NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 7790-80-9
名称 ヨウ化カドミウム(II)
物質ID m-nite-7790-80-9_v1
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
7 可燃性固体 区分に該当しない
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- - 不燃性 (ホンメル (1991)) との情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
10 自然発火性固体 区分に該当しない
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- - 不燃性 (ホンメル (1991)) との情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性 (ホンメル (1991)) との情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
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- - 金属化合物であるが、100 mLの水に86.2 g混合する (25℃) という観察結果 (ホンメル (1991)) があり、水と激しく反応することはないと考えられるため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
14 酸化性固体 分類できない
-
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- - ハロゲン元素 (I) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 無機化合物であり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
16 金属腐食性化学品 分類できない
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- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
17 鈍性化爆発物 区分に該当しない
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- - 爆発性に関連する原子団を含まないため、区分に該当しない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50:222 mg/kg (GESTIS (Access on July 2019))
(2) マウスのLD50:139~193 mg/kg (EHC 134 (1992))
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1)~(3) のデータはあるが、分類に十分なものではなく、分類できないとした。

【参考データ等】
(1) 皮膚炎や湿疹を有する患者に対するパッチテストで2%塩化カドミウム (CAS番号 10108-64-2) 溶液は刺激性を示した (DFGOT vol.22 (2006))。
(2) いくつかのカドミウム化合物は皮膚刺激性を有する (IPCS, PIM089 (1992)、Sittig (1985)、Lenga (1988))。
(3) 22ヵ月にわたり1502人に対して2%塩化カドミウムの影響をみたパッチテストにおいて2%塩化カドミウムは頻繁に25例で皮膚反応を示したが、陽性例に関して過去のカドミウムばく露は明白ではないため、関連性は否定される (DFGOT vol.22 (2006)、Wahlberg 1977))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
(1) のデータはあるが、分類に十分なものでなはく、分類できないとした。

【参考データ等】
(1) いくつかのカドミウム化合物は粉じん、蒸気も含め、眼に対して強い腐食性を示す (IPCS, PIM 089 (1992))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
カドミウムや他のカドミウム化合物について (1)~(5) のデータはあるが、明白な判断は困難であり分類できないとした。

【参考データ等】
(1) 塩化カドミウム (CAS 10108-64-2) を用いたモルモット皮膚感作性試験2試験 (マキシマイゼーション法) において試験群、対照群共に皮膚反応を認め、感作性陰性と判定されている (DFGOT vol.22 (2006))。
(2) 金属作業者、歯科関連作業者、皮膚疾患保有者等を対照とした硫酸カドミウム (CAS 10124-36-4) 及び塩化カドミウムに対するパッチテストの結果が報告されているが、陽性例の報告や反応との関連性を否定する報告が混在する (DFGOT vol.22 (2006))。
(3) 入れ墨用染料に対するアレルギー反応で硫化カドミウムの関与が示唆されているが、アレルギー試験の詳細は報告されていない (DFGOT vol.22 (2006))。(4) カドミウムを含む入れ墨用染料で紫外線照射後に浮腫を生じた例について、アレルギーではなく、カドミウムの光伝導性の結果によるものと考察されている (DFGOT vol.22 (2006))。
(5) 250人に対するリンパ球形質転換試験において18%がカドミウムに対して陽性を示した (DFGOT vol.22 (2006))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
5 生殖細胞変異原性 区分1B


危険
H340 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
本物質のデータはないが、水溶性カドミウム化合物として、(1)、(2) より区分1Bとした。

【根拠データ】
(1) 本物質自体のin vivo/in vitroデータはない。
(2) 2018年度GHS分類では、塩化カドミウム (CAS番号 10108-64-2) など水溶性カドミウムは区分1Bに分類されている。

【参考データ等】
(3) 本物質の水溶解度は1,850 g/L (20℃) である (GESTIS (Access on June 2019))。
(4) 塩化カドミウム等の水溶性カドミウム化合物について、EU CLP分類ではMuta. 1Bに分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on June 2019))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
6 発がん性 区分1A


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
本物質の発がん性試験データは無い。(1) より本物質もカドミウム化合物として区分1Aとした。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、カドミウム及びカドミウム化合物を、IARCがグループ1 (IARC 100C (2012))、NTPがKに (NTP RoC (14th, 2016))、日本産業衛生学会が第1群に (産衛学会許容濃度の勧告 (2016)、1996年提案) 分類している。

【参考データ等】
(2) カドミウム及びカドミウム化合物はヒトで肺がんを生じること、またカドミウム及びカドミウム化合物へのばく露と腎がん及び前立腺がんとの間に正の相関があることから、カドミウム及びカドミウム化合物のヒトでの発がん性は十分な証拠がある (IARC (2012))。
(3) 実験動物では主に塩化カドミウムを用いた発がん性試験結果から、カドミウム化合物には実験動物での発がん性の十分な証拠がある (IARC (2012))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
7 生殖毒性 区分1A


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
【分類根拠】
本物質のデータはないが、(1) より区分1Aとした。

【根拠データ】
(1) 日本産業衛生学会は疫学研究報告及び実験動物での知見より、カドミウム及びカドミウム化合物を生殖毒性物質第1群に分類している (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。

【参考データ等】
(2) ヒトでは神通川流域の妊婦の集団では、尿中カドミウム濃度が高い妊婦の群が低い妊婦の群と比べて妊娠期間の有意な短縮及び低体重児の出産率の有意な高値を示したとの報告、バングラディシュの妊婦では尿中カドミウム濃度と女児の出生児体重との間に有意な負の相関がみられたとの報告、母子のコホート研究では母体血中カドミウム濃度と出生児の頭囲とは逆相関し、臍帯血中濃度の上昇が3歳児における身長、体重及び頭囲を有意に低下させたとの報告、及び東京の妊婦における研究でも尿中カドミウム濃度と出生児の体重との間に有意な負の相関があったとの報告など、妊婦のカドミウム中毒による発生影響に関する複数の疫学研究がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2013))。
(3) 実験動物でも妊娠動物にカドミウム化合物 (主に塩化カドミウム) を経口投与した試験で、胎児に体重低値、骨格変異・奇形の増加、胚/胎児吸収の増加、新生児に神経発達障害(自発運動低下、知覚運動協調性反射の発達遅延など)、腎機能低下など発生・発達影響が数多く報告されている (ATSDR (2012))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分1 (呼吸器、心臓、肝臓、腎臓、消化管) とした。

【根拠データ】
(1) 自殺目的で本物質81.5 mg/kg (25 mg Cd/kg) 又は塩化カドミウム (CAS番号 10108-64-2) 1,840 mg/kgを経口摂取したヒト各1例では、いずれも消化管出血、体液損失、浮腫、多臓器障害をきたし、各々7日後又は約30時間後に死亡した。剖検の結果、心筋、肝臓、腎臓及び消化管の損傷、肺水腫、消化管の出血性壊死が認められた (DFGOT vol. 22 (2006)、ATSDR (2012))。
(2) 上記のヒト2症例のうち、本物質を摂取した1例では、心室細動を含む心リズム障害と無尿がみられたとの記載がある (ATSDR (2012))。
(3) カドミウム (CAS番号 7440-43-9) のヒュームに吸入ばく露されたヒト1例が、重篤な胃腸炎、血圧低下、心リズム障害、無尿を示し、72時間後に死亡した。剖検の結果、肺と胃粘膜のうっ血、大腸及び小腸の充血、心筋への炎症性細胞浸潤、肝臓の小葉中心性壊死、腎臓ヘンレ管の細胞性壊死が認められた (IPCS, PIM089 (1992))。
(4) カドミウム化合物一般のヒトでの急性毒性として、吸入ばく露では肺炎と肺水腫、経口摂取では急激で重篤な悪心、嘔吐、腹痛が報告されている (EHC 134 (1992))。

【参考データ等】
(5) 塩化カドミウムを用いたラットにおける単回吸入ばく露試験で肺炎・肺水腫が、同じくラットにおける単回経口投与試験で、肝臓 (肝細胞壊死)、腎臓 (尿量減少)、消化管 (腸の壊死、出血、潰瘍) への影響がみられた (ATSDR (2012))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、腎臓、骨)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
本物質の反復ばく露によるデータはない。本物質は水溶性カドミウム化合物であり、(1) の自殺目的での単回経口摂取の事例から経口摂取により体内に取り込まれることが示されていることから、(2)、(3) に示す、体内に取り込まれたカドミウムによる毒性影響に基づき分類を行うのが妥当と判断した。よって、区分1 (呼吸器、腎臓、骨) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質を摂取し7日後に死亡した男性において、初期の尿中カドミウム濃度は15,600 microgg/Lであり、7日目には100 microg/Lまで低下した。3日後にサンプリングした血液中のカドミウム量は1.1 microg/L、剖検の各臓器のカドミウム含量は、脳0.5 microg/g、肝臓80 microg/g、腎臓80 microg/g (皮質) 及び8.9 microg/g (髄質) と報告されている (IPCS, PIM089 (1992))。
(2) カドミウムは広範囲の臓器組織に毒性を示すが、主要な標的臓器は腎臓であり、骨及び吸入による肺も毒性に対する感受性が高いとの記載がある (ATSDR (2012))。
(3) 長期職業ばく露は肺及び腎臓を主とする重篤な慢性影響を生じさせ、慢性的な腎障害は一般集団にもみられる。その他の影響の中には、カルシウム代謝の阻害、高カルシウム尿、腎結石の生成がある。高濃度のカドミウムばく露の大多数は栄養上の欠陥などの他の要因と共存し、骨粗しょう症、骨軟化症を発症させるとの記載がある (EHC 134 (1992))。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 令和元年度(2019年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)※一部JIS Z7252:2019(GHS 6版準拠)を採用


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