つ可能性があるとの記載がある (ATSDR(2005))。旧分類にあるACGIH-TLVの記載は有機スズ化合物の情報であったため削除し、区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。なお、本物質はラットに対して感作性を示さなかったとの報告 (DFGOT vol.14 (2000)) や、ヒトのパッチテストで陽性との報告 (DFGOT vol.14 (2000)) があるが詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性、姉妹染色分体交換試験で弱い陽性反応が認められているが明瞭な用量反応はみられていない (CICAD 65 (2005)、NTP DB (Access on September 2014))。In vitroでは、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性である (ATSDR (2005)、CICAD 65 (2005)、NTP DB (Access on September 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - 国際評価機関による発がん分類はない。NTPによるラット及びマウスを用いた発がん性試験の結果では、雄ラットにおいては甲状腺のC細胞腺腫頻度の上昇がみられequivocalとしているが、NTPは発がん性はないと結論している (NTP TR231 (1982)、CICAD 65 (2005))。その他、発がん試験データはない。以上より、「分類できない」とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分に該当しない
-
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- - ラットを用いた経口経路 (混餌) での3世代生殖毒性試験において、最高用量 (800 mg/kg/day) においても親動物の成長、生殖能、児の成長に影響がなく、奇形もみられていない。また、マウス、ラット、ハムスターを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、親動物毒性の記載はないが、着床、胎児生存、胎児の奇形 (骨格及び軟組織) の発現率に影響なしとの報告がある (CICAD 65 (2005)、ATSDR (2005))。
以上のことから、区分外とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
無機スズ化合物は粘膜刺激性を示す (ATSDR (2005)) としていることから、区分3 (気道刺激性) とした。
なお、本物質についてラット、マウスの短時間経口投与で、運動失調、全身機能低下、脚弱、弛緩性麻痺などの中枢神経系への影響、また、腎臓の腫脹、変色、尿細管壊死とその後の再生を特徴とする腎病変を誘発したとの報告 (CICAD 65 (2005))、マウスの単回経口投与で肝臓及び脾臓に壊死がみられたとの報告がある (CICAD 65 (2005)) が、いずれもこれらの所見がみられた用量、並びに、死亡個体における所見か生存個体かの詳細内容が記載されておらず、区分の指標とはできなかった。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓、腎臓)、区分2 (血液系)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの本物質反復ばく露による有害性知見はない。ただし、ACGIH (7th, 2001) では酸化スズのダスト、ヒュームへの吸入ばく露により無機スズ化合物へのばく露によりスズ肺症 (軽度の塵肺) を生じることが知られており、水素化スズ (SnH4) を除く無機スズ化合物全般に対して、呼吸器影響を基に許容濃度を設定している (ACGIH (7th, 2001))。 しかし、本物質は水溶性化合物であり、不溶性の酸化スズのようにダスト、ヒュームの形態として吸入ばく露される可能性は低く、標的臓器として「呼吸器」を設定するのは妥当性を欠くと考えられた。すなわち、ヒトの知見からは標的臓器を特定できない。
一方、実験動物ではラット、マウス、又はウサギを用いた経口経路 (主として混餌投与) での試験が多数実施されている。区分2までの用量で毒性所見がみられていない試験も多数あり、特にラット及びマウスに2週間、13週間及び2年間混餌投与したNTP試験では、区分外の高用量で消化管への軽微な影響がみられたのみであった (CICAD 65 (2005)、ATSDR (2005))。他方、以下の試験結果は区分2までの用量範囲において、本物質の標的臓器を示す知見であり、CICAD及びATSDRの評価で、標的臓器として共通して掲げており、分類に利用することが可能な毒性情報である。すなわち、ラットに離乳後より自然死するまで生涯にわたり飲水投与した試験では、区分1の用量 (8 mg/L: 0.7 mg/kg/day相当) で肝臓の脂肪変性、腎尿細管の空胞化が、ウサギに4ヶ月間強制経口投与した試験では区分1上限用量 (10 mg/kg/day) で一過性の貧血所見がそれぞれ認められている (CICAD 65 (2005)、ATSDR (2005))。また、ラットの13週間混餌投与試験では、区分2上限の用量 (3,000 ppm (95 mg/kg/day相当)) で、貧血所見 (ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値の減少) と肝臓の組織変化 (胆管上皮の増生) が認められている (CICAD 65 (2005)、ATSDR (2005))。実験動物における吸入経路での毒性情報は得られなかった。
以上、実験動物での知見に基づき、本項の分類は区分1 (肝臓、腎臓)、区分2 (血液系) とした。なお、関連物質の塩化第二スズ (ID: 55; CAS No.: 7646-78-8) の分類結果も参照のこと。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため、分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(タラシオシラ)の72時間EC50=200μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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