NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7783-00-8
名称 亜セレン酸
物質ID m-nite-7783-00-8_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性 (ICSC (2000)) 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 水溶解度 167 g/100 mL (20℃) (ICSC (2000)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、ラットに対する、亜セレン酸塩中のセレン量のLD50値として、4.8-7.0 mg/kg (ATSDR (2003)、ACGIH (7th, 2001)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2000)、EHC 85 (1986)) との報告がある。この値を本物質に換算すると7.7-11.3 mg/kg となり、区分2に該当する。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
本物質は化学火傷を起こすとの記載があり (EHC 58 (1986)、HSDB (Access on July 2014))、皮膚腐食性を示すと考えられることから区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質の眼に対する影響に関する情報はないが、本物質との接触により化学火傷を引き起こすとの記載 (HSDB (Access on July 2014)) をもとに、皮膚腐食性/刺激性の分類において区分1としたことから、本項目でも区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - IARC (suppl 7, 1987) でグループ 3、EPA (2005) でDに分類されていることから、分類できないとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。
なお、List 3の情報として、ラット、マウス、ウサギ、ハムスター、カニクイザルを用いた催奇形性試験において、親動物での毒性発現量以下での奇形発生はないとする報告がある (CERIハザードデータ集2001-39② (2002))。しかし、List 1、List 2の情報がなく、生殖毒性に関する情報もないため、分類できないとした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は、気道に腐食性、刺激性を示す (ATSDR (2003)、HSDB (Access on August 2014))。ヒトにおいては、本物質ヒュームの吸入ばく露で、気管支痙攣、咳、吐き気、嘔吐、失神、頻脈、頻呼吸、軽度の低血圧、悪寒、下痢、頭痛、発熱、チアノーゼ、呼吸困難、白血球増加、化学性肺炎が認められている (HSDB (Access on August 2014))。なお、経口ばく露では、本物質を含むガンブルー (gun blue:亜セレン酸、硝酸、硝酸銅が含まれる酸化被膜処理剤) の誤飲等による摂取で、流涎、息のガーリック臭、嘔吐、下痢、重度の胃腸障害、痙攣、浅呼吸、血圧上昇、心拍数増加、成人呼吸窮迫症候群、呼吸不全、重度の筋障害、代謝性アシドーシス、白血球増加、高血糖、心筋症、心不整脈、中程度の肝臓・腎臓・肺機能の障害、神経障害、呼吸不全症候群、心筋梗塞、腎不全、死亡の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003)、HSDB (Access on August 2014)、PATTY (6th, 2012))。
以上より、ヒト吸入ばく露で、中枢神経系、呼吸器、心血管系への影響が認められ、ヒト経口ばく露では、ガンブルーの摂取による複数の症例等において中枢神経系、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓が標的臓器と考えられることから、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓) とした。


平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器、血液系、肝臓、腎臓、精巣)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質反復ばく露による有害性知見はヒト、実験動物のいずれもないが、イヌ又はラットを用いて本物質と金属セレンを吸入ばく露し、吸収率、分布等を比較した結果、本物質の方が金属セレンより吸収が良好で、吸収後の体内分布、代謝過程は同じであるとの生体内運命に関する知見 (NITE初期リスク評価 (2008)、ATSDR (2003)、EHC (1986)) より、本物質は金属セレンとほぼ等価の毒性を示すものと考えた。よって、金属セレン (CAS: 7782-49-2) に倣い、区分1 (神経系、呼吸器、肝臓) に分類した。
一方、本物質のナトリウム塩 (亜セレン酸ナトリウム; CAS: 10102-18-8) を実験動物に経口投与した試験が多数あり、本物質の反復経口ばく露と等価の毒性を示すものと考え、これらもGHS分類に利用することとする。
すなわち、ラットに亜セレン酸ナトリウムを4週間-13週間混餌投与した複数の試験で、区分1に該当する用量 (亜セレン酸ナトリウムとして90日換算:0.0044-1.88 mg/kg/day) で、肝臓 (小葉中心性び慢性小結節、類洞の拡張、肝細胞壊死、単核細胞の門脈浸潤など)、腎臓 (腎乳頭の変性、壊死)、血液系 (ヘモグロビン濃度の減少、脾臓の腫大)、精巣 (重量低下、精子の形態異常、精巣上体内精子数の減少) への影響がみられ (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))、また、モルモットに60日間混餌投与した試験で血液毒性 (貧血、リンパ球減少) が区分1の用量 (15 ppm= 0.75 mg Se/kg/日; 亜セレン酸ナトリウム90日ばく露換算:1.09 mg/kg/day) で、ラットに2年間混餌投与した試験でも区分1相当量 (0.1 mg/kg/day) で肝臓 (肝臓実質の変性、過形成)、腎臓 (腎炎) への影響が認められたと報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))。
以上、吸入経路での金属セレンの分類結果と経口経路での亜セレン酸ナトリウムの分類結果を併せ、区分1 (神経系、呼吸器、血液系、肝臓、腎臓、精巣) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データがなく分類できない。 平成18年度(2006年度) マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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