NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7782-49-2
名称 セレン
物質ID m-nite-7782-49-2_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2009)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2009)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2009)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水に不溶 (ICSC (2009)) との結果があり、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 酸素及びハロゲンを含まない無機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
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- - ラットのLD50値として、6,700 mg/kg との報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2000)、EHC 85 (1986)) に基づき、区分外とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - ラットのLCLo値として、≦ 33 mg/m3 との報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)) があるが、このデータのみでは、LC50値がどの区分に該当するのかを特定できないので分類できないとした。なお、LCLo値が飽和蒸気圧濃度 (3.2 mg/m3) より高いため、粉じんの基準値を適用した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - セレン及びその化合物としてIARC (suppl 7, 1987)でグループ 3、EPA (1991) でDに分類されていることから分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた経口経路 (混餌) での生殖毒性試験において、親動物の一般毒性についての記載はないが、繁殖能の低下、出生後の児の死亡の報告がある (EHC 58 (1986))。しかし1群当たりの動物数が雄2匹、雌4-6匹と少ないこと、報告年も1936年と古く現在の生殖試験とは異なっていることから、区分に用いるには不十分なデータと判断し、分類できないとした。旧分類の情報を精査し区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、消化管)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ヒトにおいて、吸入経路で気道刺激性、重度のばく露で呼吸困難、気管支痙攣、気管支炎、化学肺炎を引き起こすとの報告 (ATSDR (2003)、HSDB (Access on August 2014)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2000)、ACGIH (7th, 2001))、フューム及びダストの急性吸入ばく露による一次傷害部位は呼吸器であるとの報告 (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2003))、経口摂取により急性セレン中毒を引き起こし、胃腸障害、神経系障害、呼吸不全、心筋梗塞、心血管系への影響の報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (2003)) がある。
実験動物では、ダストの急性吸入ばく露による一次傷害部位は呼吸器であるとの報告がある (ATSDR (2003))。ラットにダスト0.033 mg/Lの吸入ばく露で、肺の出血及び肺水腫を含む重篤な呼吸器への影響がみられ、生存動物で間質性肺炎が認められた (ATSDR (2003))。また、ウサギ、モルモットのダスト吸入ばく露でも軽度の間質性肺炎、肺のうっ血、僅かな肺気腫がみられた (ATSDR (2003)、HSDB (Access on August 2014))。これらの肺への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、本物質は、ヒトに対し中枢神経系、呼吸器、心血管系、消化管への影響が報告されている。一方、実験動物では呼吸器への影響が区分1に相当する濃度範囲でみられている。したがって、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、消化管) とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器、肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
セレン精錬工場で気中セレン濃度0.007-0.05 mg/m3にばく露された作業者62名中35名に症状発現がみられ、頭痛、不眠、食欲不振、吐き気などの神経系、消化器症状が半数以上に、結膜炎及び気管支炎が9名にみられた (NITE初期リスク評価書 (2008)、ACGIH (7th, 2001)、EHC 58 (1986))。この他、金属セレンのヒュームにばく露された技術者、金属セレンと亜セレン酸ナトリウムを扱う職人に顔面等の浮腫、後者には加えて肝臓腫大がみられ、金属セレンと二酸化セレンの混合エアロゾルへの長期ばく露例では鼻炎、鼻出血、四肢末端の疼痛が発症したとの症例報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。
実験動物に金属セレンを反復ばく露した試験データは極めて限られており、モルモット、ウサギに33 mg/m3を1日おきに4時間/回、8回吸入ばく露した結果、モルモットに肺のうっ血及び間質性肺炎、肝臓のうっ血及び脂肪変性が、ウサギに肺のうっ血及び肺炎がみられた (ATSDR (2003)) との記述があり、分類には利用できないが、ヒトでの有害性知見を支持する情報と考えられた。
よって、ヒトでの知見に基づき、区分1 (神経系、呼吸器、肝臓) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分4
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H413 P273
P501
L(E)C50≦100mg/Lデータが存在するものの、金属であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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