項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 80-54-6 |
名称 | 3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール |
物質ID | m-nite-80-54-6_v1 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類ガイダンス等(外部リンク) | ガイダンス一覧へ |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書へ |
FAQ(よくある問い合わせ) | よくある問い合わせへ |
情報源のリスト(Excelファイル) | 情報源のリストへ |
用語のリスト(Excelファイル) | 用語のリストへ |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortalへ |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 可燃性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | エアゾール | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 酸化性ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 高圧ガス | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 | P370+P378 P210 P280 P403 P501 |
引火点79℃(closed cup)(GESTIS(Access Dec. 2018))に基づいて区分4とした。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 可燃性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 自己反応性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 自然発火性液体 | 区分に該当しない |
- |
- | - | 発火点は257℃(GESTIS(Access Dec. 2018))であり常温で発火しないと考えられる。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 自然発火性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 金属及び半金属(B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At)を含んでいない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
13 | 酸化性液体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
14 | 酸化性固体 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
15 | 有機過酸化物 | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
16 | 金属腐食性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P264 P270 P330 P501 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、2件が区分4、1件が区分外(国連GHSの区分5)に該当する。件数が多い区分を採用し、区分4とした。新しい情報源の利用により区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットのLD50:1,390 mg/kg (雌雄)(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)) (2)ラットのLD50:3,700 mg/kg(SCCS(2017)) (3)ラットのLD50:1,000~2,000 mg/kg (雌雄)(SCCS(2017)) |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 【分類根拠】 (1)~(3)より、区分外とした。 【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:> 5,000 mg/kg(SCCS(2016))。 (2)ウサギのLD50:> 4,700 mg/kg(SCCS(2016))。 (3)ラットのLD50:> 2,000 mg/kg(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分に該当しない(分類対象外) |
- |
- | - | 【分類根拠】 GHSの定義における液体である。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、ガイダンスに従い区分2とした。(3)は試験法がOECD TGに沿っているわけではないが、区分2の判断を支持する結果である。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP準拠、n=3)で本物質原液を4時間半閉塞適用したところ、紅斑及び浮腫に対する24~72時間後の平均スコアは1.7/2.0/2.3及び2.0/2.7/3.0であり、7日後に見られた紅斑及び浮腫の平均スコアは1.7及び1.3であった(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018)、ECETOC TR66(1995))。また、PII(一次刺激指数)は4.56だった(ECETOC TR66(1995))。 (2)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404相当、GLP準拠、n= 4)で本物質原液を4時間半閉塞適用したところ、紅斑及び浮腫に対する24~72時間後の平均スコアは1.7/2.0/2.0/2.0及び1.0/1.7/1.7/2.3で、7日後には全例で落屑が観察されたとの報告がある(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、ECETOC TR66(1995))。また、PII(一次刺激指数)は3.58だった(ECETOC TR66(1995))。 【参考データ等】 (3)ウサギを用いた皮膚刺激性試験(FDA Register 38. No. 187, Para. 1500.41, S27029、n=2(5分、2時間適用)、3(24時間適用)、雄(2)雌(1))で本物質原液を閉塞適用したところ、紅斑及び浮腫に対する24~72時間後の平均スコアは5分適用が2.0及び1.0、2時間適用が1.0、2.0及び1.0、0.5が見られ、前者は8日後に回復したが、後者は1/2で紅斑が回復せず、また、どちらの用量群も8日後に全例で皮膚の落屑が見られたとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (4)ボランティア25人(男性3人、女性22人)に対するパッチテストにおいて、本物質溶液(75%エタノール/25%フタル酸ジエチル)を0/10/15/20/25%の濃度でそれぞれ24時間閉塞適用したところ、10、20%溶液で数人に淡い紅斑が見られたが最高濃度では皮膚刺激性は見られず、濃度依存性はなかったとの報告がある(SCCS(2016))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 |
【分類根拠】 (1)~(3)より、7日以内に回復するとの情報を踏まえて区分2Bとした。新たな情報源の利用により、旧分類から区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP準拠、n=3)で本物質10及び30%溶液(溶媒:フタル酸ジエチル)を適用したところ、結膜にスコア1の発赤、浮腫、分泌物が見られたが7日以内に回復したとの報告がある(SCCS(2016)、NICNAS IMP(Accessed Dec. 2018))。 (2)ウサギを用いた眼刺激性試験(FDA Register 38. No. 187, Para. 1500.41, S27029、n=3)で本物質原液を適用したところ、24, 48, 72時間後の結膜発赤の平均スコアは0.5/0.5/1.0であり、角膜混濁、虹彩炎、結膜浮腫は見られなかったとの報告がある(NICNAS IMP(Accessed Dec. 2018)、REACH登録情報(Accessed Dec. 2018))。 (3)ウサギを用いた眼刺激性試験(n=6)で本物質8%溶液(溶媒:プロピレングリコール)を適用したところ、結膜には4/6例でごく軽度~重度の浮腫、3/6例に軽度~中等度の分泌物が見られたが4日以内に回復、角膜への影響は72時間後まで見られたがその後回復、虹彩への影響も見られたが7日以内に回復したとの報告がある(SCCS(2016))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 | P302+P352 P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
【分類根拠】 (1)~(6)より、区分1とした。なお、SCCSでは、本物質は溶媒等の試験条件によって陽性反応に影響を与えるが、低頻度ではあるが症例報告で陽性が見られることから、(7)のように判断している。ヒト及び動物試験における陽性頻度や重篤性の情報を踏まえて細区分は行わなかった。 【根拠データ】 (1)ボランティアに対する反復パッチテスト(HRIPT法)について複数の症例報告があり、最大25%濃度で適用した試験も含まれているが、ほとんどが陰性の結果であったとの報告がある。それらの多くがエタノールとフタル酸ジエチルの混合溶媒を用いた試験であり、一方でワセリンを混合溶液としたHRIPT試験では5%濃度で9/25例で陽性反応が見られたとの報告がある(SCCS(2016))。 (2)複数の皮膚科の患者に対するパッチテストでは、本物質に対し陽性反応を示し(11~100例/施設)、本物質溶液5%の陽性率は0~1.2%(多くは0.6%未満)だったとの報告がある(SCCS(2016))。 (3)マウスを用いた4件のLLNA試験(OECD TG443、GLP準拠)において陽性の結果が得られているが、EC3値は溶媒によって2.94%(エタノール)~18.7%(アセトン/オリーブ油(4:1))まで変動しており、エタノール溶媒の試験(濃度は10,25,50,100%)では全濃度区でSI値≧3が得られ(3.3、9.8、24.3、38.5)、濃度依存性も見られるとの報告がある(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 (4)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、GLP準拠、n=5/性)で、本物質溶液(アセトン/PEG400)に対して陽性を示したとの報告がある(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 (5)モルモットを用いたBuehler試験(OECD TG406、GLP準拠、n=10)で本物質溶液(エタノール)に対して弱い陽性を示したとの報告がある(SCCS(2016))。 (6)モルモットを用いたKao法(n=10/群)で本物質30%溶液(エタノール)及び原液を適用したところ、前者には5/10例で陽性、後者には6/10例で陽性を示したとの報告がある(SCCS(2016))。 【参考データ等】 (7)2012年にSCCSは本物質に対して「ヒト対して接触アレルゲンとして作用する(established contact allergen in humans)」との見解を示した(SCCS(2016)、SCCS(2017))。 (8)モルモットを用いたMaximization試験(OECD TG406、GLP準拠、n=20)で、本物質溶液(エタノール)に対して陽性を示さなかったとの報告がある(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 In vivoのデータは(1)のみで、データ不足のため分類できない。 【根拠データ】 (1)In vivoではマウスの骨髄を用いた小核試験(OECD TG474, GLP)において、雄の最高用量群で48時間後に小核を有する多染性赤血球比率の有意な増加がみられたが、背景データの範囲内の変動であり、結論は導けないとされた(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 (2)In vitroでは、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陽性の結果が得られているが、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子変異試験は陰性であった(SCCS(2016, 2017)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)から、F0親動物に軽微な症状(血清コリンエステラーゼ増加、肝臓相対重量の増加、体重増加量の減少)が生じた用量で、雄動物の生殖器への有害影響と繁殖障害(着床後胚吸収率増加、生存児得られず)が認められた。(2)、(3)のデータからも出生児や胎児に発生・発達影響がみられる。以上、1世代試験により発現した生殖影響と精巣毒性に基づき、区分1Bとした。新しい情報源の利用により区分を変更した。 【根拠データ】 (1)ラットを用いた混餌投与による1世代試験において、1,700 ppm以上の投与によりF0親動物の体重増加抑制、肝臓影響(相対重量増加、血清AST・ALP活性の増加など)がみられており、これらの群では生存児が得られなかった。また1,700 ppm以上の投与群には、雄性生殖器への影響として精巣のび慢性変性、精巣上体における無精子症が、最高用量の3,400 ppm投与群には更にライディッヒ細胞の過形成が認められている。低用量2群(400, 800 ppm)については、F0親動物には血清コリンエステラーゼ増加、肝臓相対重量の増加、体重増加量の減少などが、F1児動物には着床後胚吸収率の増加、生時および離乳時体重の低値、体重増加量の減少がみられ、発生および生後の成長への悪影響が認められている(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、CLP Report(2017))。 (2)ラットを用いた混餌投与による拡張1世代試験(OECD TG 443、GLP準拠)において、F0およびF1親動物に一般毒性影響(体重増加抑制、小葉中心性肝細胞肥大および単細胞壊死、門脈周囲の空胞化など肝臓影響)がみられる10 mg/kg/dayの用量まで親の繁殖能への有害影響はみられていない。また、10 mg/kg/day群から生まれたF1、F2児動物には体重の低値、赤血球および横隔膜組織のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性抑制(生後4日のF1雄児、生後76日のF1雌児)がみられ、末梢組織におけるAChE抑制についてSCCSは有害影響と判断している(SCCS(2017)、CLH Report(2017))。 (3)妊娠6~20日(器官形成期)のラットに強制経口投与した催奇形性試験(OECD TG 414、GLP準拠)において、母動物毒性が明らかな45 mg/kg/dayまで、発生影響として胎児体重の低下、骨化遅延、内臓および骨格の変異がみられたが、胎児に死亡や奇形発生の増加はみられなかった(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、CLP Report(2017))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
警告 |
H336 H335 |
P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)より気道刺激性、(2)より麻酔作用を採用し、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。新しい情報源の利用により、標的臓器を追加した。 【根拠データ】 (1)マウスに本物質を1~5分間吸入ばく露後に30秒間の呼吸数を測定した結果、濃度依存的な呼吸数減少(最大41.2%)が認められ、本物質の呼吸器刺激作用による影響と考えられている(SCCS(2016))。 (2)ラットの単回経口投与試験で、681 mg/kg以上の用量で嗜眠(全身抑うつ作用)、呼吸困難がみられた 。その他の症状として、全身状態悪化、被毛粗剛、異常歩行などの報告がある(NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、SCCS(2016))。 【参考データ等】 (3)ラットの単回経皮ばく露試験の2,000 mg/kg群で、局所刺激症状以外に呼吸困難、興奮、抑うつ(アパシー)、よろめき歩行、被毛粗剛、流涙、全身状態悪化がみられた(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(生殖器(男性)) |
警告 |
H373 | P260 P314 P501 |
【分類根拠】 (1)~(4)のデータより、各種雄動物の生殖器および精子形成への有害影響が認められている。有害性区分として、(2)、(3)の短期(2週間)試験からは日数換算の結果、区分1での影響となるが、ガイダンスに従いラット90日間経口投与試験(OECD TG408、GLP)の(1)の結果を優先し、区分2(生殖器(男性))とした。この他、標的臓器として(1)から「副腎」、(4)から「肝臓」が想定されるが、(1)の副腎の所見は雌ラットのみの影響でイヌではみられないこと、(4)の肝臓所見は毒性変化でなく適応性の変化と考えられること、かつ、より3ヵ月間経口投与試験(OECD TG 409, GLP)の(5)のデータで肝臓影響を疑う明瞭な所見がないことから、標的臓器の対象から除外した。 【根拠データ】 (1)雌雄ラットの90日間強制経口投与試験(OECD TG408、GLP)において、25 mg/kg/day以上(区分2の範囲)で副腎への影響(雌:相対重量増加・束状帯の肥大)、および50 mg/kg/day(区分2の範囲)で、精巣・精巣上体への影響(精巣の萎縮、精巣上体の精液瘤)がみられた。(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、CLP Report(2017))。 【参考データ等】 (2)雄ラットおよび雄マウスの14日間経口投与試験において、50 mg/kg/day(90日換算値:7.8 mg/kg/day、区分1範囲)で、ラットに精巣萎縮、マウスに異常精子の頻度増加がみられた(SCCS(2016))。 (3)雄ウサギの15日間強制経口投与試験において、30 mg/kg/day(90日換算値:5 mg/kg/day、区分1の範囲)で、1/5例に精巣精細管にび漫性変性、精巣上体に炎症と乏精子症(いずれも中等度)、100 mg/kg/day(90日換算値:16.7 mg/kg/day、区分2の範囲)で、1/5例に精細管のび漫性変性、精巣上体の萎縮、無精子症(いずれも重度)が認められた(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、CLP Report(2017))。 (4)雄イヌの2週間強制経口投与試験において、200 mg/kg/day(90日換算値:30.8 mg/kg/day、区分2の範囲)で、4例全例に嘔吐・軟便・下痢を伴う体重増加抑制または体重減少、肝臓重量増加・小葉中心性肝細胞肥大、1/4例に精巣に精細管のび漫性変性とライデッヒ細胞の過形成、精巣上体に上皮の空胞化と無精子症が認められた(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018)、CLP Report(2017))。 (5)雌雄イヌを用いた3ヵ月間経口投与試験(OECD TG 409, GLP)では、44.6 mg/kg/day(区分2の範囲)までの用量では雌雄ともに影響は認められず、雌のみ200 mg/kg/dayの90日間投与群を追加したが、雌には200 mg/kg/day(区分2超)の用量でも有害影響はみられなかった(SCCS(2016)、NICNAS IMAP(Accessed Dec. 2018))。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
10 | 誤えん有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 【分類根拠】 データ不足のため分類できない。 |
平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | 分類実施年度 | 分類ガイダンス等 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし | 平成30年度(2018年度) | ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014) |
|