NITE統合版 政府によるGHS分類結果

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一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 818-08-6
名称 ジブチルスズオキサイド
物質ID m-nite-818-08-6_v2
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - ICSC (1999) では可燃性としているが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 発火点が279℃ (ICSC (1999)) であり、常温で発火しないと考えられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
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- - 水に不溶 (ICSC (1999)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないとみられる。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素 (Sn) と結合しているが、データがなく分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、172 mg/kg、260 mg/kg (SIDS (2009))、520 mg/kg (EHC 15 (1980)) の3件の報告がある。2件が区分3、1件が区分4に該当するので、最も多くのデータが該当する区分3とした。なお、44.9 mg/kg、50 mg/kg (環境省リスク評価第8巻 (2010)) との報告もあるが、引用元がRTECSであり、SIDS (2009) ではこれらのデータを採用していないため、信頼性が不十分なものとして、分類には採用しなかった。新たな情報源 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009)、EHC 15 (1980)) を追加し、区分を見直した。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 区分に該当しない
-
-
- - ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2009))、ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (環境省リスク評価第8巻 (2010)) との報告に基づき、区分外とした。新たな情報源 (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009)) を追加し、区分を見直した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 -
-
-
- - - 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、最大スコアは19.5 (最大値110) であり、角膜浮腫、角膜血管新生、強膜静脈の形成がみられ、角膜に対する刺激性は21日後まで持続したとの報告がある (SIDS (2009))。以上の結果から区分1とした。情報の更新により区分を変更した。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。なお、新たな評価書の知見を踏まえ、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。

【参考データ等】
(1)In vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験(OECD TG 471)で代謝活性系の有無にかかわらず陰性の報告がある(ECHA RAC Opinion (2021)、MOE 初期評価 (2018)、SIAR (2013)、AICIS IMAP (2019))。
(2)本物質(DBTO)は胃内での加水分解(pH 1~2)を模倣した実験では3.5時間の半減期でジブチルスズジクロリド(CAS登録番号:683-18-1)に変換した(変換率:4時間で85%)(SIAR (2006)、SIDS Dossier (2006)、MOE 初期評価 (2018)、CLH Report (2020))。
(3)ジブチルスズクロリドは、in vivoマウス小核試験において陽性および陰性知見があるが、その相反理由は不明としている(ECHA RAC (2021))。
(4)EU CLP分類でMuta. 2に分類される見込みである(EU CLP CLH (2021))。
令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量 (19.9 mg/kg) において、外表奇形 (下顎裂、下唇裂、舌癒着、舌裂、外脳)、骨格奇形 (下顎骨癒合、頭蓋骨発育不全、肋骨癒合、肋骨欠損、椎弓癒合、上顎骨裂) がみられている (SIDS (2009))。
旧分類では母動物毒性に関する情報がなく区分2に分類していたが、母動物毒性が認められないことが判明したことから区分1Bとした。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質は、気道を刺激する。また、中枢神経系に影響を与え機能障害を生じることがあり、死に至ることもある。吸入や経口摂取すると頭痛や耳鳴り、記憶喪失、失見当識を生じることがある (環境省リスク評価第8巻 (2010))。
実験動物では、ラットに本物質164-176 mg/kgを経口投与した結果、呼吸困難、鎮静、下痢、攻撃性の増加など物質に関連した行動学的な変化が示唆されるとの記載がある (SIDS (2009))。肺や肝臓に対する影響について、関連する知見は見当たらない。なお、実験動物への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。
以上より、本物質は中枢神経系への影響及び気道刺激性を有すると考えられ、区分1 (中枢神経系)、区分3 (気道刺激性) とした。

平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
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- - 本物質の反復ばく露に関する知見はなく、データ不足のため分類できない。なお、本物質は人工胃液中でジブチルスズ二塩化物 (CAS: 683-18-1) に変換するとの記述がある (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。
旧分類ではList 3の情報源より区分1 (肝臓、腎臓) と分類されたが、根拠と推定されるデータはList 1情報源からは特定されず、厳密には本物質ではなく、ジブチルスズ二塩化物の試験結果を主体とするジブチルスズ化合物のハザードとして分類された結果と推定された。
平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため、分類できない。 平成26年度(2014年度) ガイダンスVer.1.0 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 1.5 mg/L(SIAR, 2006、CICAD 73, 2006)であることから、区分2とした。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(METI既存点検結果, 1984))、急性毒性は区分2であることから、区分2とした。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 令和4年度(2022年度) ガイダンスVer.2.1 (GHS 6版, JIS Z7252:2019)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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