NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7786-34-7
名称 りん酸ジメチル=1-メトキシカルボニル-1-プロペン-2-イル (別名:メビンホス)
物質ID m-nite-7786-34-7_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 引火性液体 区分に該当しない
-
-
- - 引火点175℃ (o.c.) (ICSC (2008)) に基づき、区分に該当しない。なお、旧分類で使用していた (ICSC (1998)) のデータが、 (ICSC (2008)) では175℃に変更されたため、区分を変更した。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 分子内に自己反応性に関連する原子団として (P-O) を含むが、UNRTDGにおいてUN 3018、クラス6.1に分類されており、優先評価項目である自己反応性化学品には該当しないと考えられるためタイプGとした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
-
-
- - UNRTDGにおいて、UN番号3018、クラス6.1に分類されていることから、優先評価項目の自然発火性物質には該当しないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験法が確立していないため、分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 半金属 (P) を含むが、水と完全に混合する (GESTIS(Access on May, 2020)) との情報があり、水と急激な反応をしないと考えられるため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく分類できない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物であり、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく、分類できない。なお、鉄、ステンレス鋼、真鍮を侵すという情報 (ICSC (2008)) がある。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分1


危険
H300 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(7) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 2.2 mg/kg (JMPR (1997))
(2) ラットのLD50: 雌: 2.2 mg/kg、雄: 4.1 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(3) ラットのLD50: 雌: 2.3 mg/kg、雄: 3.5 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(4) ラットのLD50: 3~12 mg/kg (EHC 63 (1986))
(5) ラットのLD50: 雌: 3.4 mg/kg、雄: 6.1 mg/kg (ACGIH (7th, 2003))
(6) ラットのLD50: 雌: 3.7 mg/kg、雄: 6.1 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(7) ラットのLD50: 雌: 6.0 mg/kg (ACGIH (7th, 2003))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(経皮) 区分1


危険
H310 P302+P352
P361+P364
P262
P264
P270
P280
P310
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(8) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 1~90 mg/kg (EHC 63 (1986))
(2) ラットのLD50: 4 mg/kg (IPCS PIM G001 (1998))
(3) ラットのLD50: 雌: 4.2 mg/kg、雄: 4.7 mg/kg (ACGIH (7th, 2003)、食安委 農薬評価書 (2013))
(4) ラットのLD50: > 20 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
(5) ウサギのLD50: 16~34 mg/kg (EHC 63 (1986))
(6) ウサギのLD50: 雄: 33.8 mg/kg (ACGIH (7th, 2003))
(7) ウサギのLD50: 雄: 51 mg/kg、雌: 60 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013)
(8) ウサギのLD50: 雄: 57 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2013))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.002 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (1時間): 0.0098 mg/L (4時間換算値: 0.0025 mg/L) (ACGIH (7th, 2003))
(2) ラットのLC50 (1時間): 雌: 14 ppm (4時間換算値: 0.033 mg/L) (HSDB (Access on May 2020))
(3) ラットのLC50 (1時間): 0.132 mg/L (4時間換算値: 0.033 mg/L) (GESTIS (Access on May 2020))
(4) 本物質の蒸気圧: 0.000128 mmHg (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.002 mg/L)

【参考データ等】
(5) ラットのLC50: 雌: 7.3 mg/L、雄: 12 mg/L: 3時間で全ての動物が死亡 (食安委 農薬評価書 (2013))
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、5/6例に軽度の紅斑、全例に浮腫が認められたが、ほとんどの反応は72時間後までに消失した (JMPR (1996))。
(2) ウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験が実施され、眼粘膜及び皮膚に対して軽度の刺激が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 皮膚刺激性試験において、72時間以内に回復する可逆性の反応がみられたという報告と反応がみられなかったという報告がある (GESTIS (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験で、一過性軽度の眼刺激性が認められた (JMPR (1996))。
(2) NZW ウサギを用いた眼及び皮膚刺激性試験が実施され、眼粘膜及び皮膚に対して軽度の刺激が認められた (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 本物質のウサギの眼に対する刺激性は軽微である (GESTIS (Access on May 2020))。
(4) 本物質は眼刺激物としては知られていない (HSDB (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
4 皮膚感作性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) モルモットに本物質 (純度 93.6%) を適用した皮膚感作性試験 において陰性と報告されている (JMPR (1996))。
(2) 本物質はモルモットに対して感作性を示さなかった (食安委 農薬評価書 (2013)、GESTIS (Access on May 2020))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
5 生殖細胞変異原性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた優性致死試験及びマウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験において陰性の報告がある (JMPR (1996)、食安委 農薬評価書 (2013))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性及び陰性、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いた突然変異試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性、ラット初代培養肝細胞を用いた不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (JMPR (1996)、食安委 農薬評価書 (2013)、ACGIH (7th, 2003))。
(3) 食安委農薬評価書において「生体において問題となる遺伝毒性はないものと考えられた」との記載がある (食安委 農薬評価書 (2013))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 区分に該当しない
-
-
- - 【分類根拠】
利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)~(3) より区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2003))、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on July 2020):2000年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間強制経口投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雌で肝細胞腫瘍の発生に有意な用量相関が認められたが、発生頻度は低く発生率は背景データの範囲内であったことから、本物質投与に発がん性を示す証拠はないとした (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、本物質の投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2013))。

令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、親動物に脳アセチルコリンエステラーゼ (AChE) 活性低下、体重増加抑制、神経系への影響等がみられ、雄親動物に交尾率及び授精率低下、雌親動物に黄体数減少がみられた。生殖毒性が親動物毒性の二次的影響とは実証されないため区分2とした。なお、新たな情報源を用いたことにより、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、0.5 mg/kg/day群のP親動物の雌雄で脳AChE活性低下、雌で運動失調、振戦、縮瞳、流涎、F1親動物の雌雄で成長抑制、体重増加抑制、脳AChE活性低下、雄で精巣及び精巣上体絶対重量低下、交尾率及び授精率低下、雌で卵巣相対重量低下、黄体数減少がみられている。児動物では、0.5 mg/kg/day群のF1世代の雌雄で体重増加抑制、脳AChE活性低下、F2世代の雄で成長抑制がみられている (食安委 農薬評価書 (2013))。なお、本評価書には、「精巣及び精巣上体絶対重量の低下では体重増加抑制に関連していることが示唆され、交尾率及び授精率が対照群より低下し、精巣重量の低下と関連していると考えられた。」と記載されている。

【参考データ等】
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (流涎、振戦、死亡 (死亡率: 29.2%)) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2013))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (1/20)、補正体重減少、赤血球AChE活性低下) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2013))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (神経系)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ヒトにおいて神経系への影響、(3) より、実験動物においても区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質への中毒の前兆症状として、頭痛、かすみ目、脱力感、さしこみ (cramps)、下痢、胸の痛みや締め付け感などがある。重度のばく露の症状には、発汗、縮瞳、流涎、流涙、呼吸困難、痙攣などがある (ACGIH (7th, 2001)、ACGIH (7th, 2003))。
(2) 農園や温室における作業従事者で急性の中毒例があり、症状として、眼精疲労、頭痛、視覚障害、めまい、吐き気、嘔吐、脱力感、胸の痛みや息切れ、皮膚の炎症、そう痒炎、眼瞼の攣縮、腕の攣縮、過度の発汗、下痢、腹痛、流涎が報告されている。推定摂取量約0.1 mg/kgの中毒例では、吐き気や嘔吐といった中毒の初期症状が摂取後1~2時間以内に現れたとの報告がある。また、本物質200 mLを意図的に摂取した37歳女性で、意識不明、縮瞳、大量の発汗と流涎、急性膵臓炎を伴う重篤な中毒が報告されている (ACGIH (7th, 2003))。
(3) ラットの経口投与試験では、2 mg/kg (区分1の範囲) で流涙、流涎、運動障害、歩行異常、間代性痙攣、強直性痙攣、振戦、異常行動及び反射異常がみられ、脳幹、大脳皮質、海馬、嗅部でアセチルコリンエステラーゼ活性阻害もみられた (食安委 農薬評価書 (2013))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、ヒトにおいて神経系への影響がみられるとの情報があり、(3)、(4) より、実験動物においても区分1の用量で神経系への影響がみられたとの情報があったことから、区分1 (神経系) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質の主な慢性影響として、コリンエステラーゼ (ChE) 活性の阻害による末梢神経系及び中枢神経系の用量依存的な機能障害がある。ただし、その程度は急性影響よりも減弱される (GESTIS (Access on May 2020))。
(2) 5名/群のボランティアに本物質を30日間カプセルで経口投与した結果、1.5 mg/人/日以上で赤血球ChE活性の20%以上の低下がみられたとの報告がある (JMPR (1972))。
(3) ラットの90日間強制経口投与試験では、0.56 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上で縮瞳、流涎、眼漏及び振戦、脳ChE活性低下がみられたとの報告がある (食安委 農薬評価書 (2013)、JMPR (1996))。
(4) ラットの13週間混餌投与試験では、10 ppm (ガイダンス換算値: 0.5 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で血漿、赤血球、脳内ChE活性の低下、250 ppm (ガイダンス換算値: 12.5 mg/kg/day、区分2の範囲) 以上でヘモグロビン値減少、血中尿素値上昇がみられたとの報告がある (JMPR (1972))。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ミジンコ)96時間LC50 = 0.00018 mg/L(EPA OPP Pesticide Ecotoxicity Database, 2020)であることから、区分1とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する十分なデータが得られておらず、急性毒性は区分1であることから、区分1とした。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和2年度(2020年度) ガイダンスVer.2.0 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


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