NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 8006-64-2
名称 テレピン油
物質ID m-nite-8006-64-2_v1
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - エアゾール製品ではない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点は30~46℃ (closed cup) (ICSC (J) (2002)) である。なお、UNRTDG分類はUN 1299、クラス3、PGⅢである。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない
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-
- - 発火点は220℃ (GESTIS (Access on September 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義による液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
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-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
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- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、5,760 mg/kg (DFGOT vol. 17 (2002)) との報告に基づき、区分外とした。旧分類はヒトでの致死量210~1,260 mg/kgとの報告に基づき、区分2としていたが、ガイダンスに従いラットのLD50値を根拠としたため、区分を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - LD50値の情報はないが、ウサギのLDLo値として、5,010 mg/kgとの報告 (Chem ID (Access on November 2017)) があり、LD50値はこの値よりも大きいと考えられる。したがって、区分外とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における液体である。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
ラットの1時間吸入ばく露試験のLC50値として3,590 ppm (4時間換算値: 1,795 ppm) (ACGIH (7th, 2003))、4時間吸入ばく露試験のLC50値として13.7 mg/L (2,466 ppm) (DFGOT vol. 17 (2002))、6時間吸入ばく露試験のLC50値として2,150 ppm (4時間換算値: 2,633 ppm) (ACGIH (7th, 2003)) との3件の報告があり、2件が区分3、1件が区分4に該当する。件数の多い区分を採用して、区分3とした。なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (4,950 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ヒトの皮膚に対して本物質は刺激性を示すとの記載 (DFGOT vol. 17 (2002)、ACGIH (7th, 2003)、PATTY (6th, 2012)) や、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で本物質の適用で剃毛した皮膚に潰瘍を生じ刺激性がみられたとの記載 (DFGOT vol. 17 (2002))、マウスの皮膚において本物質濃度75%及び100%溶液の適用で10匹全てに皮膚表面に潰瘍を生じたとの報告 (DFGOT vol. 17 (2002)) から、区分2とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
本物質はヒトの眼に対して強い刺激性を示し、また、腐食性を示す可能性があるとの記載 (PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。情報源の内容を見直して旧分類から区分を変更した。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
日本産業衛生学会・許容濃度勧告において、本物質は皮膚感作性物質第1群に分類されている (産衛学会許容濃度等の勧告 (2017年度)) ことから、区分1とした。職業ばく露における疫学調査で皮膚感作性があるとの記載 (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 17 (2002)、PATTY (6th, 2012))、モルモットでのマキシマイゼーション法による試験で陽性であるとの記載 (DFGOT vol. 14 (2000)) がある。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on August 2017))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 本物質と針葉樹の他の加熱成分に5年以上ばく露された作業者の間で肺がんリスクの有意な増加 (オッズ比: 9.71、95% CI: 1.59-56.7) がみられたが、著者らは針葉樹の揮発成分には本物質以外にも樹木のアビエチン酸、ピマール酸、その他樹脂酸の誘導体の混合物や複合体が含まれていることを指摘している (ACGIH (7th, 2003))。このように、本物質への単独ばく露による信頼性のある報告はない。実験動物では標準的な発がん性試験データはない。ただし、DMBA (7,12-dimethylbenz[a]-anthracene) でイニシエーション後に本物質原液をマウス皮膚に適用した場合、皮膚腫瘍のプロモーション作用がみられたが、本物質の20~50%希釈溶液ではプロモーター作用はみられなかった (DFGOT vol. 17 (2002)) との報告、並びに本物質を経皮適用した場合、腫瘍成長の促進がウサギでは示されたが、マウスでは示されなかった (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2003)) との報告がある。既存分類としては、ACGIHがヒト及び実験動物での発がん性データは不十分であるとして、A4に分類している (ACGIH (7th, 2003))。以上より、分類できないとした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、妊娠ラット (n= 5) に本物質飽和蒸気を妊娠17~21日に10分/回で2回/日吸入ばく露した結果、ばく露群では母動物に顕著な症状 (協調運動障害、運動失調、過呼吸、流涎) がみられ、出生児37例中22例 (59%) が中枢神経障害、呼吸困難をきたして死亡したとの報告がある (DFGOT vol. 17 (2002)、ACGIH (7th, 2003)、PATTY (6th, 2012))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、腎臓)、区分3(気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトでは本物質の蒸気750~1,000 ppm、数時間の吸入ばく露により、頭痛、めまい、吐き気、頻脈が認められたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、本物質の経口摂取による急性毒性症状として、血尿、蛋白尿、乏尿を伴う腎障害が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 17 (2002)、PATTY (6th, 2012))。さらにボランティアに本物質を3~5分間、吸入ばく露した試験で、75 ppm以上で鼻と喉の刺激が認められたとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1991)、ACGIH (7th, 2003)、DFGOT vol. 17 (2002))。実験動物では、ラットの単回吸入ばく露試験において、運動失調、振戦、痙攣、頻呼吸、一回換気量低下、突発性無呼吸による死亡がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 17 (2002)、PATTY (6th, 2012))。これらの症状がみられた用量の詳細な記載はないが、影響はLC50値付近の区分1~2の範囲で認められたと考えられる。また、マウスを用いた感覚刺激性試験で、本物質の吸入ばく露により呼吸数の低下が認められ、RD50値は1,173 ppm (6.5 mg/L) と報告されている (ACGIH (7th, 2003)、DFGOT vol. 17 (2002))。以上より本物質は中枢神経系と腎臓に影響を示し、また気道刺激性を有すると考えられる。したがって、区分1 (中枢神経系、腎臓)、区分3 (気道刺激性) とした。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、血液系、泌尿器系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトについて、靴クリーム製造工場で本物質の主成分であるα-ピネンを取り扱う6名の作業者がめまい、酩酊感、顔面・頸部の紅斑と灼熱感、肛門部の掻痒感、排便痛、排尿痛を伴う尿意頻数を愁訴、メトヘモグロビン血症、脾臓の腫大、腎障害、膀胱潰瘍を伴う尿道膀胱炎、肛門湿疹、顔面・頸部の皮膚炎が認められたとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1991))。また、スウェーデンの製材所で平均気中濃度は254 mg/m3 (45 ppm)、濃度範囲は100~550 mg/m3 (18~98 ppm) のテレピン油にばく露された労働者の問診と肺機能検査を行った結果、ばく露群では咽頭の刺激症状、胸部圧迫感、咳の割合が多く、肺機能検査ではばく露者で正常範囲からはずれる数値 (1秒量の減少など) を示すものが多かったとの報告がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1991))。このほか、呼吸器系の炎症、腎臓の傷害の報告 (ACGIH (7th, 2003))、慢性の吸入により広範囲に及ぶ糸球体腎炎を引き起こすとの報告があった (PATTY (6th, 2012))。
  以上から、区分1 (呼吸器、血液系、泌尿器系) とした。
  新たな情報源を用いたため旧分類と分類結果が異なった。
平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 区分1


危険
H304 P301+P310
P331
P405
P501
本物質をヒトが誤嚥により気道に吸引した場合に特徴的な呼吸困難、急性肺浮腫及びチアノーゼを伴う化学性肺炎を生じる (ACGIH (7th, 2003)、DFGOT vol. 17 (2002)) との記述があり、区分1とした。なお、EU もAsp. Tox. 1に分類している (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - データなし 平成29年度(2017年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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