NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7789-00-6
名称 クロム酸カリウム
物質ID m-nite-7789-00-6_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (HSDB (Access on December 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (HSDB (Access on December 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (HSDB (Access on December 2014))。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 水溶解度62.9 g/100 cc (20℃) (HSDB (Access on December 2014)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲン元素を含まず、酸素を含む無機化合物である。クロム酸化合物であるので酸化性があると考えられるが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
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-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
マウスのLD50値として、180 mg/kgとの報告 (HSDB (Access on December 2014)) に基づき、区分3とした。新たな情報源 (HSDB (Access on December 2014)) を追加し、区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ヒトへの急性影響として、本物質適用による皮膚脱落や壊死が報告されている (ATSDR (2012))。 また、職業ばく露の報告で本物質を含む6価クロム化合物のばく露により潰瘍や瘢痕がみられたとの報告がある (ATSDR (2012))。その他に、具体的な試験報告ではないが、本物質を含む6価のクロム化合物について、腐食性を持つとの記載が多くある (EU-RAR (2005)、DFG vol. 3 (1992)、産業衛生学会 許容濃度の提案理由書 (1989))。以上の結果から区分1と判断した。なお、本物質はEU DSD分類で「Xi; R38」、EU CLP分類で「Skin Irrit. 2 H315」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
皮膚腐食性/刺激性の分類が区分1のため、ガイダンスに基づき区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「Xi; R36」、EU CLP分類で「Eye Irrit. 2 H319」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
日本産業衛生学会はクロム化合物として気道感作性物質「第2群」に分類している。この既存分類は本物質を明示していないものの、許容濃度の提案理由書 (1989) には、6価のクロム化合物は2価や3価のものより毒性が強いとの記載がある。また、クロム化合物は喘息を引き起こすとの記載がある (ATSDR (2012)、EU-RAR (2005))。以上から区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
本物質を含むクロム化合物は、日本産業衛生学会で皮膚感作性物質「第1群」に分類されている (日本産業衛生学会許容濃度の勧告 (2014))。この既存分類は本物質を明示していないものの、許容濃度の提案理由書 (1989) には、6価のクロム化合物は2価や3価のものより毒性が強いとの記載がある。また、本物質に限定された情報ではないが、6価のクロム化合物について皮膚感作性をもつとの記載がある (EU-RAR (2005)、ATSDR (2012)、PATTY (6th, 2012))。また、6価のクロム化合物を用いたヒトに対するパッチテストにおいて、感作性がみられたとの報告がある (ATSDR (2012))。以上から区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R43」、EU CLP分類で「Skin Sens. 1 H317」に分類されている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 区分1B


危険
H340 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウス及びハムスターの小核試験で陰性結果もあるが、多くのデータで陽性、姉妹染色分体交換試験、マウス末梢血リンパ球のDNA損傷試験で陽性、ラット肝細胞の不定期DNA合成試験で陰性である (ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013)、ATSDR (2012))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞及びヒト培養細胞の染色体異常試験で陽性である (ATSDR (2012)、IARC 49 (1990))。以上の知見及び本物質は水溶性Cr(VI)のため、区分1Bとした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 区分1A


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCでグループ1 (クロム (VI) として) (IARC (1990))、ACGIHでA1 (クロムVI化合物として) (ACGIH (2001))、NTPでK (6価クロム化合物として) (NTP RoC (2014))、日本産業衛生学会で1 (クロム化合物 (6価) として) (日本産業衛生学会 (1989)) であることから、区分1Aとした。なお、EUでは2 (EU (Access on Dec. 2014)) となっている。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路 (飲水) での催奇形性試験において、母動物毒性の記載はないが生殖・発生影響 (着床前および着床後胚損失の増加、吸収胚の増加、死亡胎児の増加、胎児体重減少、内臓奇形 (腎盂拡張)、骨格奇形 (頭蓋骨の骨化不全) の増加) がみられている (ATSDR (2012))。
また、マウスを用い、妊娠中から哺育期間中に経口経路 (飲水) で投与した発生毒性試験において、雌児動物で膣開口の遅延がみられ、60日齢での無処置の雄との交配では、妊娠数の減少、着床数の減少、生存胎児数の減少がみられ、雄児動物では発生影響はみられていない (ATSDR (2012))。
したがって、区分1Bとした。
このほか、産業衛生学会では許容濃度の勧告 (2014) において、クロムおよびクロム化合物を生殖毒性第3群 (暫定) (区分2相当) に分類している。しかし、許容濃度の勧告の分類は暫定期間中であるので採用しなかった。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質のヒトデータは経皮適用事例のみであり、吸入経路、経口経路のデータはない。1920年のデータであるが、疥癬治療の目的で使用された本物質軟膏の皮膚適用で皮膚壊死による感染の結果死亡した12人の事例では、皮膚の火傷、嘔吐、腎不全がみられ、解剖の結果、心臓の脂肪変性、腎臓の腎尿細管の充血、壊死、胃粘膜の充血が認められた。本事例ではさらに、溶血性貧血の所見に加え、重度の白血球増多症が認められている。また、アルブミン尿、乏尿、多尿を伴う急性腎炎が報告され、死亡者の解剖で腎臓の充血、尿細管壊死が認められた (ATSDR (2012)、CICAD 78 (2013))。本物質についての実験動物のデータはない。

6価クロム化合物によるヒト吸入ばく露で、気道刺激性、気道の炎症、鼻、胸の痛み、咳、呼吸困難、チアノーゼ、腎臓障害、ヒト経口ばく露で、嘔吐、下痢、胃腸管出血、肝臓壊死、腎臓の腎尿細管壊死、高用量の偶発的又は意図的な摂取により、呼吸器、心血管、消化器、血液、肝臓、腎臓、神経学的に重度の影響が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、CICAD 78 (2013)、EHC 61 (1988)、EU-RAR (2005)、ATSDR (2012))。

本物質のデータはヒトの経皮適用のみであるが、本物質は6価クロム化合物であり、6価クロム化合物の毒性知見を本物質の分類に使用することが可能と考えられる。消化管の所見については、局所刺激の影響として採用しなかった。
以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓) とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質を含め、クロム酸又は二クロム酸のナトリウム塩又はカリウム塩のダスト、或いは水溶液を介して6価の水溶性クロムに反復吸入ばく露されたヒトで生じる主な毒性影響は呼吸器への影響で、鼻中隔の潰瘍及び穿孔、気道の炎症、肺気腫、肺の線維化、慢性閉塞性気管支肺症などである (EU-RAR (2005)、CICAD 78 (2013)) との記述がある。
実験動物では本物質をラットに13.5 mg Cr/kg/dayで20日間強制経口投与した結果、本物質90日ばく露換算で、区分2該当量 (11.2 mg/kg/day相当) において肝臓に脂質の蓄積、アルカリホスファターゼ、酸ホスファターゼなど肝臓中酵素の組織局在性の変化がみられたとの報告 (ATSDR (2013)) があるが、この他、他の6価クロム化合物であるニクロム酸カリウムをラット、又はマウスに9週間混餌投与試験 (EU-RAR (2005))、ニクロム酸ナトリウム・二水和物をラット、又はマウスに90日間飲水投与した試験 (CICAD 78 (2013)) では、いずれも肝臓への有害性影響はみられていない。また、ヒトにおけるクロム化合物反復ばく露影響としての肝臓障害の記述はなく (ATSDR (2013))、上記のラットにおける肝臓影響は分類に用いない。
以上、6価クロム化合物として評価するのが適当との観点から、本物質も区分1 (呼吸器) に分類した。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ミジンコの一種)の48時間EC50=0.18mg/L(EU-RAR, 2005)であることから、区分1とした。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
無機化合物につき環境中動態が不明であり、甲殻類(ミジンコの一種)の48時間EC50=0.18mg/L(EU-RAR, 2005)であることから、区分1とした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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