NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7783-70-2
名称 フッ化アンチモン(V)
物質ID m-nite-7783-70-2_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
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- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2015))。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 半金属 (Sb) を含み、水と反応する (NITE総合検索 (Access on July 2015)) が、生じるガスはフッ化水素であって可燃性ガスではない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 分類できない
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- - 酸素を含まず、フッ素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 多くの金属を侵す (ICSC (2011)) との記述があるが、データがなく分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
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健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、アンチモン塩としてのヒトの推定致死量として、5~50 mg/kgとの報告 (Sittig's (5th, 2008)) があるが、信頼性にかける情報であるために分類には採用しなかった。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における液体である。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。マウスのLC50値として、152 mg Sb/kg (2時間) (SbF5換算値:270 mg/kg) との報告 (DFGOT vol. 23 (2007)) があるが、適切な単位が使用されていないために分類には採用しなかった。また、マウスのLC50値として、270 mg/m3 (30.5 ppm) との報告 (RTECS (Access on August 2015)) もあるが、ばく露時間が不明であるために分類には採用しなかった。LC50値が飽和蒸気圧濃度 (12,833 ppm) より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。ばく露時間を考慮し、区分を見直した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
本物質は皮膚に対して強い刺激性をもつとの記載や (HSDB (Access on August 2015))、皮膚火傷を起こすとの記載がある (HSDB (Access on August 2015))。回復性についての記載はないことから、区分2に変更した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
具体的な情報はないが、本物質は眼に対して強い刺激性をもつとの記載がある (HSDB (Access on August 2015)) 。回復性についての記載はないことから、区分2Aに変更した。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
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- - 本物質の発がん性に関する情報はヒト、実験動物ともにない。
アンチモン化合物のうち、三酸化アンチモンに対しては、アンチモン製造工程で主に三酸化アンチモンのダストにばく露された英国の工場作業者のうち、8年以上従事した作業者に肺がんによる死亡例が多発したと報告され、その後、対象を拡げて調査した作業者の肺がん死亡の期待値 (5.7) は同年齢の肺がん死亡による期待値 (4.5) を僅かに上回るが、この程度の発がんの過剰リスクは例数が少なく、統計学的に必然的な事象とはいえず、「曖昧な結果」とされた (ACGIH (7th, 2001))。また、米国においてアンチモン鉱石精錬工場でアンチモンと砒素にばく露された作業者でも、三酸化アンチモンのダストばく露による肺がんが懸念されたが、肺がん死亡例の記録などがなく、情報不足で解析できなかった (ACGIH (7th, 2001)) と記述されている。これらの限定的なヒト疫学の知見に加えて、ラットに三酸化アンチモンのダスト (45 mg/m3)、又はアンチモン鉱石の破砕濃縮物 (40 mg/m3) をラットに1年間吸入ばく露した試験で、いずれのばく露群でも肺腫瘍が32%の発生率でみられ、腫瘍は組織学的に肺の扁平上皮細胞がん、細気管支/肺胞腺腫、細気管支/肺胞上皮がん、スキルスがんで構成されることが明らかにされた (ACGIH (7th, 2001)) との実験動物での知見に基づき、ACGIHは「三酸化アンチモンの製造工程」に対して「A2」に分類したが、アンチモン及びアンチモン化合物に対して、発がん性分類は付していない (ACGIH (7th, 2001))。日本産業衛生学会もアンチモン化合物の発がん性については、三酸化アンチモンに対してのみ第2群Bに分類している 産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。
以上、発がん性に関して、三酸化アンチモンに対しては区分2又は区分1B相当と考えられるが、その他のアンチモン化合物には分類に利用可能なデータがなく、本物質についても、データ不足のため分類できないとした。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は気道刺激性がある (DFGOT vol. 23 (2007)、HSDB (Access on August 2015))。また、データの詳細は不明であるが、ヒトの中毒による本物質の急性影響として、吸入及び経皮ばく露で、咳、喘鳴、呼吸困難、胸部圧迫感、肺水腫、経口摂取した場合、口腔と喉の重度の火傷、吐き気、嘔吐、腹部痙攣、血性下痢、任意の経路による全身吸収により、徐脈、低血圧、昏睡、発作、心停止、黄疸、糸球体腎炎、アルブミン尿、重度の低カルシウム血症、高カリウム血症、低マグネシウム血症の記載がある (HSDB (Access on August 2015))。
以上より、本物質は気道刺激性があり、その他の標的臓器は、List 2の情報源から、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓への影響として、区分1 (呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓) とした。
新たな情報を追加し旧分類を見直した。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 本物質のデータはなく、データ不足のため分類できない。
なお、ACGIH の「アンチモン及び化合物」において、高濃度の急性及び慢性ばく露で肺炎、心臓及び血液学的疾患が予想されるとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。また、ACGIH の「フッ化物」において、無機のフッ化物の職業ばく露によるフッ素沈着症に関連する骨の病変の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
旧分類では主にACGIHの記載からフッ化物として骨への影響、アンチモン化合物として肺、心血管系、肝臓への影響を分類していたが、本物質のデータではないことから参考に留めた。
平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on August 2015) に収載された数値データ (粘性率: 0.768 mPa・s (24.4 ℃)、密度 (比重) : 3.097 (25.8 ℃)) より、動粘性率は0.248 mm2/sec (25/26 ℃) と算出される。 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成27年度(2015年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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